上司のパワーハラスメントでうつ病を発症し、退職を余儀なくされたとして、群馬県太田市の元職員の男性が慰謝料など約410万円の損害賠償を求めた民事訴訟の判決言い渡しが19日、前橋地裁太田支部であった。沢井真一裁判官は「業務上の指揮命令として相当性を欠いたものといえず、違法性を認めることはできない」として、請求を棄却した。

 判決などによると、男性は生活保護を担当していた2019年11月~20年1月、精神障害がある受給者から自身の顔写真を交流サイト(SNS)に投稿されるなどの嫌がらせを受けた。この対応を巡り、上司から刑事告訴をしないように言われるなどハラスメントを受けたと主張していたが、沢井裁判官は「上司らの言動は人格否定や誹謗(ひぼう)中傷に至るものではなく、受給者の属性を踏まえると市の対応に違法性を認めることもできない」などとして、男性の請求を退けた。