フォンテーヌから逃亡したいのに元水神様から逃げられない 作:桜紅月音
私はスメールの収録祈願引く予定ですけど
『で、今日はあんただけ?』
フリーナ様から頼まれた用事があり、千織屋に用事があって行くと運が良いのか悪いのか…店主の千織さんが店の前に居て、出会い頭に放たれた言葉はコレである。
『千織さん、そういう事を言われると傷つくんですけど…』
『こんな事で傷つくようなヤワな奴じゃないでしょあんたは』
『それはそうなんですけど…』
こんな事でやられていてはフリーナ様の護衛なんぞできる訳がない。
関係ないかもしれないけど
『とりあえず、千織さんこれお願いします』
フリーナ様から預かっていた紙を千織さんに渡す。
『…さっきフリーナ様から連絡もらってるわよ。店の中に入ってちょっとだけ待ってて』
と言い、店の中へと入っていく。
その後ろを付いていき、店の中にある椅子に座って待つことにする。
『へぇ、噂の旅人、また国の問題を解決か』
近くにあったスチームバード新聞出版の新聞を取り、新聞を読んでいるとちょくちょく話を聞く旅人の話題が載っていた。
ここフォンテーヌからかなりの距離があるが、モンド璃月の問題を解決して、稲妻の問題を解決したと
『持ってきたわよ』
『いつもありがとうね』
『お礼を言われるスジはないわ。これが私の仕事だもの』
と言う千織にモラを支払う。
先程の新聞が気になった僕は、千織屋を後にし雑誌屋へと向かいたいのだがフリーナ様の要件を先に済ますことにした。
*****
『フリーナ様、依頼されました要件済ましてきました』
と椅子に座っているフリーナ様に千織さんから預かった物を渡す。
『サクヤ、いつも助かってるよ。所でこの後時間くれないか?』
『雑誌買うだけですし、時間はありますけど…』
フリーナ様にそう言うと、食いついてきた。
『雑誌?君がそういう物に興味があるのは聞いてないけど?』
『さっき、千織屋で見た噂の旅人の新聞を見て欲しくなったので』
『その新聞ならここにあるさ』
と指を指す先には先程の新聞が散らばった状態で置いてあった。
『…フリーナ様、新聞を見るのはいいのですが…散らかすのはやめてもらっていいですかね…』
偶にフリーナ様のご自宅に行く事があるけど、衣装だったりとかなんだったら下着とかも散らかってたりする。
他の神様がどういう方は分からないけど、神様なんだからこういう所はしっかりして欲しい物である。
『…サクヤが片付けてくれるんだからやる必要性ない訳で…』
と僕との目を逸らしながら言う。
本当に神様なんだからしっかりしてくれ
『はぁ…分かりました。その新聞をどちみち読む予定だったので片付けはそのついでにするとして…時間が欲しいと言っておりましたけど…どういう予定ですか?』
『それだよそれ!君には言いたかったことは!』
先程と違って目を輝けてフリーナ様が元気よく言ってくる。
『今からデートに付き合ってもらうよ』
『デートなのは理解できませんけど…なんでも付き合ってあげますよ』
こうなった時のフリーナ様は止められないのだ
『ふふん、サクヤを疲れるくらいに振り回してあげるよ』