M-1グランプリに出ました
2025/8/26(火)にM-1グランプリに出場しました。のど自慢、のど自慢と騒いでる最中に書くのも混乱を招くかと思い黙っていたのですが、こちらも出ていました。いったい私は何になりたいのか。
コンビを組むことになったのは荒瀬(@_nemurubaka)さん。ネットを通じてちょこちょこ話すようになったのは2018年ごろからですが、昨年暮れあたりからよくXのスペースで夜中に往年の有名芸能人の話をするようになりました。切り抜きポッドキャストもあるので良かったら聴いてください。主に二十代の方から「誰かに聞かせようとして喋ってるとは思えない。何を言ってるのかさっぱりわからないが楽しそうではある」ともっぱらの評判です。
さて、今年の頭から内々で「出られたらいいね」ぐらいの温度で話はしていたのですが、本格的に動き出したのは6月末ごろ。荒瀬さんが10割台本を書いて、LINE通話で打ち合わせながら徐々に修正していく方法を取りました。なんせ私(JET)が新潟在住、荒瀬さんが神奈川在住なので横に立ってネタ合わせするのが難しい。ちなみに、散々喋っている我々ですが実際に会った回数は2回です。
当初は荒瀬さんの「素人が掛け合い漫才で勝ち抜くのはほぼ不可能に近いから、やり取りが極力発生しないシステムを取ろう」との方向性のもとで、「ボケ:荒瀬さんが延々と脈絡のない与太話を一歩的に喋り、ツッコミ:JETが都度都度バツ印の描かれたマスクを外し、大声で怒る」という台本だったのですが、結局飛び道具に走りすぎてこじれてしまい、出来上がったのはシンプルな掛け合い漫才となりました。以下、台本です。コンビ名は「大魔神佐々木」です。
J:JET A:荒瀬
J:どうも、大魔神佐々木と言います。よろしくお願いします。
A:あのースカパラって知ってる?
J:東京スカパラダイスオーケストラな、いや知ってるよ、俺結構好きだもん
A:スカパラってさ、ギリ食えてないよな?
J:……食えてるだろ!なんてこと言うんだよ
A:え?あんな沢山いるのに?
J:食えてるって、確かにメンバー9人だからだいぶ多いけど
A:でもこれ一番の問題はスカパラがしょっちゅうゲストとコラボしてるとこなんだよな
J:いいだろコラボしたって、別に9人から1人増えたってそんな変わんないだろ
A:あっもしかしてギャラを9等分するのも一人増やして10等分にするのもそんな変わんないって思ってる?
J:いや思ってるよ
A:あのさ、わざわざ外部から来てくれたゲストがメンバーと同じギャラな訳ないじゃん、ゲストとスカパラでギャラは半々なんだよ、つまり、メンバーはギャラを半分持ってかれた上に、それを9人で更に分けないといけないんだよ
J:おいキツすぎんだろ!確かにギリ食えてなさそうだな!
A:俺だってこんなこと言いたくなかったよ
J:じゃあスカパラが食う為にはどうしたらいいんだよ!
A:いや知らないよ、8人くらい減らせば?
J:いや減らしすぎだろ!ピンになってんじゃねーかよ!
A:でもゲストとギャラ山分けなんだから余裕で食えんじゃん
J:ゲストとサシにすんなよ!あと一人でオーケストラ名乗ってる奴ヤバすぎんだろ!もっと人数減らさずになんか無いのかよ?
A:うーんじゃあ稼いでそうだし大谷翔平とコラボすれば?
J:無理に決まってんだろ!あの人がやってくれるの俳句までなんだよ!
A:お前よく考えろよ、何のためにスカパラがここまで9人でやってきたと思ってんだよ
J:別に野球する為じゃねーだろ!もういいよ!どうもありがとうございました
「スカパラは食えてるのか、食えてないのか問答」という題材はまだ誰も取り扱っていないと思われ、あとはテンポや声量、間の取り方の勝負になるのですが、昔から散々テレビでお笑いを観ているとはいえ演じる方はズブの素人である我々が、しかも対面でなくリモートで合わせるのは至難の業。とくに「スカパラってさ、ギリ食えてないよな?」「……食えてるだろ!」の「……」の秒数だけでもトライアンドエラーの繰り返しで、夜中まで打ち合わせをしては翌朝になると「あれ、やっぱり違いませんでしたか?」とひっくり返ることもままあり難儀しました。
あっという間に本番前日を迎え、新幹線から在来線を乗り継ぎ、東武田園都市線梶が谷駅近くのホテルで一泊。なぜそんな各駅しか停まらない謎の駅で宿泊したかといえば、予選会場が渋谷で、かつ練習場所として誰とも被らないエリアを考えた結果、荒瀬さんが川崎市溝の口周辺が適切だろうと判断したからです。夜11時ごろ着いたのですが、周辺にはGEOしかありませんでした。
当日、13時からの予選に備えてカラオケまねきねこ溝の口店で合流。実際に立って合わせると、言い回しや呼吸の微妙な調整点に改めて気がつくことが山ほどあるうえに、やはりとにかくネタが飛ぶ。そしてDAMチャンネルに次から次へと現れる知らないアーティストたちに気が散る。あっという間に退店時間となり、渋谷を目指します。
会場入りはブロックごとに分かれているので、周辺混雑はまったくありませんでした。矢継ぎ早にところてん方式で入場しては退場、を繰り返すので、ほかの出演者のネタを確認することはできません。エントリーで「大魔神佐々木」を名乗る時「"大魔神佐々木"ではないのに」と思いました。
入場者待機室で待ちながら小声でネタを合わせていると、MCのななまがりさんの呼び込みが始まりました。同じブロックの出演者の皆さんは、ごく若手ながら事務所所属の新人さんたちで肌艶も良く、ギラギラしていてまぶしい。「えー、大魔神佐々木!」とコールする森下さんが若干ウケていたように聞こえたのが、結論から言えば一番嬉しかったです。
袖で待つ間もネタの最終チェック。結局お互いに飛びまくりながら、目もうつろな状態で舞台へ。150人キャパの会場は半分ぐらいの埋まりでした。私は挨拶担当だったので、最初にパッと声を出すことができたため緊張は案外すぐ解けました。「素人の初舞台にしては」ではありますが、ウケたい箇所でウケ、不自然に間が空く・噛むこともなく無事に走り切れました。荒瀬さんはオチ前で完全にセリフが飛んだらしく、なんとか捻り出して取り繕ったらしいのですが、横で「台本を忠実に再生する音声読み上げソフト」に徹していた私はまったくそのことに気が付きませんでした。
20時ごろ結果発表。居酒屋で、荒瀬さんを含めて友人らと合否を確認しましたが、敗退。体感15パーセントぐらいは通過してるかも?とわずかながら期待していただけに残念でしたが、やはり舞台で笑いを取る、というのは普段の生活では得られない質のドーパミンが出る感覚がありました。のど自慢もそうですが、画面越しに「見る」のと「やる」のとの間には途方もない隔たりがありますし、それを乗り越える芸人・歌手の皆様の苦心を少しでも感じることができて非常に得がたい経験になりました。荒瀬さんありがとうございました。今回私は演じる方に徹したので、ネタを考えるのもやりたい、とキングオブコントへの出演も打診したのですが、それは却下になりました。
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