退職日にデータ消去する「時限プログラム」仕込む…日亜化学の元社員逮捕、どこから犯罪に?
●バックアップがあっても犯罪は成立する
──会社によってはバックアップデータをとっています。今回のケースへの影響は? バックアップがあってデータ復元が可能だったとしても、消去した時点で業務を妨害するおそれを生じさせたと評価されれば犯罪は成立します。ただし、バックアップの存在は、刑の重さを決める際に情状として考慮される余地があります。
●民事では「実際の損害」が必要
──元社員は別途、民事裁判で1000万円の賠償命令を受けています。 時限プログラムを故意に仕込み、その結果、会社に具体的な損害が出た場合には、民事上の賠償責任が生じます。 ただし、刑事と違って、民事では「会社の業務を妨害するおそれ」が生じただけでは足りず、金額として算定可能な損害が必要です。 【取材協力弁護士】 今井 俊裕(いまい・としひろ)弁護士 1999年弁護士登録。労働(使用者側)、会社法、不動産関連事件の取扱い多数。具体的かつ戦略的な方針提示がモットー。行政における、開発審査会の委員、感染症診査協議会の委員を歴任。 事務所名:今井法律事務所 事務所URL:http://www.imai-lawoffice.jp/index.html
弁護士ドットコムニュース編集部