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「はい」って言ったのに?ができるまで②

この記事では、前回の「はい」って言ったのに?ができるまで に続き、制作過程をご紹介します。なんとか入稿が完了する9月末までの記事ですが、実はこのあとに印刷ミスが見つかったりと事件が続きます…

■8/15~ 初の印刷所打ち合わせ

2025年8月15日

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初めて使う印刷所と打ち合わせ。初めての化粧箱。カード枚数も多いうえにチップも大量に(74枚)利用するので、全ての希望を入れたら恐ろしい原価になってしまった。この原価だと、定価4500円以上で売らないといけない。箱もかなり大きい。

大量生産すれば少し安くなるが、100個以上がそう簡単に売れる世界ではない。肉かるたよりだいぶ大きいので、自宅に在庫を置く場所も必要になる。どうするか…。

所持ボドゲ数:351

■8/22~ よっぴーアナに会いに行く

2025年8月22日

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ニッポン放送にて知人「吉田尚記アナ(よっぴーさん)」とアナログゲーム話をすることに。制作中の「あの時、「はい」って言ったのに。(仮)」を見せたところ、ゲームの基本となる考え方にかなり共感してくれたうえ、カードの質問内容に対してかなり的確なアドバイスを頂ける雰囲気があった。

考えてみると、よっぴーさんは毎日アイドルや声優など「はじめまして」の人と会い、短期間のトークで彼らの良さを引き出すのが仕事だ。「相手をもっと知りたい」という今回のゲームの趣旨と全く同じことを仕事で毎日しているわけである。絶対強い。

帰宅後、ドコムスにも相談のうえ正式に「こちらが作ったゲームの質問にアドバイスをいただけないか?」というご依頼をして、承諾頂くことができた。これはとても心強い仲間!

ちなみにゲームタイトルについて

・性格診断王
・あの時「はい」って言ったのに。

どちらがいいと思いますか?と質問したところ、「絶対に後者でしょ!」というコメントだった。よし、こちらの方向でがんばるぞ。

所持ボドゲ数:357

2025年8月25日

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午前中にゲムマのブースカット締切。イラストラフが上がってくる日でもあるが、普通は日付変更ギリギリに来ると思うので、ドコムスと相談した結果「願い」のみを書いて出す。

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2025年8月28日

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このゲームは「◯△✕」のパネルを手で握るルールだが、そのパネルの大きさと角の丸み具合を検討。2mmの厚紙パネルを模した段ボールをハサミで切って工作。
麻雀パイの一般的な大きさなども鑑みて、最終的に自分で握って心地よいものを選ぶ。横幅25mmと26mmで迷ったが、知人20代男子の「絶対26mmです」という意見も踏まえて26mmにする。

所持ボドゲ数:369

■9/3~ 質問ブラッシュアップ、仕様変更

2025年9月3日
定価が4500円を超える問題、内容物を減らすしか無いのは明白なので、印刷所に相談。なるべく安い送料で通販できるように箱サイズをギリギリまで小さくできないかも相談。(厚さが3cmを超えるとクリックポスト、ネコポスで送れなくなる)

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並行してよっぴーアナに現在の質問カード一覧(160枚もある)を送り、アドバイスをいただくことにする。その中で

・「タメ口」か「ですます調」か
・「体質」を扱うか

という観点を提示してもらい、二人で検討。

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「体質」というのは、

・汗をかきやすい方ですか?
・緊張するとトイレが近くなりますか?

のような質問が入ったジャンルだが、今後の世界の流れで「この質問自体が差別に当たる時代が来るかもしれない?」という僕にはなかった観点をいただく。確かにそうだ。

そこで「体質」ジャンルを全て削除することを決める。
質問は全て僕が一人で考えているのもあり、こういった抜け落ちている観点を指摘してもらえるのは非常にありがたい。この時点でカードは144枚ほどになった。

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2025年9月5日
itoの326さんにお会いした時に「肉かるた」と交換してもらったゲーム「フィロとソフィー」が、ハーフサイズ(44mm*63mm)のカードだった。

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ハーフサイズのカードは文字が小さくなるのと、重ねて積んだ時の倒れやすさが気になっていたが、試しにカードを積んでみると、意外に倒れない。

うちは絶対に定価を下げる必要があるため、今回はハーフサイズカードで作ることを決断して再見積もり。
ハーフサイズにするメリットとして価格が下がるほか、全体サイズも小さくなる。だが、それでもまだカードが多く「希望している箱サイズ」にはならない。

以前読んだ宇内梨沙さんのボードゲームインタビューで

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本当に面白いボードゲームの世界〈Vol.02〉より

「箱が小さくて持ち運びやすいものがいい」と書いてあったのでどうしても箱をはがきサイズほどに抑えたかったのだ。そもそも女性のカバンってなんであんなに小さいのか。

ボードゲーム業界には「箱の大きさで値段が決まる」=「大きな箱にすると高くても買ってくれるようになる」という不思議な慣習があるが、プレイクリエイトは「お金を儲けるより多くの人に遊んで欲しい」というヨシナガ&ドコムス共通の理念があるため、安く見えるようになってしまっても箱を小さくしたい。

そこで今回は、144個もある質問カードのうち「親しい人だったら絶対に盛り上がるが、一般ではやや使いにくい深い質問が存在する」問題も同時に解決するため、深い質問のみを「拡張版」として切り出すことを決めた。

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拡張版の質問例。必ず「はい」という友人のウソを見抜けますか?

これにより、箱サイズが「はぁって言うゲーム」と同じくらいのサイズにまとまることになった。おまけに、拡張用の小さいボックスは「64枚の持ち歩き用ケース」としても使えるので、飲み会などに好きなカードを持っていきやすくなった。一石二鳥だ。

この時点でようやく仕様がほぼ確定。

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2025年9月11日
ここまでで決まっている仕様の中で、どんな表紙にするかドコムスと深夜2時頃から4時ころまで2時間強の打ち合わせを行う、二人ともすごい夜型。

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まず当初の「白ベースのパッケージ&おしゃれ手書きフォントでは売り場で目立てない」という課題が出る。実際の売り場を試しに撮影してあったものがこれだ。

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鮮やかな色の対決過ぎる。
そこで、ビデオ会議で画面共有をしながら、僕がPhotoshopの画面を表示して、フォントサイズや色などを相談しながら検討。

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最終的に、マゼンタ(ピンクっぽい赤)でフォントも大きくし、ドコムス案でタイトルから「あの時、」を削除することに決めた。情緒やポエムな感じは全てなくなってしまったが、完全に埋もれてしまうよりはきちんとお客さんに見て欲しい。

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■9/12~ 入稿データ作成

2025年9月12日~
この日からは単純作業。データを延々と作る。夜22時ころから少し仮眠を取り24時ころ起床。夜型なのでAM5時ころまで作業という生活を完成まで毎日連続で続ける。これを一年中やっているマンガ家さんは体を壊してしまうかもしれないが、僕は年に1~2回しかこんなことはないので大丈夫だ。

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2025年9月13日
夜明けまで女性誌を見ながらパッケージ表紙の作成

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女性誌っぽい?チラシデザイン

手元にあった段ボールにカラーコピーをはり、実際に組み立ててみる。

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僕の場合、いくらパソコン画面で入念にデータを見ても実際に組み立ててみるとなぜか必ずアラが見つかるのだ。面倒だが手を動かすのは大事。

あとは、拡張パックの名前を決めあぐねていた。より深い質問が入っているので「深入り拡張パック」という名前が最有力候補だったが、ベスト!という感じではない。
そんな中、昼から丹沢くんの事務所のボドゲ会に行く途中、地下鉄でポケモンの広告を見た。

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そこに「フカボリ解説」と書いてあって「これだ!!」となる。「深入り」だと他人を詮索しているような雰囲気が出てしまうが、「深掘り」にはネガティブなニュアンスが少ない。「深掘り拡張パック」という名前が無事決まる。ありがとう、ポケモン。

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2025年9月14日

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日曜なので朝からカード(標準80枚+拡張64枚=144枚)のデータ作成。作業を自動化するためのIndesignがなぜか立ち上がらなくなり、仕方なくイラストレーターで延々と144個作る。夜にはほぼ完成。

所持ボドゲ数:391


2025年9月15日
祝日。拡張版のパッケージの色で迷う

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初めは赤の補色である緑を検討したが、緑は実物の印刷が難しくモニタ上の色が全然出ないのだ。(ドコムスも緑ベースのデザインなので印刷の色でいつも苦労しているとのこと)

そこで、今回は三原色の一つである黄色で行くことにする。コンビニのカラープリントで印刷して、淡々と紙工作。

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使用済みハガキに貼って強度を確保

所持ボドゲ数:394

2025年9月17日
最後にマニュアル作り。大苦戦して1618日のたっぷり3日かかる。
説明書にconixさんには頼めない手の絵を自分で書く必要があり、iPadでお絵かきをする。

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下手すぎて恥ずかしいし悲しいが仕方ない。これまで絵を描いてこなかったツケだ。買ってくれた人に、「この下手な絵はconix作なのか?」と思われると事件なので、conixさんのクレジットを

イラスト:conix

キャラクターイラスト:conix

と変更し、conixさんにもその旨をご連絡した。
朝5時、おそらくすべてのデータが完成

所持ボドゲ数:394

2025年9月18日、24日
ついに入稿。何事もないとよいが、やはり細かい修正が発生。
24日、修正したデータを提出。
最後の最後で、質問する時は冒頭に『◯◯さんは~』と相手の名前をつけて質問するルールを追加。これにより劇的に「仲良くなりやすさ」がアップしたように思う。

海外印刷なので納期は2ヶ月弱もかかる。あとは完成を待つのみ…!

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後日、内容物の一覧に「説明書」を入れるのを忘れたことが判明。
まぁ、世の中には説明書を内容物として扱っていないゲームも多々あるので、これで良いということにしよう…!

所持ボドゲ数:397


ということで、海外印刷所へのデータ入稿までの歩みでした。
次回記事はゲムマ終了後に戦歴も含めてまとめる予定です。

この新作「はい」って言ったのに?は2025年11月22日、ゲームマーケット@幕張メッセにて販売を開始します!

事後通販も予定していますが、一番早く手に入れたい方はぜひゲムマでお会いしましょう!

ここまで読んでいただきありがとうございました!

■前回記事



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