酒と煙草とハンドガン   作:にわかセソセイ

4 / 4

クソほど具合悪いので投稿です。
お気に入り、評価、感想ありがとうございます。


ベランダ

 えー、私は今、現役女子高生の私室にいます。

 犯罪ですね、逮捕もんですよこりゃ。

 

 カヨコちゃんの部屋は、Theシンプルって感じだ。

 そこそこ広い居間にはソファ、ベッド、テレビにノートパソコンの置かれたデスクとその隣に大量のCDが置かれた小棚。

 そこと対面するようにカウンターキッチンがあるし、風呂トイレは別らしい。

 

 ……結構いいとこ住んでんな、家賃いくらだろ。

 

 成人男性がJKの私室を分析するとかいう激キショ案件は置いといて、俺は今ソファに座らされている。

 

「煙草吸うときはベランダに行って。はい、お茶で良い?」

 

「はい」

 

 カヨコちゃんは当然のように対応してくるし、なにこれ?

 

「もう19時で服屋も閉まってると思うから、部屋着は貸してあげるから下着は我慢して」

 

「いやおじさんがカヨコちゃんの服着たらピッチピチになると思うけど?パッと見160cmないでしょ」

 

 ちなみに俺の身長は182cmである。

 

「大丈夫。私結構オーバーサイズの服持ってるから、デューでもギリギリいけるはず」

 

「……さいですか」

 

 なんか、当たり前のように自分の服貸してくるんですけど……いやありがたいけども。

 

「適当に寛いでていいよ。私は夕食作ってるから。あ、なんか食べられないものある?」

 

「ないです」

 

「分かった」

 

 そう言ってカヨコちゃんはキッチンで作業を始めた。

 

 ……ま、いっか。

 

 とりあえず煙草を吸おうとベランダへ行こうとすると、

 

「あ、ベランダに私のだけどサンダルあるから。小さいと思うけどそれ履いてね。あと吸い殻とかはこの空き缶に入れて」

 

「はいよー」

 

 と、投げ渡されたコーヒーの空き缶片手に、言われた通りにサンダルを履いてベランダに出る。

 サンダルは本当に小さく、俺のつま先しか入らない。

 

 普通に洗濯物というか下着がぶら下がってるけどいいんかね、これ。

 ガキのくせに色っぽいの身につけよって。

 

 なるべく洗濯物に臭いがつかないように煙草を吸う。

 

 ───それにしても、なーんかやけに好感度が高くないか?

 

 いくら俺がイケメンでちょいワルな歳上お兄さんとはいえ、ここまで世話されるほどのことした覚えねぇぞ?

 せいぜいが路地裏でのピンチを颯爽と救い、本人の愚痴モドキを黙って聞いてやった程度だ……ラノベの主人公かな?

 

 こうして考えると割と役満かも。

 

 なんて考えてるとカヨコちゃんが勢いよく窓を開け、今日一番に頬を紅潮させながら洗濯物を回収していった。

 

 カヨコちゃんは洗濯物を俺から隠すように抱えながら躊躇いがちに、

 

「み、見た?」

 

「そりゃ見るでしょうよ。クールビューティなカヨコちゃんにピッタリな「撃ち抜くよ?」……なんでもないデース」

 

 両手を上げて降参ポーズをとると、カヨコちゃんは足早に室内に入っていった。

 

 普段冷静な子が取り乱して赤面している姿とか、ギャップ萌えでも狙ってんのか?

 

 にしても今後どうしたもんかなぁ。

 

 生活基盤を整えるにも、酒やらの嗜好品を買うにも金はいる。

 カス共から奪ってもたかが知れてるし、流石にカヨコちゃんに集るワケにもいかんしなぁ。

 

 次に性事情。

 聞けばキヴォトスにいる人間の女は学生だけ。

 風俗があるかは知らんが、俺に合う風俗を見つけても、キャストはヘイロー持ちの可能性すら出てきた。

 ガキに手を出すのはちょっとなぁ。

 

 キヴォトスからの脱出は考えていない。

 ここから出たところであるのはキヴォトスの存在が知られているであろう俺の知らん世界。

 カヨコちゃんに聞いても未知だし、現状よりも酷くなる可能性もある。

 

 なかなかに終わってんなぁおい。

 

 割と憂鬱な気分に流され、煙草を吹かしながらSavatageの『Gutter Ballet』を口ずさむ。

 

 ここに酒がありゃ完璧だったのにな。

 

 JKの家のベランダで夜風に当たりながら煙草吹かして歌ってる野郎とか絵面がひでぇな。

 

 歌い切ると後ろから話しかけられた。

 

「いい曲だね、それ。なんて曲?」

 

「俺のいた世界のヘビメタさ。『Gutter Ballet』って曲。知ってる?」

 

「“路地裏のバレエ”、ね。知らないかな」

 

「ま、そうだよなぁ」

 

 もう分かりきっていることだったが、本当に残念だなぁ。

 

「……デューはさ、ヘビメタ、よく聴くの?」

 

 カヨコちゃんが同情と興味の半々の視線で聞いてきた。

 

「そりゃもう。親父の玉ん中にいた時から聴いてた程には」

 

「そっか」

 

 カヨコちゃんは俺の服を引いて部屋に入れる。

 

「私おすすめのヘビメタがあるんだけど、どう?」

 

 ……あぁ、なんかJKに負けた気分だわ。

 

「おじさん、ヘビメタにゃ厳しいよ?」

 

「上等。キヴォトスのヘビメタも悪くないって教えてあげるよ」




『Savatage』
アメリカ出身のヘヴィメタルバンド。シアトリカルでドラマティックな作風とコンセプトアルバムで知られる。

『Gutter Ballet』
1989年発表のSavatageの代表曲。どん底の街を舞台に、人間の悲喜劇を描いたシンフォニック寄りのメタル曲。


やっぱ俺ん中ではカヨコしか勝たんわ。

今のところの仲良くなる生徒はアリス、コユキ、シグレ、ホシノ、ルミが内定してます。
理由は大体予想つくかな?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

「今、誰か俺を笑ったか....?」(作者:さよナランチャ)(原作:ブルーアーカイブ)

初投稿です。▼闇堕ちしたキャラが大好きなので自給自足することにしました。


総合評価:968/評価:7.92/連載:6話/更新日時:2025年11月17日(月) 21:00 小説情報

待ってくれ、俺は敵だ・・・決して味方じゃない!(作者:副露国士無双)(原作:ブルーアーカイブ)

ひょんなことから学園都市”キヴォトス”に転生してしまった男子高校生、海洋ショウ。▼ブルーアーカイブに男の人間がいない、という事を知っている彼は絶対にメインストーリに関わらない決意をするが、その決意も虚しく・・・▼「クソ!なんでだ!?ただ人助けをしただけじゃないか!?」▼↑▼その人助けが原因という事を彼は知らない・・・


総合評価:367/評価:5.89/連載:3話/更新日時:2025年10月19日(日) 22:55 小説情報

なんか久しぶりに会ったけどみんな様子おかしくない?(作者:オレ)(原作:ブルーアーカイブ)

▼「なんか久しぶりに会ったらみんなちょっと変なんだよな。なんつーか、心配性というか。そんな変わったか?腕一本もってかれただけだろ?隻腕ってなんかカッコよくね?」▼↑(このあとボコボコにされる)▼思いつき投稿


総合評価:1273/評価:7.41/連載:3話/更新日時:2025年09月21日(日) 12:02 小説情報

そうだ、キヴォトス曇らせよう(唐突)(作者:音弧)(原作:ブルーアーカイブ)

転生トラックに飛び込み見事転生を果たした変た狂人、神崎湊。▼ヤツは生粋の曇らせ好きである。▼ヤツは転生によって得た特異能力を使い、悉く(の脳)を焼き尽くす!▼行けっ!変態!!その手に未来を掴み取れ!!▼あっまってそれ(ヤンデレ)は想定外でs▼見切り発車です。気分がのったら書きます。


総合評価:947/評価:7.03/連載:6話/更新日時:2025年11月16日(日) 23:10 小説情報

怠惰な凡人男子生徒はシャーレで働く(作者:怠惰らボッチ)(原作:ブルーアーカイブ)

 怠惰な男子生徒、魚沼ラクはミレニアムを退学後、将来のことを考えずにニート生活をエンジョイしていた。▼ しかし突然家に侵入してきたシャーレの顧問を名乗る人間からスカウトを受ける。▼ シャーレで働くことになったラクは、先生と学園の生徒達と共に様々な困難を乗り越える。▼ 距離感の近い爆乳、距離感の近いロリ、距離感の近い太もも。あと銃弾。▼ 困難に打ち勝たなければ…


総合評価:701/評価:6.62/連載:7話/更新日時:2025年10月24日(金) 20:16 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>