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音MADから何を得るか

もう、この企画も最終日だし2024年も終わりを迎えようとしていますが、年の瀬には相応しくないかもしれない記事をお届けすることになるかもしれない。
何かしらの技術共有でもなければ、企画や作った動画の制作後記でもない。ただ、今の気持ちのようなものをこの場に吐露しては、半ば強制的に享受してもらおう。享受させようとしているからだ。

タイトルにもある通り「音MADから何を得るか」という疑問は今に始まったような事象ではない。勿論、作る側と見る側でもそれは違うだろうし、どんなジャンルなのか、プラットフォームにもよるだろう。
ただ、私は無駄に長くこの界隈に居座り、活動を続けてきた。そんな自分だからこその考えなどを、自身の戒名を生前に定めるかの如く書き記していく。そして、この文章が音MAD界隈の人間にとって、ここにいる意味のようなものを見出してくれればと思う。

そんなことを主題にこのアドベントカレンダーに投稿しようと考えた際、ただ文章を考える時間が欲しく最終日を取ってしまった。そのため、少しでもトリに相応しいものになるようには努力をしようと思う。
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音MADの持つ社会的影響

まず、客観的に考えてみようと思う。それは「音MAD」というものが、どれほど社会に影響を与えているかだ。
殆どの人は「音MADなんて何の役にも立たない」「権利者からすればいい迷惑でしかない」などと考えるだろう。勿論、著作権は尊重されるべき権利であり、権利者に怒られてむやみに抵抗するのは腐ってもクリエイターである音MAD作者はすべきでは無い。
ここでこの記事における大前提を忘れていた。まず、私は音MAD作者という存在をクリエイターだと思っている。そして、音MADがめちゃくちゃ好きだ。
以上の前提を踏まえて今後も書いていこうと思う。なぜこの2点が大事になるのかはいずれ分かるだろう。

音MADというものの社会的影響は近年になって明らかになってきている。それこそ、日清やマクドナルドなどのWebCMでは音MADに近い表現を使っているものが出てきている。これは音MADの主な視聴層と社会に出せるタイムラグによるものだ。

まさに小中学生の頃に観ていた音MAD。当時ニコ厨と呼ばれていたような人間が社会に出て、広報として活動していたりするからこそ、今このように社会的影響が見て取れる。この状況が何を意味しているかと言うと、今後はもっと音MADというジャンルが世に出ていくのではないか、と考えざるを得ないのだ。
もしかしたら、名前が変わったり音MADという名前は表には出てこないかもしれないが、特有のセリフ合わせのようなものは広告と相性がいい。
だからこそ、今の少し分かりづらくなっている音MADというジャンルを少し勿体なく感じる時もある。ただ、それは作りたいものを好きに作っているだけであって、このジャンルを存続させるピースのうちのひとつである。
では、何故そんなに好きなものを作り続けるだけのジャンルがここまで長生きしてきたのか。それはある種の嫌儲的思想がここまで押し上げてきたと考える。


投稿できればそれでいい

音MADというジャンルは基本的に動画サイトなどに投稿しても収益化ができない。世の中に溢れている映像コンテンツは多いが、収益が見込めず成り立つジャンルなど存在しない。ゲーム実況だってボイロ解説だって歌ってみただって最終的には集金できるシステムが成立した。しかし、音MADはそれができない。できないというか、させてくれないのだ。
それなら、音MADにおける収益のようなものとはなんだろう。それは言わずもがな「自己満足」と「承認欲求」だ。
「自己満足」即ち「自己実現」「承認欲求」と聞いてなにか思い浮かばないだろうか?
それこそマズローの欲求5段階説である。

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引用 https://www.ida-web.com/rederisejapan/remedia/maslow/

その説によると、この2つは上級2段階に位置する。音MADを作ることによって得られる欲求は、ある意味今の状況に満足していないと得てはいけないものなのだ。
だが、音MAD界隈を見ていると生理的欲求の中の睡眠欲さえ満たせていない人や常に不安に駆られている人も少なくないように思える。
もちろん、全員がそうであるとは考えづらいが、音MAD作者になった人たちはどこかなるべくして音MAD作者になっているわけで、半ば妥協のようなものを感じる瞬間がある。前述した通り、私は音MAD作者を二次創作ながらもクリエイターだと思っているが、音MAD界隈においてそんなことを声高々に発している人などほぼ見たことがない。どこか「人の作ったものを無断で使ってるし」などという負い目を感じているからだ。
だからこそ、一次創作に憧れ制作を始める者も少なからずいる。例外でコンポーザーや映像作家の人が音MADも作ってみたみたいなパターンも少なからずあるが、それを除いて音MAD作者になった人たちは何故その道を選んだのか。
それは音MADが好きで、他に取り柄がなかったからだ。
取り柄が無いという言い方は少々過激にはなってしまうが、本来ならば映像や曲を自分で作って評価されたかったはずの人達だ。ただ、音MADというものに惹かれ、ソフトを買うお金や時間が無かったが為に音MAD作者を志した。多くはこのパターンに当てはまるのではないだろうか。
そして、音MADを作って投稿して何らかの評価や反応を得て次回作を作る。この繰り返しである。
そんな音MADから作者は何を得られるのだろうか。
この話の結論を出す前に視聴者側に立ってみよう。きっとその方が考えやすいはずだ。
まず、音MADというものを何らかの手段で知る。Xでも構わないし、TikTokやYouTube shortsなどの滝のように動画が流れてくるサービスも現代としては知るきっかけになるだろう。そんなこんなで音MADという概念を知り、キーワードやタグを検索する。これはもっと見たい知りたいという知識欲だ。
音MADというものが定義付けられていないからこそ、音MADとは何かを知りたくなる。その循環が視聴者の脳内では少なくとも行われているわけだ。
そして、印象深いフレーズや気に入った素材などを認知していき、音MADにハマっていく。コメントをしたり、いいねをしたり、それらが評価となり投稿者に還元される。この段階での評価を音MAD作者たちは受け取ることになるのだ。
ここで前述した投稿者側が音MADで何を得るのかという点を考え直してみよう。動画についたいいねやコメント、これらの殆どはその動画に対するものであって作者本人に向けられたものでは無い
これが、別ジャンルに比べて承認欲求が満たされづらい現状なのだ。
ゲーム実況なら自分の声やリアクションを入れ込めるし、歌ってみたなら歌声やその上手さ、ボイロ解説でさえ自我を出せる。でも、音MADはそう簡単にはいかない。素材に歌詞を代弁させ、人を殴る音をバスドラムとして代用し、オーガズムをシンセサイザーに変換する。そこに作者の顔は見えてこない。
こんなことは言われなくても分かってる。作者は前に出なくていいと思ってる。歌えるなら歌い手にでもなってるし、演奏できたならミュージシャンになってる。
そんな気持ちを押し殺しながら、「でも、音MADが好きだから」と信じている。
何も得られなくてもいい。自分の動画をどこかで誰かが評価してくれればいい。そう思い続けるから今がある。
ここまで読んで、見る専の人は投稿者が哀れに思えるだろうか?作者は自分が虚しく思えるだろうか?

そんなことは無い。
絶対にそんなことは無い。
ダサくてもいい。負けてもいい。
広告代理店に技法だけかすめ取られてもいい。
音MAD作者から絵師やボカロPに転生したやつに蔑まれてもいい。
有名人やYouTuberが音MADネタに触れたから嬉々として媚びに行ってもいい。
利益も出ない音MADの企画で無理をして倒れたっていい。
だって音MADが好きだから。






そんなわけあるかぁ!ボケェ!!!!

なんで音MAD界隈で無償でここまで活動できてるのか、ひいてはメドレー制作や手描きアニメなんかを何故絵師やDTMerが無償で受けてくれるのか。それを考えたことがあるのかと問いたい。
それは、我々作者が気づいていないだけで、音MADというものに魅力を感じてくれていることに他ならない。
足りない部分を埋めてくれるような色々な人がいるこの界隈。その協力的な姿勢はどこかで誰かが音MADを見て何かを得てるからだ。
自己満足でもいい。それを見て誰かが反応してくれて、それがどこか痛くても、何かを与えられてればそれでいい。
権利者削除されたって、10選で流れなくたって、自分が思う楽しいものや伝えたいことなんかが乗ってればそれでいい。私はそう思う。

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音MADから何を得るか|ふーふー
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