イランのアラグチ外相は20日、イスラエルと米国が空爆した核関連施設への査察を再開するとした国際原子力機関(IAEA)との9月の基本合意について、正式に破棄すると表明した。IAEAの定例理事会で同日、イラン核施設に関する情報の全面提供を求める決議案が採択されたことに反発した。
イランは6月の核施設空爆後、IAEAとの協力を停止したが、空爆を受けなかった施設への査察受け入れを一部再開した。だが空爆された最重要施設のウラン濃縮施設などの査察に関しては、IAEAとの基本合意後、対イラン国連制裁が再発動されたことを受け、再開していない。
アラグチ氏は採択後の声明で、決議は「違法で不当だ」と非難。IAEAのグロッシ事務局長への書簡で9月の合意を正式に破棄すると伝えたと明らかにした。(共同)