北海道ホタテ業界、中国の輸入停止に「動揺なし」 脱中国進み短期的影響少なく
中国政府が19日、日本産水産物の輸入手続きを再び停止したことが明らかになったが、北海道のホタテ業界では大きな動揺は見られない。2023年8月の全面禁輸以降、米国や東南アジアなど他国への販路開拓・拡大が進み、「脱・中国」が進展したことに加え、今年6月の禁輸解除後も中国側による輸出可能な加工施設の登録が道内でわずか1社にとどまっていたためだ。
道内有数のホタテ産地で、例年、年明けから水揚げが本格化する噴火湾(内浦湾)地区。禁輸前は抱卵期の3~4月に水揚げされるホタテが主に冷凍原料貝(冷凍両貝)として大量に中国へ輸出され、浜値をけん引してきた。禁輸後に浜値は急落したものの、昨シーズン(24年10月~25年5月)は次シーズンの大減産予想を背景に高騰に転じた。
地元漁協関係者は「中国側の施設登録が進まなかった時点で、本気で再開する気があるのか疑問だった。単なるパフォーマンスにすぎなかったのではないのか」と冷ややか。中国輸出は「長期的に見れば、売り先の一つとして必要」としつつも、「他国への販路開拓・拡大と並行して、改めて国内消費の喚起に力を入れるべきだ」と気を引き締める。
9月に日本側の施設登録を終えていた噴火湾の水産加工業者は「中国側の方針がコロコロと変わり、輸入を政治のカードに使うのはやめてほしい」と不満を漏らす。さらに「中国はあてにならない相手で、選択肢の一つにすぎない。現状ではリスクの方が大きく、中国依存は経営を圧迫するだけだ」と指摘する。