東大准教授への寄付金が「隠れみの」 病院汚職、ずさん管理の実態は

警視庁から出る松原全宏容疑者(中央)=東京都千代田区で2025年11月19日午後10時41分、藤井達也撮影
警視庁から出る松原全宏容疑者(中央)=東京都千代田区で2025年11月19日午後10時41分、藤井達也撮影

 医療機器メーカーへ便宜を図る見返りに賄賂を受け取ったとして、東京大医学部付属病院の整形外科医が警視庁に逮捕された。

 以前から繰り返されてきた医者と業者の癒着だが、今回の事件で賄賂に使われたとされるのが、大学病院への「寄付金」だ。

 全国の国立大は近年、研究資金の獲得のため、寄付集めに血道を上げてきた。

 だが、複数の東大関係者は「研究者宛ての寄付は、もらってしまえば、ほぼノーチェックで自由に使える。大学当局の口座に入るが、事実上、研究者個人の『財布』になる」と明かす。

 事件からは、その仕組みの「緩さ」が悪用を呼んだ実態が浮かび上がる。【長屋美乃里】

准教授、受け取ったのは70万円

 収賄容疑で逮捕されたのは、医学部准教授の松原全宏(たけひろ)容疑者(53)。

 警視庁捜査2課によると、東証プライム上場の医療機器メーカー「日本エム・ディ・エム」(東京都新宿区)の医療器具を優先的に使う見返りとして、2021年9月と23年1月、大学病院名義の口座へ計80万円を振り込ませた疑いがある。

 松原容疑者は、ここから大学側の経費を引いた70万円近くを受け取っていたという。

 日本エム社の元営業所長、鈴木崇之容疑者(41)も贈賄容疑で逮捕された。警視庁は2人の認否を明らかにしていない。

「流用、たぶんバレない」仕組み

 大学病院への寄付は、なぜ松原容疑者個人への賄賂に当たるとされたのか。理由の一つは、…

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