転生逆玉の輿を狙った男の末路 作:猪突猛進で書く
「よお、あんたがパエトーンだよな?」
「う、うん。あなたは……?というか、ビリーは?」
「アイツはあっちで油売ってるよ、なんでもスターライトナイト限定グッズだとかなんとか……。俺はカリュドーンの子のクリストフ。本名はなんかダサいから、クリスって呼んでくれよ」
凄腕のプロキシパエトーンこと、リンが指定された場所に向かうと、そこには一人の男がいた。
郊外の男の印象とは少し違う、細身で飾りのない地味な黒の革ジャンに、ボロボロのジーンズを履いた男がそこに立っていた。
「あ〜、気まずいな。ビリーのやつを呼んでくる。しっかり仲介役をやってもらわねぇと……」
彼は小走りでビリーのところへ走って行くと、数秒わちゃわちゃと話し合った末、彼と同じ列に並んだ。
そして、二、三分の時を経て帰ってきた。
「わりぃな、パエトーンさん。コイツが、コレ買わねえと帰らねえってうるさくてよ」
「あっ!俺のこと売りやがった!?」
「自業自得だっつの……。んで、パエトーンさん、俺はアンタらの業務には詳しくねぇんだが……パエトーンってのは一人なのか?」
「……?お兄ちゃんならいるけど──」
「失礼、その兄貴ってのはどんな人だ?もしや、女を誑かすようなやつじゃねぇだろうな……?」
「そ、そんなワケないじゃん!私のお兄ちゃんを悪く言わないで!」
突然強くなった圧に少しだけ驚きつつも、気丈に言い返すリン。
すると、彼はふと我に帰ったようで申し訳なさそうに
「……すまん、無礼だったな。ただ、客人を招くってことでちと気が立ってた。許してくれ。さて、もういいか?行くぞ」
そう言うと、彼はバイクに跨った。
「俺はあくまで見張りだからな。運ぶのはビリーだ。安心しろよ」
そう言われて、リンはビリーが操縦するトラックに乗り込む。
トラックに揺られ、横にバイクが並走して数十分。
郊外の景色がもうすぐで見えてくるといったところで、ビリーが
「店長、気を悪くしないでやってくれ。アイツは今のカリュドーンの子のNo.2と駆け落ちして郊外に来たんだ。そんで、そのNo.2がパエトーンを気に入ってる。だから、そいつが郊外に来るってなって、気が気じゃねぇのさ」
「か、駆け落ち……?」
「本人は違えって言ってるけど、もう一人──No.2は駆け落ちだって言って、その話をするときはいつも嬉しそうな顔すんだぜ?」
「その二人の恋バナ、気になるかも……!」
「だろ?でも、二人ともあんま話してくれねぇんだ。…ともかく、今のあいつはちょっと焦ってて、いつもの調子じゃねぇんだ。しばらくは許してやってくれ」
そんな話を聞きながら、一行は郊外へと向かうのだった。