あなたの給料はいつから上がる?最低賃金の適用開始日、7割以上の人が「知らない」
2025年度の改定により、すべての都道府県で最低賃金が1,000円を超えた。しかし、最低賃金の適用開始日が都道府県によって異なることを「知らない」労働者も少なくない。 【図解】全国の最低賃金額を日本地図で図解したらこうなる!あなたの県はいくらか知ってる? そこで、税理士の菅原 由一氏は、20歳以上60歳未満の労働者400名を対象に、「最低賃金」についてのアンケート調査を実施した。
6割が最低賃金アップでも生活は「変わらない」、手取りを圧迫する最大の要因は「物価高」と「社会保険料」
まず、「今年の最低賃金が全国平均で1,121円になったことを知っているか?」と尋ねたところ、「知っている」と答えた人は52.0%にとどまり、48.0%が「知らない」と回答した。 最低賃金が毎年ニュースで報じられているにもかかわらず、半数近くの人が具体的な金額を把握していないことが明らかに。 次に、「最低賃金の適用開始日が都道府県によって異なることを知っているか?」を尋ねると、「知っている」は57.3%、42.8%が「知らない」と答えた。この結果から、4割超の人が「10月1日に全国一斉スタート」と誤解していることがうかがえる。 続いて、「あなたの居住地もしくは勤務地の最低賃金の適用開始日を知っているか?」尋ねたところ、「知っている」はわずか27.3%、72.8%が「知らない」と回答。 今度は、「最低賃金の引き上げは、あなたの生活にプラスの影響があると思うか?」と尋ねたところ、「とてもプラス」(10.0%)、「ややプラス」(23.5%)と答えた人33.5%に対し、「変わらない」は60.3%と最多に。 また、「ややマイナス」(3.5%)、「とてもマイナス」(2.8%)と答えた人も6.3%いた。この結果から、多くの生活者が賃上げによる生活改善を実感できていないことがわかる。 さらに、「最低賃金の引き上げよりも「手取り収入」に影響していると感じる要因は何か?」と尋ねたところ、最も多かったのは「物価高騰(食料品・光熱費など)」(65.8%)、次いで「社会保険料の負担増」(61.8%)、「所得税・住民税などの税負担」(49.0%)であった。 今回の調査から、「最低賃金=生活改善」という構図が成り立っていない現状が見えてきた。 調査概要 調査期間:2025年10月3日 調査手法:インターネット調査 調査対象:20歳以上60歳未満の正社員、契約・派遣社員、パート・アルバイトの男女全国 有効回答者数:400名(5歳刻みに各50名) 調査機関:Freeasy ※「脱・税理士スガワラくん 調べ」