「1人で思い詰め…」老老介護の末、102歳の母親殺害 71歳娘に懲役3年・執行猶予5年の判決
日テレNEWS NNN
老老介護の末、102歳の母親を殺害した罪に問われた71歳の女に対し、懲役3年・執行猶予5年の判決が言い渡されました。裁判官は、「長年の介護により、疲労を蓄積させていった中で起きた事件」と弁護側の主張を認めました。 【画像】介護の日 “深刻”人手不足に工夫…「スポットワーカー」現場で活用、「見守りセンサー」で負担軽減
■「お母さんを殺してしまいました」と通報
去年の夏、当時70歳の娘と102歳の母親が暮らしていた家から通報がありました。 ~通報時のやりとり~ 娘・小峰陽子被告(当時70) 「今、お母さんを殺してしまいました」 警察官 「お母さんと何かトラブルがあったの?」 娘・小峰陽子被告(当時70) 「何回も何回も『トイレ行く』って言うんですよ。すごく今、腰が痛くて、トイレにつれていけない。『紙おむつにおしっこして』と言っても、全然してくれない。言うことを聞いてくれないっていうか」 小峰陽子被告は老老介護の末、102歳の母親・フクさんの首をひもで絞めるなどして殺害した罪に問われています。
■「自分1人でどうにかしないと、と思い詰めてしまった」
足腰が弱り、認知症の症状もあった母親を12年、ほぼ1人で介護する日々。事件の1週間前からは、10分ごとに「トイレに行きたい」と頼まれるようになり、腰を痛めていたといいます。 娘・小峰陽子被告(71) 「(事件当日)ガタンと大きな音がしてベッドの方に行ったら、お母さんがベッドの下に落ちていた。腰を痛めていて1人では持ち上げられなかったので『誰かに助けてもらわないと』と」 119番に電話しましたが。 娘・小峰陽子被告(71) 「『本来の仕事ではないので、次からは119番に電話かけないで』と言われました。どうしたらいいのか…誰に助けを求めたらいいのかと…」 弁護側 「殺意を感じたのはいつ?」 娘・小峰陽子被告(71) 「この世の中に自分1人しかいなくて、自分1人でどうにかしないといけないと思い詰めてしまって、殺すしかないという考え方になってしまったんだと思います」 検察側 「長年の介護が嫌になった?」 娘・小峰陽子被告(71) 「嫌になるとか、介護したくないとかはなかった」 裁判官 「お母さんへの今の気持ちは?」 娘・小峰陽子被告(71) 「娘に殺されるという乱暴な死に方をさせてしまい、申し訳なかった」 検察側は、「介護疲れの事案とは一線を画する」として、懲役8年を求刑。弁護側は、「介護の負担によって追い詰められた」として懲役3年・執行猶予5年が相当だと主張していました。