子どものときはすらすら解けた計算問題が、今はとても難しく感じる…。そんな人は、算数や数学から離れている時間が長すぎたのかもしれません。
ときには、クイズ感覚で計算問題にチャレンジしてみませんか?
今回の問題に挑戦すると、5つの計算ルールを一気に復習できますよ。
問題
次の計算をしなさい。
1/5÷0.05+5×(−5)
解答
正解は、「−21」です。
問題は小数や分数も含まれている計算式でしたが、答えは整数になります。
いろいろな計算が出てくるので、少し難易度が高かったかもしれません。あなたは正解できたでしょうか。
間違ってしまったという人は、次の「ポイント」で、計算過程を確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、以下の5点に分かれています。
1.計算順序のルール
2.分数を小数に・小数を分数に変換する方法
3.小数の割り算・分数の割り算の方法
4.負の数の掛け算の方法
5.負の数の足し算の方法
それぞれのポイントを計算過程の中で確かめていきましょう。
ステップ1:計算順序を見極める
今回のように複数の演算が含まれている式では、まず、計算をどの順序で進めていくのかを見極める必要があります。
このとき重要になるのが、以下の計算順序のルールです。
<計算順序のルール>
次の順序で計算します。
1.括弧の中※()や{}などの種類があります。
2.掛け算・割り算
3.足し算・引き算
※同じ優先順位の計算がある場合は、左から計算します。
今回の問題に登場するのは、割り算、足し算、掛け算です。よって、ルールに従い、割り算→掛け算→足し算の順に計算をします。
1/5÷0.05+5×(−5)
ステップ2:分数と小数の割り算をする
最初の割り算は、分数を小数で割る形になっています。
数の種類が違うと、計算ができませんので、分数だけの式か小数だけの式に統一しましょう。
1/5÷0.05+5×(−5)
1/5を小数にする場合
分数を小数にするには、分子÷分母を計算すればOKです。
1/5
=1÷5
=0.2
なお、今回の問題のようにいつでも分子÷分母が割り切れるとは限りません。もし割り切れないときは、次項の「小数を分数にする方法」を選んでください。
0.05を分数にする場合
小数を分数にするには、「1の右に小数点以下の桁数分0を付けた数」を分母にし、小数点を取った数を分子に持ってくればOKです。
0.05
=5/100←0.05は小数点以下が2桁なので分母は100
=5/100←分子と分母を5で割って約分する
=1/20
ステップ3:小数の割り算・分数の割り算をする
では、分数に統一した場合と小数に統一した場合の計算過程をそれぞれ見てみましょう。
小数に統一した場合
1/5÷0.05
=0.2÷0.05
=(0.2×10×10)÷(0.05×10×10)←割る数0.05を5にするための計算
=(0.2×100)÷(0.05×100)
=20÷5
=4
ポイントは三行目です。小数で割る計算は、小数が整数になるまで割る数に10を何個か掛けます。また、割られる数にも同じ個数だけ10を掛けます。すると、整数で割る割り算に変わりますので、あとはそのまま計算すれば答えが出ます。
分数に統一した場合
1/5÷0.05
=1/5÷1/20
=1/5×20/1
=(1×20)/(5×1)
=20/5←分子と分母を5で割って約分する
=4/1
=4
ポイントは、三行目と四行目です。分数の割り算では、割る数の分子と分母を逆にした数(逆数)を掛けます。また、分数の掛け算では、分子どうし、分母どうしを掛け合わせます。
最後に約分をすると、小数に統一したとき同様、4の答えが出ます。
ステップ4:負の数の掛け算をする
ここまでの計算で、式は以下のようになっています。
1/5÷0.05+5×(−5)
=4+5×(−5)
次に、負の数の掛け算をしましょう。以下の計算ルールを見てください。
<答えの符号の決め方(掛け算編)>
・同符号どうしの掛け算の答え→正の数(+)になる
例:−1×(−1)=1
・異符号どうしの掛け算の答え→負の数(−)になる
例:−1×1=−1
5×(−5)は異符号どうしの掛け算なので、答えは負の数になりますね。
4+5×(−5)
=4+(−25)
ステップ5:負の数の足し算を正の数の引き算にする
最後の負の数の足し算は、正の数の引き算に変形できます。
<負の数の足し算>
+(−▲)=−▲
4+(−25)
=4−25
=−21
これで答えにたどり着けました。
まとめ
今回の問題に正解するには、様々な計算の知識が必要でした。
どんな知識が必要だったかを、もう一度振り返ってみましょう。
1.計算順序のルール
2.分数を小数に・小数を分数に変換する方法
3.小数の割り算・分数の割り算の方法
4.負の数の掛け算の方法
5.負の数の足し算の方法
それぞれ、どんなルール、どんな計算方法だったかを思い出せますか?思い出せるという人は、計算の復習がしっかりできた証拠です。ぜひ、他の計算問題にも引き続きチャレンジしてみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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