事業再編 その3
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桂華グループの中核は桂華金融ホールディングス、赤松商事、桂華鉄道の3つになる。
その桂華鉄道は、各地で鉄道を建設しつつも桂華グループの中核となる事を期待される会社である。
ここに、桂華ホテルグループと帝西百貨店グループをくっつける為に持株会社を設置する。
桂華鉄道ホールディングス
桂華鉄道グループ
京勝高速鉄道
香川鉄道グループ
香川鉄道
四国新幹線
新大阪駅ホーム
桂華バス
桂華土地開発
九頭竜川鉄道
新宿新幹線 (建設中)
新常磐鉄道 (建設中)
大分空港連絡鉄道 (建設中)
なにわ筋鉄道 (建設中)
名古屋湾岸貨物鉄道(建設中)
桂華ホテルグループ
ホテル部門
AIRHO
北海道三次産業企業群
桂華歌劇団
由布院・黒川開発
桂華広告社
九段下ビル
他社
帝西百貨店グループ
百貨店部門
スーパー部門
コンビニ
ファッションビル
牛丼店
北海道一次産業企業群
他社
桂華太平洋フェリー
ムーンライトリゾート
桂華鬼怒川リゾート
この持株会社にぶら下げるのは以上の会社である。
ムーンライトファンドが運営していたゲーテッド・コミュニティや、赤松商事が運営していた桂華太平洋フェリーもこの会社にくっ付ける。
桂華鬼怒川リゾートは破綻した新田銀行が多額融資をしていた鬼怒川温泉の旅館やホテルやゴルフ場などをまとめたもので、もちろん不良債権の山である。
とはいえ、観光資源はピカイチなので立て直せれば収益を上げられるリゾートでもあるので、抱え込んだという経緯がある。
帝西百貨店グループは既に上場しているので、残りの保有株を持株会社に移す事に。
桂華ホテルグループも上場して49%の株式を売却するが、鉄道会社は上場しない事に。
「どうして?」
「鉄道事業は長期計画になりますからな。
四半期で見るようなものではございません」
ある意味納得の理由である。
公共性が高いからこそ、株主利益のみで判断してはいけないのがインフラ系企業というものだ。
そんな事を考えながら、ふと気になったことを尋ねる。
「持株会社も上場しないのね?」
「ここがお嬢様の事業の要になるからでございます。
桂華金融ホールディングス株式の10%とムーンライトファンド19%を合わせれば29%。
最悪これだけの固定保有株式を持っていれば、桂華金融ホールディングスは守りやすくなります。
赤松商事も株式公開を求められるでしょうから」
私の質問に橘は答える。
この事業再編の目的の一つが、私のワンマン経営からの脱却である。
株式公開は、株主視線というのをいれる事で経営を私から離すという目的がある。
そうなれば、桂華金融ホールディングスだけでなく、赤松商事も株式公開の対象になるのはある意味当然と言えよう。
「体制を整えて次にバトンを渡すのに三年。
おそらくはそれが限界でしょう」
橘がずらりと並ぶ傘下企業を見て苦笑する。
これを統括するのはそりゃ持たないだろう。
一からここまでの巨大鉄道企業を作り上げた。
それを維持してきた橘の苦労を考えるとそれ以上はさせられないだろう。
「その次のあては?」
「鉄道事業から抜擢します。
拡張し終えたら守勢で続けられるのが鉄道事業です。
無理なく、忠誠心のみで選べますから、一条よりは楽だと思いますな」
橘は少し寂しそうに笑う。
当たり前の話だが、私が大人になれば橘は年を取ってゆく。
そんな当たり前を嫌でも思い知る。
「一条もそうだけど、橘も次をそろそろ見据えているのね」
「お嬢様の無茶にお付き合いして数年。
我ながらよく付き合ったものだと思いますな。
お嬢様の人生はまだこれからです。
お嬢様が桂華鉄道だけでなく桂華グループを率いるようになるには、まだ30年は必要でしょうな」
三十年。
私は四十代だが、その時の橘は……
「長生きして、もっと私を支えなさいよ」
「出来うる限り、お支えしますよ。
ですが、私がお嬢様より先を進んでいるのはお忘れないように。
お嬢様はこれからも次の人間を探してゆかねばなりません」
橘は私の前に白紙の紙を差し出す。
首をかしげる私に橘は説明をした。
「その次の人間を探すためにも、企業理念を考えて頂けませんか?」
企業理念。
企業というのは基本金儲けなのだが、それにオブラートを包んで、どういう風に金を稼ぐかの企業のDNA。
帝西百貨店の文化的経営なんかがそれに当たる。
今までは考えたことも無かったから、ちょっと新鮮である。
「『貴方の日常と未来を繋ぐ』なんてどうかしら?」
「いいですね。
お嬢様らしい理念です」
私が理念を書いた紙を橘が受け取って額縁に入れる。
この事業再編をやりだして思い知る。
人はいずれ去るという事と、人材は相変わらず不足しているという事。
私が一線に最短で立つ十年後までそれらの問題はまったく解決しないという事。
そして、本来のゲームでは、もっと人が足りない、いや、そもそも私が一人だったという事を。
株主視線
「会社は株主のものであり株価上昇を考えて経営を行う」事を考える経営。
創業者のワンマンから集団指導体制に移った時に、誰もが納得できるからよく使われる。