第26回【詳報】「愛して」「つぼ、買わないで」 母親と口論、山上被告の妹
安倍晋三元首相銃撃事件の第9回公判は19日午後、奈良地裁で開かれ、山上徹也被告(45)の妹への証人尋問が引き続き行われました。全国霊感商法対策弁護士連絡会のメンバーの弁護士2人も証人として出廷。タイムラインで詳報します。
17:20
あすは山上被告が証言台に
全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)のメンバー2人への証人尋問が終わり、この日の裁判は終了した。
20日は19日と同じ全国弁連のメンバー1人の尋問などの後、山上被告本人が証言台に立つ。
17:00
「どうしたら脱会させられれるかが大事」
検察側からは、事件前に山上被告から相談を受けていたとしたらどんなことができたか、という質問もあった。
神谷弁護士は「母親をどうしたら脱会させられるかが大事。生活に難しいことがあれば、そういう人を紹介するとか福祉につなげたりとかやっていたと思う」と語った。
また、弁護側の質問に対する「もし山上さんがやっていなければ私がやっていたんじゃないか、と言う人が何人かいました」という証言について、検察側は改めて、「そんな方の感情を言語化するならどのようになるか」と質問した。
神谷弁護士は「自分の人生を壊され、将来の展望を失った。そんな教団を有力な政治家が後押ししてしまった。先がない、救われない、絶望的で。言語化するなら絶望的な思いが近いです」などと答えた。
16:30
別の宗教2世の感想は
安倍氏銃撃事件の後、山上被告とは別の2世の人の感想について、弁護側から問われた神谷弁護士は、「もし山上さんがやっていなければ私がやっていたんじゃないか、と言う人が何人かいました」と証言した。
2021年に安倍元首相が教団の友好団体のイベントに送っていたビデオメッセージを見たか問われると、「はい」と答えた。
感想を聞かれると、「こんなふうに表だって統一教会の後押しをすることに驚きました」と語った。
神谷弁護士は宗教虐待の定義を問われ、「子どもの考えや人格を無視して親の信仰を強制すること。ひと言で言うと、そうです」と説明した。
16:20
2世信者特有の問題 証言
別の全国霊感商法対策弁護士連絡会メンバーで、自身も旧統一教会の元信者である神谷慎一弁護士の証人尋問が始まった。
元信者や家族の支援を続けてきた神谷弁護士は、2世信者特有の問題について、教団への献金によって貧困に陥ったり、食事や風呂といった日常生活にも支障をきたしたりすることを挙げた。
また山上被告の妹が、母親から十分なケアを受けていなかったと証言したことについて、「信者にとって子どもの世話よりも、教会の活動に参加することが子どものためになると思いこまされている。教団に言われた通りにやることが救いにつながると、信じこまされている」などと述べた。
16:00
宗教2世からの相談「時々」
裁判官からも質問があった。
今までに関わった元信者や2世が、旧統一教会と関係する政治家や安倍元首相に不満を言っているのを聞いたことがあるかを問われると、山口弁護士は「ありません」と答えた。
裁判長から「ここ10年くらいさかのぼって、2世からの相談や訴えはあったか」と質問されると、「時々あった」と証言した。
弁護側からは、2世の救済についての質問もあった。山口弁護士は「もう少し弁連(全国霊感商法対策弁護士連絡会)が2世の問題に注力し、もっと早く相談窓口を作って裁判を起こすなど、もっと早く着手していれば山上さんが参加してくれることもあり得た」と語った。
14:55
母親の入信経緯「典型的な事例」
全国霊感商法対策弁護士連絡会のメンバーである山口広弁護士の証人尋問が始まった。
山口弁護士は1980年代半ばから旧統一教会対策に携わってきたといい、教会による典型的な信者の勧誘方法を説明した。
最初は正体を明かさずに世間話をして関連施設に呼び込むケースが多いといい、山上被告の母親の入信経緯についても、「典型的な事例だ」と述べた。
また、戸籍謄本をもとに運勢について言及し、多額の献金を促すことが多いという。
2世信者については、約20年前から「深刻な問題だと話し合っていたが、対策を講じるまでの余裕がなかった」とし、教会への献金のために自身の給料を親に取り上げられたり、貧困に陥ったりする事例が多くあったと述べた。
2021年に安倍元首相が教団の友好団体のイベントにビデオメッセージを送っていたことについて、山口弁護士は「ショックだった」と述べ、安倍氏の秘書や山口県の地元事務所宛てに抗議文を送ったと証言した。
約1時間ほど、山口弁護士に対して、教団に関わるこれまでの問題について尋ねる質問が弁護側、検察側から続いた。
14:40
妹「どうして愛してくれないの」と言ったら
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