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日本にブチ切れている習近平さん以下中国共産党が、いきなりはレアアース(希少金属)禁輸をしてこない件について(追記あり)

※追記(21日 17時52分)記述した内容について、一部反論、訂正、追記を求める連絡がありました。下部に状況の追加と見解を追記しました。

 目下盛大に揉めている台湾海峡問題云々ですが、迷惑なことに当職の職掌にも少なからず影響が始めており、サイバーセキュリティ関係では特に中国からと思しき中華アタックが抜き身でやってきて「どうなんや」という話になってきております。

 それとは別に、原子力関係でも不審なアクセスの増大と共に関連事業者では非常に大切なレアアース(レアメタル:希少金属)の輸入が滞り、備蓄に影響が出るんじゃないかということで、みんな心配しているわけです。この備蓄が底をつき、ある一定の期間それが続くと、一部のインフラ更新に問題が出て人が住めない地域が出てきかねません。表ざたにすると問題だからというのでいろいろと気にしながら調整をしてきたんですが、今回の件で具体的に「レアアースの輸入が止まると代替地の開拓も含めてかなり面倒くせえことになる」のは間違いないので、偉い人たちが集まって議論しても絶対に結論の出ないことであれこれやっとることになるわけです。

 このあたりの話は、経済産業省の一軍の皆さまが作成・監修してくださっている資料にも思い切り書いてあるのでいちいち具体的に何がどうなるのかは触れませんが、これは私ら原子力関係というよりは太陽光・メガソーラーの持続的発展やベースロード電力の安定供給という点では(経済)安全保障上中国に依存せざるを得ない面があることは間違いありません。細やかな課題については、日本原子力学会やクライアントさんにも話をしています。

鉱物政策を巡る状況について

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seizo_sangyo/mining/pdf/001_03_00.pdf

https://www.aesj.net/

 これは高市早苗さんが国会答弁でうっかり台湾政策において踏み込み過ぎた発言をしたことで習近平さんやその周辺がブチ切れて軍部の皆さんと共に対日報復的な行動に出た一環としてレアアース禁輸措置があるのではないかとみんなビビっとることになります。

 が、ちゃぶ台を返すようですが、資源貿易を多少でも見ている人間からしますとぶっちゃけ税関で荷物が止まるとか、地元関係先に「御礼」をしないとモノが日本に入ってこないなんてことは中国あるあるでありまして、上に政策あれば下に対策あり、ハゲにカツラのようなもので、正規流通品でないとレアアースは稼働しないなんて印刷インクトナーみたいなことは起きないことも考えますと、単純に迂回輸入や現地直仕入れで現物渡しといった作戦で少し割高だけどちゃんと入手できますよということで、あんまり気にしないでいいんじゃないかと思っています。

 この辺は中華側もよく承知をしており、禁輸しても無駄ということで、カードとして使うことはあっても実効性はないうえ、際どいことをお互いに起こさないようにしようというギリギリのところを突いてくるでしょうから、こちらもギリギリのところで待ち構えていればまあ問題ないのかなと思うんです。

 もっと言うと、ある物質の輸入においては、その地域の「主たる産業」だったりするので、これが本当に民主主義国に対する禁輸をするYOなんてことになるとその地域全体が大変な失業や不況に見舞われます。あまり冗談ではなく、本当に大変なことになります。そもそもそのぐらいしかまともな産業がないけど掘って集めれば何となく買い取られて輸出されカネになるので、その採掘事業をベースに地域の皆さまが経済的にみんなぶら下がっていますので、中華が禁輸やとなればたちまちその辺のヤードには売れない品物が積み上がり給料は支払われず暴動に直結してしまいます。

 元はと言えば、曖昧戦略がどうのこうのと言って台湾政策を話していること自体が、アメリカ、中国、台湾と日本の間での伝統芸能というかファンタジーによって成立している、ある種の上層部・アナリストの皆さんの話なのであって、資源貿易の現場でオペレーターをやっている側からすれば、ひょっとしたらカザフスタン経由とかモンゴル経由とか、場合によってはロシアからモノを出すなんてこともあるかもしれません。

 そして、ファンタジーという点で言えば、ウクライナに攻め込んで国際的なならず者国家として指弾されているロシアだって、経済制裁をしているはずなのにまあまあいいじゃないですかという感じでロシアの足元を見てサハリンから原油やLNGをせっせと買っている島国もあるのです。その一方で、パトリオットミサイルをアメリカに譲渡して、それがそのままウクライナに流れてロシアから飛来するあれこれを撃退していることを考えれば、世の中そんなに紅組と白組に綺麗に分かれるものでもなく、上の連中はあれこれ言ってるけど現場はお互い信頼関係持って儲けたり楽しく往来したりして頑張ろうやなんてことが起きます。当たり前のことです。

 もちろん、本格的に台湾海峡で偶発的な事態があって、ドンパチが発生し、アメリカ軍が台湾防衛に回って中国と戦い始めたら、日本もアメリカのために存立危機事態だぞということで参戦することになります。そうなれば、戦っている当事者同士の握り合いでは済まされないことになりますから、直接のルートは当然途絶えます。ただ、それであっても中立某国経由でモノが出入りするなんてことは当然考えられるわけで、値段を考えなければそこまで凄いことにはならない、ってのは想定しておくべきなんじゃないのかといつも思います。

 偉い人たちは真面目なので(いいことですが)、戦いが発生しかねない状況で相手の善意にすがるような形で戦略物資を調達することは危険だ、と考えがちです。ある程度は、私もそう思います。ただ、モノも情報も直接ルートが途絶えてからがむしろ力の見せ所なんだよってのは知っておいてほしいところではあります。

 対立した先から恩恵を被ることはできないと言っている偉い人の足元で、この前連立離脱した公明党さんと創価学会さんからの票がないと万が一解散になったら再選できないからと危機感を抱いて現地で会食をされたりしているのは、まさにその辺「上は対立しているけど、現場は利害関係や信頼関係をベースに手を結んで互恵的関係を実質的に維持する」ことに他ならないじゃないですか。むしろ、心配なのは中枢にいる人が何らかの手段を通じて相手から便宜を図ってもらいつつ国を売るような動きがあると、これはもういろんなものが日本国内で吹っ飛ぶから気をつけろよ、ということに尽きます。通信会社から丸抱えで往来があった人が、たまたま時代に引っ張られて政府中枢にいて、旧恩を切れず情報提供してしまうなんてことのないよう願うのみです。

追記(21日 17時52分)

 あっという間に反響があり、先方関係者より以下の連絡(抗議)がありました。本文そのまま垂れ流すのも問題あると思うので、先方の了承を得てダイジェストを以下に示します。

中国側は執行部(※やまもと註 習近平さんとその周辺のこと)は高市早苗さんの答弁を「言い間違い」や「誤解」と思っておらず、あくまで高市さんは国会で台湾事案について日本が武力行使をする可能性を示した「本音」と認識しており、それは中国の考える最終線(RED LINE)を超えているなか、中国としては日本と軍事衝突を本格的に行うことは望んでいないため、その内容について山本氏が情報役(※やまもと註 私は情報役ではありません)として理解していないのはおかしいと考えますので、フォローアップと見解をお願いしたいと思います。

 私の見解としては、「高市さんの今回の答弁は日本の従来の政府見解から一ミリもはみ出していないが、それを国会で言うのは適切ではなかった」という認識です。

 中国が言う「高市さんの本音」については、今回の答弁においても前提条件があり、日本としては「中国が台湾に武力攻撃を行って併合を企図した場合」というイフが入っています。

 そして、存立危機事態の認定にあたっては、さらに「台湾を防衛しようとするアメリカが武力参戦すること」、そして日本が参戦するには「アメリカという友邦国の軍事的な損害が生じると予想されること」が条件になるので、原則として台湾を巡って中国が武力行使をし、アメリカに被害が出そうであることが前提で、日本は参戦します。

 中国が日本の参戦を牽制する狙いは、中国の対台湾武力行使での併合を目指す場合、日本がアメリカなどに基地を使わせることで阻止されると考えられるからであって、中国側の本音は「台湾での事態が起きたときにアメリカに日本が基地を使わせなければ勝てるのに」という意味でしかないと考えております。

https://president.jp/list/author/山本 一郎

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