日本語能力試験の合格を30万円で確約…中国・悪徳業者によるカンニングサポート「驚愕の手口」画像
試験開始後すぐにアップルウォッチに解答が送られてくる……
「不正し放題」の監視態勢
たとえば、母国で大学卒業(10点)してから自営業者として10年間働いた(25点)後、日本に資本金500万円以上の会社を設立して代表取締役に就任(10点)した34歳(10点)の外国人がいたとする。ポイント制によれば得点は55点となり、高度人材とはみなされない。ところが、N1の合格者となればここに15点が加算され、高度人材として前述の諸々の優遇措置を受けられるのだ。この15点の価格が30万円だとしたら、人によっては安い買い物だろう。
試験当日の不正対策も、お粗末なものだった。東大駒場キャンパスでN1の試験を受けた中国人女性が明かす。
「試験が終わるまで、持ち物検査などは一切なかった。スマートフォンやスマートウォッチは電源を切ってカバンにしまうよう言われたが、実際にそうするかは本人に任されていました。私が試験を受けた教室には50人ほどの受験者がいたが試験官は3人。中国の高考(カオカオ)(大学入学統一試験)の半分以下でした」
中国のSNSには、問題用紙を配布しようとする試験官をスマホ等で捉えた写真が、複数の投稿者によりアップされていた。消しゴムに忍ばせたアップルウォッチの持ち込みなど朝飯前だろう。
試験の運営側はこの実態を把握しているのか。日本語能力試験を国内で実施している公益財団法人日本国際教育支援協会に質(ただ)したが、「その件については一切回答できない」(協会広報担当者)との返答だった。
不正への罰則も十分でないと語るのは加藤博太郎弁護士だ。
「カンニングが在留資格の不正取得を目的としたものと判断されれば、受験者と業者は入管法の『在留資格等不正取得罪』と『営利目的在留資格等不正取得助長罪』に問われる可能性があります。しかし実際には、『3年以下の懲役又は50万円以下の罰金』の偽計業務妨害罪が適用され、判例からして略式起訴や執行猶予となることも多いのです」(加藤氏)
現在、日本の高度外国人材は1万5735人おり、うち65%が中国人だ。日本が受け入れる高度人材はホンモノなのか。正しい審査が望まれる。
- 取材・文:奥窪優木(ジャーナリスト)
フリーライター
1980年、愛媛県生まれ。上智大学経済学部卒。 ニューヨーク市立大学中退後、中国に渡り医療や知的財産権関連の社会問題を中心に現地取材を行う。20帰国後は、週刊誌や月刊誌などに寄稿。著書に『中国「 猛毒食品」に殺される』(扶桑社)など。
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