僕が予備校講師としてまだ新人のころ。講義のあと生徒に呼び止められて
「先生、どこ大出身ですか?」
「?」
「東大じゃないんですよね」
「はい」
「東大出てないのに、俺に教える資格あるんですか? 俺、東大志望者ですよ」
と言われたことがある。
寺師貴憲
寺師貴憲
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寺師貴憲
@tera_shi_ta
予備校講師。駿台予備学校、東進ハイスクール。漢文。ときどき世界史・小論文。専攻は中国古代史。好きなもの:ディクディク、アルパカ、オコジョ、ハリネズミ、シマエナガ、アラスカン・マラミュート。仕事の依頼はDMに。
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学生時代、ミステリ好きの先輩が
「創元推理文庫を読め。あそこにはすごい校閲者がいる。『その時間帯なら日差しが部屋のその部分まで届かないから、探偵の手元が暗かったはず』のレベルで校閲する」
とマニアックな薦め方をしてきた。
以来、本屋で創元推理文庫を見るたび、親指を立てたくなる。
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トレンディエンジェル斉藤さんの
「当たり前だろ、誰だと思ってるんだ。……斉藤さんだぞ」
を見るたび
「僕を誰だと思ってるんですか、東大志望者ですよ」
と脳内変換されて彼を思い出す。なんだかんだ優秀で、まじめな良い子だった。
なお、彼は見事合格。口だけの男ではないことを証明した。
院生時代、先生から
「その新書を読むのに、どれくらいかかってますか?」
「3日くらいですかね」
先生は苦笑して
「新書は首都圏のビジネスマンが、通勤時間の行きに半分、帰りにもう半分を読めるように作られてるんですよ。だからだいたい200頁ちょっとなんです。3日もかけるなんて…」と。
院時代、僕の先生は
締切は絶対に守れ。締切の2週間前に出せ。そうすれば、出版社は締切を守る人間を信頼し、ずっと仕事をくれる。大学の教官は何年も締切を破り続ける人間ばかりなので、その中で締切を守れば、大きな信頼を得られるぞ
と言い、ゼミ発表のレジュメを当日ギリで出す僕たちを戒めた
息子「十字軍で卒論書くから、図書館で『史学雑誌』の回顧と展望を調べなきゃいけないんだ」
僕「回顧と展望なら家にあるよ」
息子「ランシマンの『十字軍の歴史』が必読らしいんだけど、絶版で手に入らないらしい…」
僕「あるよ」
息子「高山博『ヨーロッパとイスラーム世界』は…」
僕「あるよー」
生徒たちの反応を見るに、イカロスの翼とか、ウィリアム・テルのりんご抜きとか、ナルキッソス水仙化とか、足柄山の金太郎とか、おおロミオおまえはどうしてロミオなん?とか、幸運の女神の髪型とか、オーディンにトールとか、いろいろ話が通じない。
結論としては、文化の衰退を感じる。
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とうふ
【荒野行動実況&ゲーム実況者
】
@_0tofu
いいね押したら狼が出てくるやつと
いいね押したらカボチャが出てくるやつ
じゃあ両方出るようにしたらどっちが出てくるんだろう
?
試してみてね
#コールオブデューティ
#HalloweenIcons
The media could not be played.
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院時代、先生が「本を読み終えたら、巻末のさくいんを見て、そこにある言葉を説明できるかどうか確認するように」と。
人に説明できれば、よし。できないなら、読み直し。
僕らが思わず「え? 全部ですか?」とリアクションすると、先生は呆れ顔で「当然」との答え。
これは実践できてないです…
東大が文系・理系を問わず古文・漢文を出題する理由。
「古典を必須としているのは、日本文化の歴史的形成への自覚を促し、真の教養を涵養するには古典が不可欠であると考えるからです。」
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このころは生徒とよく間違われていたし、頼りなく見えたんだろうなあと。
彼はその後、東大の過去問を解いてきては、時折「〇本の答えには……とありますけど、僕は……だと思うんです」と自説を開陳するように。毎度、筋の通った解釈をするので、褒めると
「俺、東大志望者ですから」と照れ笑い。
どんなジャンルでも、はじめて学ぶときはとりあえず3冊読め
というのは、学部生時代の先輩の言葉。
例えば、「現象学」を学びたければ、本屋に行き、現象学関連の棚を探し、そこからとにかく3冊選んで買い、そして黙って読めと
1冊読み終えても何も理解できないし、何も覚えてないから驚く
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それ以来、新書は2時間で読むもの、という呪縛にかかってる。
実際は僕にはそんな簡単に読めないので、4時間から6時間はかかるし、そもそも新書を最初から最後まで読み切る集中力がなく(飽きる)、読んでいる途中で別の本に手を出してしまい(浮気)、中途半端に読んだ本がタワーに。
そして絶望。
かつて毎週毎週東大の過去問を持ってきては添削をお願いしてくる生徒がいた。彼は毎度毎度的外れな答えを書いてきて、一向に伸びる気配はなかったけど、決して挫けなかった。
共通テストはうまくいかず、ただ足切りされるほどではなかったので、東大を受けることにし、共テ後も過去問を持ってきた。
模試解説に「〇〇くらいわかるだろう」とか「〇〇程度なら簡単に解ける」と書くことに僕が否定的なのは、
1)解説を必要とするのは「わからなかった子」「簡単に解けなかった子」であって、わかった子や解けた子はそもそも読まなくてもいいくらい。
→想定する読者を見誤っている。
三宅香帆『なぜ働いていると、本が読めなくなるのか』を読了したけど、
「ノイズを含む」のが「教養」
「ノイズがない」のが「情報」
という分析が僕的にきわめて有効で、これから積極的に使いたい。
時に見る
「自分の知っていることしか知ろうとしない」
という傾向も、ここから説明できる。
これ、罪悪感があるから、あまり広めたくないけど、
国会図書館デジタルコレクションは、PDF化して保存できる。
下部の「印刷」→印刷用ファイルの作成→印刷せずにPDFをそのまま保存。100枚ずつしかPDF化できないけど十分。
PDF化したあとでも全文検索できる。ネット環境がなくても安心。
共テ漢文を受ける受験生へ
答えの根拠は本文にある。選択肢ばかり何度見ていても答えは出てこない。むしろ、さっきまで「誤り」に見えていた選択肢が、何度も見ているうちに、だんだん「あれ? 悪くないぞ」と思えてくる。
傍線部をその周りをよーく見て。そこに
「答えが書いてある」
共通テストを受ける受験生へ
体調を整えることが最優先だぞ。21時にはスマホの電源を切って寝る準備をし、22時までにベッドに入って目をつむるんだ。
寝る前は勉強しない。推しの写真集とかを眺める。シマエナガとかハコフグとか。軽くストレッチをする。ゆっくり数えながら呼吸する。
院時代、ゼミで発言するのは勇気がいることで、沈黙したまま先生と先輩の議論(というか先生に先輩がフルボッコされる様)を震えながら見ていた。
ある日、先生が僕らに「あんたらが沈黙するのは変な発言したらバカがバレると恐れるからでしょう。でも沈黙しててもこっちはバカと見なすよ」と。
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その後、予備校講師になり、先生の教えどおり締切を遵守し、僕は「締め切りを前倒しで守る男」との称号を得た。
出版の仕事が毎年絶えなかったのも、先生の教えを守り、締切を前倒しでこなしていたからだと信じている。
それからおよそ10年。今は…
#サボっているわけではない
#加齢で体力がもう
あまり同業のライバルに知られたくないのだけど、
国立国会図書館デジタルコレクションの「マイコレクション」の使い勝手が鼻血が出るほどいい。
せっせと漢文の教材をコレクションしてる。
本棚にどかんと参考文献の山ができる感じ。しかも検索できる。
これが無料で使い倒せるなんて。
せっかく学校で古典を学んだのに、そこから何も学べなかったのは不幸だなと思う。
Quote
話題のニュースとネットの反応
@sharenewsjapan1
カンニング竹山さん、古典の授業は「無駄」役に立った瞬間「1回もない」 sn-jp.com/archives/156046
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この先輩の言葉をずっと守っていて、今でも新ジャンルを学ぶときは必ず本屋に足を伸ばし、書棚の前に立つ。Amazonではダメ。リアル書店に行く
新大学生になる皆さん、今こそ本屋さんに行くとき
志望学部の棚に足を運んで、新刊・古典さまざま並ぶ書棚を探索してみては
なお院の先生は「1列買え」
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これは、子どもたちの教養が足りない、という話ではない。僕もオウィディウスやシェイクスピアを通じて知ったわけではないし。
マンガやアニメやゲームが元ネタにしていたり、日本昔ばなしや世界名作劇場でアニメ化されたりして、そこで子供のころ自然と身につけた「教養」みたいなものかと。
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ところが、苦行に耐えて3冊読み終えるころには、そのジャンルを理解するための語彙がそこそこ手に入ってくる。3冊通じて繰り返し繰り返し同じ言葉が使われるからだ
そうして自然とそのジャンルを学ぶ基礎ができあがっていく
そのあと1冊目を読み直すと、今度は理解できるようになっているから驚く
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以前
「夜は揚げ物」「デブの清少納言じゃん」で笑えるのが古典の知識の良いところ
というあったけど、そのとおりだなと。
そもそも子どもたちの大部分が見るコンテンツがなく、かつ、かつてはいろんなマンガでこすられたロミオとジュリエットのパロディも死滅したので、通じないのではないかと。
センター試験の最終年度。指導者から「センターで漢詩は出ない」と聞かされて、詩型だの押韻だのの知識確認をしなかった生徒が点数を落として酷い目にあった。
共テ初年度。指導者から「2年連続で漢詩はない」と聞かされた生徒が同じ目に。
共テ2年目。指導者から「3年連続で漢詩は…」以下同文。
漢文に興味を持ってくれた生徒から、どんな本がオススメですか、と質問されましたー
嬉しい!
そんな君には、
『中国古典の名著50冊が1冊でざっと学べる』KADOKAWA
がオススメだ。
なんと四書五経から左国史漢、諸子百家から白話小説まで、中国古典の名著50冊を1冊でざっと学べるぞ。
予備校生がハマる罠が
「知ってる」
という感覚。
講義を聞くと、知っていること8割、よくわからないこと2割で、「知っていることばかりだった」と思ったりする。
でも、これは、「聞いて思い出す」から。言われるまで思い出せないなら、「知ってる」うちに入らない。
謙虚に、慎重に判断を。
受験生の皆さんへ
「もう後期に入ってるし、基礎固めをしている時間はない」
なんて言葉は存在しません。
12月でも、なんなら1月でも、
「基礎がぐらついてるなら、まずは基礎固め」
です。
#受験漢文
学生時代、先輩が「新書の新刊はとりあえず全部買って読む」と。僕が「全部ですか? 自分の専門に関係するものだけ読めばいいんじゃ…」と口答えすると、「専門に関係するものを読むのは当然。専門以外のものに、いかに出会うかが大事なんだ。新書に取り上げられるテーマなら当然読むべきだろ」
学部か大学院の頃、指導教官から「寺師くん、この資料の出典は?」と聞かれて、堂々と「岩波文庫本です!」と答えて、ものすごく叱られた。
のち後輩がゼミで同じく「◯◯さん、出典は?」と聞かれて「えーと、なんか青い背表紙の本です」とかなんとか答えて、僕以上に叱られていた。
「我々はなぜ漢文に返り点を打つのか」
って、講義で改めて説明したことがなかった。反省。
そもそも
「なぜ漢文から直で翻訳せずに訓読するのか」
についても説明してない。子どもたちには、「訓読してから口語訳する意味」がわからないにちがいない。
今日ホテル泊する受験生のみなさんへ
・隣室や廊下が騒がしい場合は遠慮なくフロントに電話
→扉を開けっぱなしで宴会してるとか、隣室の人間がテレビの音量をやたら上げてるとか。自分では決して苦情を言わないこと。
・自分の部屋で親か友人に電話しておく
→声が聞こえるぞと隣室に警告できる。
受験生の皆さんへ いま一度
「夏に期待するな」
夏に100やろうとして、実際に60できればよいほう。模試のない日曜日にあれもやろうこれもやろうと計画して計画倒れになるのと同じ。あれもやろうこれもやろうと夏に詰め込んでもできない。
「どうしよう! 夏にやることがなくなっちゃう」が理想。