12歳年上の職員を徐々に信用するように

平山さんは生後まもないころから乳児院で育ち、10歳のとき、慈愛園の運営する熊本県荒尾市のシオン園に入所した。ここで、14歳ごろから長期にわたり性的虐待を受けることになる。

加害者は12歳年上で、平山さんがシオン園に入所したあとに採用された。そのころ平山さんは、長く在園しているこどもと自分が同じように扱われていないと感じていて、シオン園の職員たちと信頼関係を結ぶことが難しい状態にあった。父親からの暴力のトラウマもあった。

だが、加害者が平山さんにほかのこどもたちと分け隔てなく接したことから、平山さんは徐々に加害者を信用するようになる。

性行為を繰り返し、妊娠させた事実を隠蔽

しかし、二人の関係は、父親との関係で生じた平山さんのトラウマに加害者がつけ入るような経緯をたどり、ある日、26歳の加害者は12歳下の平山さんに性行為をした。そのとき、性的な行為をすることは父親への愛情表現だと話したという。

以後、平山さんの自室、浴室、幼児部屋、病院への送迎での車内で、加害者は平山さんに性的行為に応じさせた。口腔性交を強要されて平山さんが泣くと「萎えるから泣くな」と言うことがあった。

ほとんど避妊をせず、「他の人にこのことを話しても誰もお前の言うことは信じない」「お前が施設にいられるかどうかは俺次第」と、平山さんの精神状態をコントロールした。

高1のとき、平山さんは妊娠。すると、「ネットで知り合った人と性行為をした」と嘘の筋書きを平山さんに言わせるように仕組んだ。2人のLINEのやりとりを削除させる徹底ぶりだったという。

そのため、平山さんから打ち明けられた施設職員や児童相談所の関係者は、平山さんを妊娠させた相手が加害者であることを知らずに産婦人科に同行。中絶後も平山さんが19歳で施設を離れるまで性的虐待を行った。