光炎憧憬


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作:花見崎
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金髪少女


「何故ここに子供が?」

 

 

「・・・誰?・・・1人?」

 

 

特に理由なんか無かった

ただ1人、意味もなく散策していた

 

 

昨夜一方的な蹂躙を行った闇派閥の拠点だったこの場所

火は消えた、元より綺麗などとは言えぬ廃墟同然だったが今では酷い有様である

 

 

そんな場所を歩いていると一人の金髪の少女と出会った

いつ闇派閥に襲われるかもしれないこの時にこんな幼い少女を1人にするなんて

親の顔が見て見たいものだ

 

 

「こんな所に一人でいると危ないぞ〜?」

 

 

「大丈夫・・・それにお兄さんも・・・一人。」

 

 

「ぼ、僕は、そのー・・・道に迷ってしまったんだ!ここすっごく広くってねー!ははっ!出口はこっちかな〜?」

 

 

我ながら酷いまでの苦しい言い訳たまと思う

 

 

「・・・出口はあっち。」

 

 

そんな僕に彼女はなんの疑いもなく剣先で出口を教えてくれた

 

 

「・・・君は僕を疑わないのかい?こんな場所に一人でいるんだ。怪しいとは思わないのかい?」

 

 

「覆面・・・してない・・・から?」

 

 

「判断基準そこぉ!?」

 

 

思ってるよりこの子は天然なのかもしれない・・・

にしても闇派閥の判断基準が覆面て・・・

 

 

「それにお兄さん、悪い人じゃない・・・多分?」

 

 

「そこは断言できないのね・・・」

 

 

「・・・その眼、懐かしい感じ・・・」

 

 

わ、わからん

この子の思考が全くわからん

ただ、変に敵対されていないだけラッキーだと思う

生憎と僕にいたいけな少女を嬲るような趣味は持ち合わせていない

 

 

「アイズ、どこだ!一人で何をやっている!」

 

 

「あ。」

 

 

奥の方から目の前の少女を呼ぶ声がする

かけてくる足音とともに緑髪のエルフがやってきた

母親・・・という訳では無いだろう

保護者?

 

 

「勝手に飛びなすなと言っただろう!何も分かっていないではないか、馬鹿者!」

 

 

エルフの人は僕には目もくれず、アイズと読んでいた少女を叱りつける

 

 

「ひぐぅ!?」

 

 

「(あっ、可愛い…)」

 

 

不覚にもゲンコツに悶える少女が可愛く思えてしまった

決して僕にそういった趣味はない!決して!

 

 

「うちのアイズがすまなかったな。」

 

 

「い、いえ!別に何かされたわけでもありませんから・・・」

 

 

「そ、それなら構わんのだが・・・」

 

 

「その子、アイズ・・・さんでしたっけ。大切にしてあげてください。」

 

 

「あ、あぁ。それは勿論だが。」

 

 

「そ、それじゃあ僕はこれで・・・」

 

 

僕はそそくさとその場を逃げるように立ち去る

 

 

「アイズ、彼と話したのか?」

 

 

「うん。」

 

 

「何を話していた?」

 

 

「うーん・・・世間話?」

 

 

「どこでそんな言葉覚えた・・・」

 

 

「ロキが言ってた。」

 

 

「はぁ・・・帰るぞアイズ。まずはその泥を落とすことからだ。」

 

 

・・・

 

 

「やぁアストレア。今日も関心じゃないか。」

 

 

「ヘルメス・・・」

 

 

怪我人の簡易的な治療施設と休憩所を兼ねた仮説キャンプでアストレア様は冒険者や一般人に励ましの言葉や軽い雑談を交わしていた

 

 

「あの娘達がやってきたことを続けないと、あの娘達が繋いできた正義が無駄になっちゃう。そんな気がしたの。」

 

 

「言いたいことはわかった。だが、それでも君もたまには休んだらどうだい?昨夜の事があってから一睡も出来ていないんじゃないか?」

 

 

「そうね。でもあの娘達が頑張っているのに私だけ何もしないのはね・・・」

 

 

「彼女たちだって疲弊しきった自分の主神様なんて見たくないと思うぜ?」

 

 

そんな2柱の元に一人の冒険者が駆け寄ってくる

 

 

「あ、アストレア様!【狡鼠(スライル)】達が回復したとの報告が!」

 

 

「分かったわ、教えてくれてありがとうね。」

 

 

「失礼します!」

 

 

・・・

 

 

【ディアンケヒト・ファミリア】の治療院にある一室、そこに【アストレア・ファミリア】の団員はその一室で

 

 

「すまねぇアストレア様、このようなザマで・・・」

 

 

「良いのよ、まずはみんなが無事生きていてくれるだけで嬉しいわ。」

 

 

「無事か・・・と言われると微妙だけどな。」

 

 

「アリーゼが奴の攻撃をだいぶ食らっちまったらしくてな。アタシらの中でも1番酷かったらしい。」

 

 

「とはいえさすがは団長サマ。明日か明後日には回復するそうです。」

 

 

「君達には色々と聞きたい事がある・・・けど、今はぐっすり体を休めてくれ。」

 

 

「大体は察しが付いてるさ。どうせアイツの事だろ?」

 

 

「それじゃあ俺はここでおいとまさせて貰うぜ。後はファミリア内でゆっくりしてくれて構わないぜ。」

 

 

 

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