なぜ女性トイレには行列ができる? 全国1092カ所を調べた61歳の疑問、国を動かす
滞在時間にも男女差
トイレの滞在時間にも男女差がある。中日本高速道路(名古屋市)が21年度に行った調査によると、男性用小便器の平均利用時間は35秒だったが、女性の個室は1分45秒と3倍だった。
「仕方ないと我慢してきたが」
国は6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針」で「女性用トイレの利用環境の改善に向けて、国内外の動向等の把握を進め、対策を推進する」と明記した。国交省は6日に発足した有識者らの協議会で、設置基準数のガイドラインを取りまとめたい考えだ。
百瀬さんは「これまで女性は行列ができることを前提に早めにトイレに行くなど、自衛するのが当たり前で『仕方ない』と我慢してきた」と強調。トイレの面積や数をそろえる「平等」ではなく「男女の待ち時間が同じという公平を目指してほしい」と訴えている。
自治体レベルで取り組みも
労働安全衛生法は職場の便器数を、男性用大便器は従業員60人につき1、小便器は30人につき1、女性用便器は20人につき1以上と定めるが、国土交通省によると、公共施設や駅、商業施設などのトイレの適正個数を示した公的ガイドラインはない。空気調和・衛生工学会が百貨店や病院などの適正個数を示す例はあるが、あくまでも「参考」にとどまるという。
こうした中、女性用トイレの行列解消に向けて取り組む自治体もある。山口県萩市は2010年に「公共施設のトイレにかかる整備方針」を策定。設置割合を男性用小便器1に対して女性用便器を2とする目安を設けた。
また、小松ウオール工業(石川県)は男女のトイレの個室数を柔軟に変えられる可動壁を製造、販売。女性の来場の多いイベント時に男性用トイレを女性用トイレに転用する例もある。サービスエリアなどの女性用トイレで、空いた個室を示すパネルを入り口に置き、スムーズな利用を促す取り組みも見られる。