スダニ首相の政党連合、過半数届かず イラク国会選 異なる宗派・民族へ支持広がらず

11日、イラクの首都バグダッドで国会選挙の開票作業に当たる人たち(ゲッティ=共同)
11日、イラクの首都バグダッドで国会選挙の開票作業に当たる人たち(ゲッティ=共同)

イラクで11日に実施された国会(定数329)の総選挙で選管当局は12日、スダニ首相率いる政党連合が最大議席を確保する見通しになったとする暫定結果を発表した。ただ、過半数の議席は確保できず、今後は連立政権発足に向けた協議が本格化する。投票率は約56%だった。

AP通信によると、スダニ氏はSNSを通じて勝利宣言した。スダニ氏が属するイスラム教シーア派は国内人口の約6割を占め、同氏の政党連合は首都バグダッドでトップに立ったほか、中部ナジャフやカルバラなどシーア派が多く住む地域を制した。

2022年に首相に就任したスダニ氏は隣国イランと米国の間でバランスを取る外交を展開した。トランプ米政権は親イラン民兵組織の影響力を低下させるようイラクに求めている。

選挙ではスンニ派や少数民族クルド人の勢力も、同じ宗派・民族が多数住む地域で優位に立っており、宗派・民族に基づく政党と支持者の結びつきが根強く残っていることが示された。(カイロ 佐藤貴生)

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