【11月22日 AFP】ナイジェリア中部ナイジャ州で21日、武装集団がキリスト教カトリック系のセントメリーズ学校を襲撃し、女子生徒215人と教師12人、計227人を拉致した。当局が明らかにした。ナイジェリアでは17日に北西部ケビ州の中等学校が武装集団に襲撃され、女子生徒25人が拉致されたばかり。

ナイジェリア・キリスト教協会によると、セントメリーズ学校から拉致された生徒は全員が女子。教師12人も拉致された。

アフリカで最も人口の多いナイジェリアの治安に対する懸念が高まる中、ナイジャ州と近隣のカツィナ州とプラトー州の当局は、予防措置としてすべての学校を臨時休校とするよう命じた。

ドナルド・トランプ米大統領がナイジェリアのキリスト教徒殺害疑惑をめぐり軍事介入をちらつかせて以降、ナイジェリアでは学校襲撃・女子生徒拉致2件の他に2人が死亡するキリスト教会襲撃事件も1件起きている。

ナイジェリアには、ボルノ州チボクでイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が学校を襲撃し、女子生徒約300人を拉致した事件の傷跡が今も深く刻まれている。被害者の中には何年も拘束された女子生徒もいる。

セントメリーズ学校は、ナイジャ州アグワラ地区パピリにある。

アグワラ地区のカトリック教会は声明で、「武装集団が午前1時から3時の間に学校に侵入」し、女子生徒と教師を拉致し、警備員1人を射殺したと述べた。

「中には逃げ出せた生徒もいる。臨時休校とせざるを得なくなったため、保護者が子どもたちを迎えに来ている」と述べ、拉致された人数は227人だと明らかにした。

重武装した犯罪組織は長年にわたり、ナイジェリアの北西部と中部の農村地域で攻撃を激化させており、国家の管理が行き届かない地域では、殺人や身代金目的の拉致が横行している。

国連筋は匿名を条件に、セントメリーズ学校の女子生徒たちは近隣のカドゥナ州にあるビルニングワリ地区の森に連れて行かれた可能性が高いと述べた。

「盗賊団(バンディッツ)」と呼ばれる武装犯罪組織は、ザムファラ州、カツィナ州、カドゥナ州、ソコト州、ケビ州、ナイジャ州にまたがる広大な森に根城を構えている、そこから出撃しては近隣の村を襲い、家畜泥棒、身代金目的の拉致、殺人、略奪、家屋への放火などを繰り返している。(c)AFP