JA全中のシステム開発失敗で200億円規模の損失…その後が判明 全国の多くが長野県のJAグループのシステムに移行へ
全国農業協同組合中央会(JA全中)の業務管理システムの開発失敗を受け、このシステムを利用中か利用予定だったうち15県の農協グループが、長野県農協グループの「長野県協同電算」(長野市)の業務管理システムを導入することが、分かった。 【写真】JA全中の新会長に就く見通しとなっている長野県農協中央会の神農佳人さん
JA全中、長野県のシステムへの移行を呼びかける
このシステムは11都府県のグループが現在導入しており、利用は計26都府県になる。JA全中が、開発したシステムを利用中・予定のグループに移行を呼びかけていた。
山野会長は引責辞任へ
今回の開発失敗に伴うJA全中の損失は200億円規模となる見込みで、山野徹会長は引責辞任する意向を示している。
長野県協同電算のシステムは、2020年から運用する「JA総合管理システム」。15県のグループは来月から順次移行し、会計業務に利用する。移行が終わり次第、JA全中は開発したシステムの運用を停止する。
運用コストが当初計画の3倍に膨張の見通し 運用停止へ
JA全中が開発したのは、給与計算などの「新コンパス―JAシステム」。20超のグループが利用する意向を示し、24年から一部で導入が始まった。だが、運用コストが当初計画の3倍程度に膨らむ見通しとなり、今年初めにシステムの運用停止を決めた。
長野県農協中央会によると、JA全中から昨秋、開発したシステムを利用中・予定のグループのJA総合管理システムへの移行を受け入れてほしい―と要請を受けた。JA全中は今年初め、20超の各グループに移行を促した。15グループ以外のグループは、それぞれ独自開発したシステムなどで対応するという。
JA総合管理システムを今年導入したグループの農協中央会の役員は「元々使っていた独自のシステムと使用感が変わらず使いやすい」と説明。別のグループの関係者は、長野県農協グループが「(JA全中の)システム開発の失敗で行き先を失った地域を引き受けてくれた」とし「恩義を感じているところも多いのではないか」と話した。