正義冒険譚


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作:現魅 永純
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デートという名のパトロール



 最近ベル君をどう曇らせようかと考えていたんですが、「いや幸せな世界観だぞ」と理性を取り戻して何とか平和な時間を継続させてます。
 曇らせるのはアエデス・ウェスタが最初で最後にしたい。でもぶっちゃけアイズ関係を深掘りすると闇が深くなりそうなので困る。

 今回は普段よりちょっと長めです。


 

 

 

「…………」

「どうかしましたか?」

「……いえ、大丈夫よ。はいベル君、今回の更新後のステイタス」

 

 

 神秘の一端に触れる恩恵の更新。背中に刻まれた人々の可能性が神血(イコル)により進化を遂げていく。

 

 深層の未開拓領域発見後、一度リヴィラの街へと戻り一夜を過ごし、その後地上へと帰還した。最短一直線により昼過ぎに到着し、疲れた団員達は安心できるホームでベッドに伏す。

 合計で一週間程度の遠征。深層まで行ったとは思えないほどの短期移動。予定していた十日よりも三日ほど早く到着した。その為あらかじめガネーシャ・ファミリアへと依頼していた十日プラス二日の都市警護により暇な時間が出来てしまい、一同はホームで過ごしている。

 そんな中、遠征から帰ってきた翌日。アストレア・ファミリアの中で一番最初にベルはステイタスを更新した。

 

 一新されたステイタスを見つめていたアストレアは沈黙を示す。いつもは陽気な祖父が「はっはっはっ。まだまだ甘い上がりだぞ、ベル」と一言零してステイタスを写した紙を見せてくるので、その違いに思わず声を掛けてしまった。

 

 他の神様はそうでもないのだろうか。そんな意味を込めて視線を向けると、アストレアは一瞬困った表情を見せながらもすぐに笑顔に切り替えて紙を一度撫で、ベルへと手渡した。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ベル・クラネル level3

 

力:F 311→F 348 耐久:E 407→E 445 器用:D 571→C 642 敏捷:B 723→B788 魔力:D 538→C610 幸運: G 魔坊: H

 

《魔法》

音恵拝求(キリエラル・ノイズ)

・音属性/付与属性。

・三種統括魔法。

・付与対象は音の在る場所全て、及び自身の把握領域。

・詠唱式【増幅】【強化】【遮断】

 

《スキル》

【完全記 】

・脳許容量(キャパシティ)の超拡大化。

任意発動(アクティブトリガー)

・極微量の精神力(マインド)消費により、身体が感じとる全ての脳内永久保存。

・脳内保存した記憶の意図的消去。及び消去容量に応じた精神力(マインド)回復。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 トータル280オーバー。三週間ぶりの更新という事もあって合計の伸びはなかなか高い。ベルは一瞬声を出しかけたが、ゼウスの時とは違って毎日更新していた訳ではない事を思い出して「確かにこれくらいか」とすぐに落ち着いた。

 そして落ち着く事で見えた一つの違和感。

 

 

「……手元でも狂いましたか?」

 

 

 スキル名が欠けており、説明欄に余計な空きがある。不自然な空欄に思わずベルが問い掛けると、アストレアは苦笑混じりに答えた。

 

 

「ええ。男の子の背中って結構凸凹してるのね。アリーゼ達と違って驚いたわ」

「ア───」

 

 

 アリーゼ達の背中。恩恵の更新。自身との比較をされて一瞬イメージが湧くが、「消え去れ煩悩!」と頭を枕に叩きつけ、ついでに一度覚えてしまったイメージを完全記憶の効力で消し去る。

 本当にごく僅かな精神力(マインド)の回復。常時発動させているお陰ですぐに消費されてしまう程度の差異を感じつつ、ベルはすぐ近くにいるアルフィアへと視線を移した。

 

 

「……上位経験値の方はどうだ? 神アストレア」

「ええ、それはもうバッチリ。闘技場(コロシアム)をたった二人で行かせるなんて、帰って来て聞いた時にはもうびっくりしたわ」

「そう言うな。攻略とまでは行かずとも、対処程度ならば出来ると判断した結果だ」

 

 

 ……五分五分だとは言ったが。

 とは言え、アルフィアの言葉も嘘ではない。五分五分と言ったのはあくまでベルが“直感”を会得する可能性の話。20体を倒せと言う縛りをクリアするだけならば、ベルならばもっと簡単な方法で倒せた。

 音の誘導というのは非常に優秀で、本来ならば自分の居ない場所へとモンスターを誘き出す事が可能になる。「開拓に必要ならば入り口での仲間の利用を許可しよう」という言質がある以上、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。たったそれだけの話だ。

 

 別の対処法という意味では100%出来る。五分五分なのはあくまで直感の会得。何も嘘は言っていない。

 敢えてその手段を取らなかったのはベルの判断だが、それにしても口の回り方が上手いのが何とも言えないと、微妙な表情で会話を聞いていた。

 

 

「でも、ランクアップするかどうかはベル君に任せるわ」

「だ、そうだ。どうする、ベル?」

「じゃあ、保留で」

「……一応聞くが、あの勇者(パルゥム)に影響された訳ではあるまいな?」

「パル……フィンさんの事? 影響って、何に?」

「いや、お前なら聞いてる可能性も捨てきれなかったからな。知らないならばいい」

 

 

 アビリティの限界突破。本来限界とされていた評価Sの壁を越えるという【勇者(ブレイバー)】の発言を思い出し、アルフィアは思わず問い掛ける。だがふと思い出せばあの時は極限なまでの集中力を見せており、必要のない音は耳に入っていなかっただろう。

 ベルの返答を聞いて頷いたアルフィアは、ベルのステイタスの用紙に視線を向ける。

 

 

(アビリティSの壁……【英雄(ベル)】と【戦乙女(ヴァルキューレ)】が例外なだけで、本来ならば目指すのが間違いとも言える恩恵の規約)

 

 

 だが、と。

 

 

(想いの強さが限界突破(リミット・オフ)へと至るのは既に何度も目にしている光景だ。ましてベルは英雄へとなった者と同一存在。目指すのが絶対に間違いとも言えない)

「……ままならんな」

「へ?」

「いや、何でもない。ベル、上げたいアビリティは事前に言え。重点的に上げてやる。無論、耐久は強制的に行うがな」

「あはは……はい。現状は魔力かな。ダンジョンで使用して分かったけど、魔力の相乗効果が思った以上に強い。今後お義母(かあ)さんも遠征に着いてくるのを考えると、到達階層を伸ばすなら手っ取り早い手段になる」

「ああ。だが無論」

「うん。“音”は動きと並行して発動するから、可能な限り常時発動はするつもり。だから次点で力かな」

「了解した」

 

 

 深層───特に闘技場に行って再確認したが、耐久は重要だ。攻撃の受けだけでなく過度な使用になる身体的な疲労までの強度、体力の向上。

 だから“強制”と言われてもベルは服を着直しながら嫌な顔せずに頷き、自身の伸ばしたいアビリティを言う。アルフィアは目を閉じて同意を示した。

 

 

「さて、要件が無いならもう行っても大丈夫よ、ベル君」

「あ、はい」

 

 

 笑顔でそう告げるアストレアの指示に従って、そそくさと立ち上がりベルは部屋から出て行く。ここはかつての英雄が神アストレアと秘密の話をしていた場所。防音効果がある部屋だ。

 扉が閉まると同時に足音は消え、暫く音が消える。数秒の沈黙。アストレアは笑顔を崩して困った表情でアルフィアに問い掛けた。

 

 

「……これ、どういう事かしらね」

 

 

 その視線が示す先は一枚の紙。先程ベルに渡した紙とはまた別。同じベルのステイタスが書かれたそれを見る。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ベル・クラネル level3

 

力:F 348 耐久:E 445 器用:C 642 敏捷:B788 魔力:C610 幸運: G 魔坊: H

 

《魔法》

音恵拝求(キリエラル・ノイズ)

・音属性/付与属性。

・三種統括魔法。

・付与対象は音の在る場所全て、及び自身の把握領域。

・詠唱式【増幅】【強化】【遮断】

 

《スキル》

【完全記

・脳許容量(キャパシティ)の超拡大化。

任意発動(アクティブトリガー)

・極微量の精神力(マインド)消費により、身体が感じとる全ての脳内永久保存。

・脳内保存した記憶の意図的消去。及び消去容量に応じた精神力(マインド)回復。

・■を継承する

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 前代未聞。スキルの変化。

 スキルが新たに発現するならばそれは喜ばしい事で、特に困惑する事もなくベルにありのままを伝えただろう。だが既存のスキルを上書きするように変化するスキル名と追加されたスキルの効果。

 人々の可能性を広げる以上、変化というのは必ずあるものだ。だが一度刻まれたスキルに変化を及ぼすなど聞いた事もない。

 

 どういう事なのかとアルフィアに同意を求めると、意外そうな表情を見せながらも、直ぐに納得して言い放った。

 

 

「言ってなかったな。ベルのスキルの変化は今回で二回目だ」

「え」

「スキル名の変化こそ前回は無かったが、効果の追加は一度だけあった。まあ神聖文字(ヒエログリフ)ですら明確に示さずボヤけるのは初めてだがな。……そもそもの話、完全記憶にも関わらず()()()()()などという効果が最初からある訳がなかろう?」

「……完全記憶はレアな部類だけど、発現例がない訳じゃないわ。それと同時に、同じスキル名でも効果が違うスキルというのも存在してる。そういう類だと思っていたのだけれど……そう。記憶を消す効果が追加されたって事は、つまりは()()()()()()?」

「ああ。ベルは一度だけ精神的に壊れた。それを消すついでに完全記憶の細かな効果も忘れたようでな。好々爺の祖父(ゼウス)が「最初からあったけど隠してた」と言うだけで受け入れてくれたよ」

 

 

 ベルが精神的に壊れた原因はプレッシャーだ。英雄と同じ特徴、同じ容姿。脚色があったりで完全な姿を伝えられて来た訳ではないにせよ、象徴というのは大きな部分を示し、細かな所は気にしないものだ。特徴が合うだけでも“幸運”の証となる。

 田舎に居たとは言え近隣に村がない訳ではない。冒険者の存在も皆無ではなく、ましてや都市最強(アルフィア)が過ごす場所ともなれば近場に訪れる者も出てくるものだ。広まった英雄の話が、ベルに重圧を掛けた。

 そして、「このプレッシャーを消したい」という想いがスキルに変化をもたらし、記憶を消した。

 

 まあ記憶はなくても心に残る為、重圧を感じた時には精神的に壊れた時を身体が思い出してしまい、無意識にプレッシャーとなる言葉を記憶から消してしまう。

 にも関わらず、本人は英雄を目指しているのだ。逃げながら、在りたい姿から目を逸らしながら、強迫観念の様に『全てを救う英雄』の姿を。

 

 故にこその、「逃げてる今では開花しない」。プレッシャーと向き合えという、遠征前にアリーゼと共に訪れた孤児院でのエレボスの言葉。

 だがベルはその言葉自体を忘れている。記憶から消してしまったから。

 

 

「大丈夫なの? それは……」

「どのみち、ベルが英雄へと至るならば向き合わなければならない事だ。それは今ではないというだけ。私が出来るのは英雄へと至る道筋を示す事。英雄へと至るならば、ベル自身がどうにかせねばならん問題だ。それにな、神アストレア」

 

 

 アルフィアは両目を開き、翡翠の瞳と()()()()()見せながら告げる。

 

 

「私はあの子が英雄に至る必要がないのなら、それで良いと思っている。いや、()()()()()()()()()()()()()()()()。あの子が英雄へと至ったのならば、やる事は“引き継ぎ”で、たった数週間の全救済ではなく、何十年もの間の継続する救済装置だ」

「……そうね。最初の英雄(ベル君)の存在が、どうあっても彼に影響を及ぼしてしまう」

「そんな英雄が辿る末路を忘れたとは言わせんぞ。なあ、神々よ」

「アルフィア、瞳」

「……ああ、すまん。感情が昂るとどうもな」

「気をつけてね。貴方のスキルは病気を相殺してるけど、扱いを間違えれば自分の体を滅ぼしかねない」

 

 

 アルフィアは一度目を閉じ、左目だけを開く。そこにあるのは間違いなく、髪と同じ灰色の瞳。眼の赤い色が抜け落ちると共に、微かに白みが強くなっていた髪も灰色へと戻る。

 アストレアは一度頷くと、先程の会話の続きを放とうとする。

 

 

「もちろん、エピ───」

「ベル君は居ますかー!」

 

 

 が、その声は大きく元気な声に阻まれた。ドアが開くと共に放たれる言葉。

 音は消せても建物の揺らぎまでは抑えられない。決して古びている訳ではなく、人が走れば当たり前のように起きる振動だ。それを感知していたアルフィアは特に驚きもしなかったが、アストレアは別。思わず目の開閉を繰り返していると、その様子を見た声の主。アリーゼは問い掛ける。

 

 

「あれ、もう行っちゃいました?」

「……ローヴェル。恩恵の更新をしていた事は分かってるのだから、不用意に入るのはやめておけ」

「うん、それはごめんなさい。一応他の子達の時間経過から考えて、そろそろ良い時間帯かなって。でもそっか、完全記憶があるなら見るのは一瞬で済むもんね」

「ベル君ならさっき出て行ったばかりだし、帰って来たばかりの貴方とすれ違っていないなら、多分ホーム内に居ると思うわ。何か用だったの?」

「ありがとうございます! えっとですね」

 

 

 アルフィアの言葉に謝罪し、納得し、アストレアの言葉に感謝を示して笑顔で告げた。

 

 

「デートでも誘おうかと思いまして!」

 

 

 ニッコリと、満面な笑み。そこから放たれる純粋好意マシマシな言葉に、思わずアストレアは笑顔のまま固まった。恐る恐るアルフィアの方に視線を向けると、どこか悩ましい表情で考える仕草を取っている。

 

 

「ローヴェル、まさか装備で出掛けるとは言わないな?」

「出掛ける前に身体は綺麗にして私服で行くわ! アストレア・ファミリアの巡回じゃなくて、普通のデータだもの!」

「よし。ならば構わん。無論私の許可など必要はないが……身支度を整えるならば口出しはせんよ。好きに過ごせ」

「分かったわ、お義母(かあ)様」

「誰がお義母様だ、たわけ」

 

 

 真剣な表情で頷きアルフィアを義理の母呼びするアリーゼに、アルフィアは「あまりふざけるならゴスペルぞ」と言わんばかりに軽く手を前に突き出した。アリーゼはそれを見て逃げる様に部屋から出て行く。

 そんな様子を見送ったアルフィアは溜め息一つ零し、呟いた。

 

 

「毒気を抜かれたな。すまない神アストレア、何も貴方を責めるつもりはなかった」

「いえ……神々の負債である事は紛れもない事実。祈るだけだった無力な子に力を与え、人生を壊し、それを見送るだけだったのも、また事実よ。貴方の怒りは間違いなんかじゃない」

「話は終わりだ。私を()湿()な女にしないでくれ、神アストレア」

「……そうね、ごめんなさい」

 

 

 アストレアは深呼吸一つ。陰った表情は消えて、いつも通りの聖母の笑みを取り戻して、アルフィアへと問い掛けた。

 

 

「それにしても意外だったわ」

「何がだ?」

「アリーゼとベル君のデート。私としてはアオハルな光景を観れるのは満足だけれど、貴方も認めるのね」

「アオハ……? ……まあ、意外でも何でもないよ。アマゾネス共に喰われるならば兎も角、ベルが望むならばそれを妨げる真似は出来るだけしない。忘れたか、神アストレア。ベルは妹の子だぞ?」

「可愛い甥っ子である事には違いないと思うけれど」

「そうではない。奴の生い立ちを忘れたか? 好々爺(ゼウス)のとこのベルの父(バカ)がメーテリアを孕ませたのだぞ? まともに動けない妹を、だ」

「ああ……」

 

 

 聞き返すアルフィアに対して、その意味を説明する。神特有の言葉に困惑しながらも、アルフィアは首を横にゆっくり振ってその理由を紡いだ。

 ベルの生い立ちを改めて聞き及ぶと、アストレアは思わず苦笑をこぼした。アストレアは正義を司る『星乙女』と呼ばれる女神ではあるが、決して処女神である訳ではない。貞淑を司る訳でもなく、人々の営みには寛容だ。

 だが、それでもベルを宿すまでの過程には流石の女神も苦笑せざるを得ないらしい。一度聞いた覚えはあるが、二度目でも思わず一度目と同じ反応をするくらいには。

 

 

「それすらも見送っている私が、今更義息子(むすこ)の男女関係を認めないほど頑固なつもりはないとも。あまりに軽い気持ちでなければ、な」

「フレイヤは?」

()()()()ならば兎も角、女神の方では玩具にされるのは目に見える事だ。軽い気持ちで来られるよりも厄介だぞ、女神の執着は」

「否定出来ないわね」

「いずれにせよ、将来を考えるのであれば私も自然と関与する事になる。その時はまあ───」

 

 

 アルフィアは、両目を薄く開いて笑みを浮かべながら呟いた。

 

 

「嫁の作法を教えてやろうか」

 

 

 

♢♦︎♢

 

 

 

「ベル君、デートしましょう!」

 

 

 ───そんなセリフをホームのリビングで叫んだアリーゼと、アルフィアと出掛ける時に「なんじゃデートか、儂も混ぜてよ」と祖父に言われ続けて軽率に了承したベルに、若干一名が動揺のあまり木製のカップを握り潰した約二時間後。

 犯罪抑制がされてると言っても皆無ではないオラリオでの武器無しはアストレア・ファミリアの人物である以上は不安要素が強い為、流石に短剣一本忍ばす程度は武装しているが、普段の装備とはかけ離れた服装で二人は出歩いていた。

 

 

「……うん」

 

 

 買い物だったり喫茶店だったりと既に何箇所か巡り、アリーゼは一度頷いてカッと目を見開く。街中なので叫ぶまではいかないが、それでも普段通りの元気な表情で言葉を発した。

 

 

「普通のお出掛けってまだした事なかったからオラリオの案内でもしよっかなって思ったんだけど、普通にエスコートされてるわね」

 

 

 案内らしい案内と言えば、初日と二日目のギルド案内と豊穣の女主人程度だろうか。しかも初日には即座に深層特攻という真似もしてる為、空いてる時間はあまり無かった。

 その後はほぼ毎日巡回(パトロール)だ。それ以外で個人で自由に出来る時間というのは殆どをギルドのダンジョン資料漁りに使っていたので、遠征以前の二週間ではオラリオを巡る暇など無かったと言える。だからこそアリーゼは街の案内を目的とした“デート”をするつもりだった。

 

 が、ベルは自身より微かに背の高いアリーゼをエスコートする様に店の案内をしている。服飾はしっかり質が良く値段もアストレア・ファミリア各員の個人資金に合っているものだし、喫茶店の軽食やドリンクも美味しいものばかり。

 ギルドの資料漁りと同時にオラリオの案内地図でも見たのだろうか。それ以外に思い当たる事と言えば、巡回時に耳に入る噂話で判断したのか。完全記憶を持つベルならばどちらも可能だろう。

 

 だが人の好みは千差万別だ。ただの噂程度で細かな情報が聞き取れる訳でも無し。確信している素振りで案内してる以上は相応に何かしらの証拠がある。

 ベルの“勘”はこういう所で働くタイプではない。では何故だろうかとアリーゼが呟けば、ベルは苦笑して答えた。

 

 

「本当はこういった場で使うべきではないと思うんですが……魔法による聴力強化でそれぞれ聞き取ってるんです。なので近場の店だったら何となく店の良さっていうのが分かるんですよね」

「服飾系は支払いの時のお金の音。喫茶店は調理中の音って事? あれ、でも服の質も良かったけれど……その辺りはどうなの?」

「個人資金に余裕があるから比較的高級な所を選んでるっていうのもありますが、その辺りは“運”ですかね? 流石に服の質感を音で判断するのは難しいので、現物を見てみようかなって気持ちでしたから」

 

 

 ベルはスキルの関係上、どういう過程を辿るから良いものが作られてるのかという判断が人並外れている。発展アビリティやスキルの有無が試される鍛治仕事、冒険者の装備を一級品に鍛えるなどという真似は出来ないが、ステイタスが関わらない技術に関しては、一度目にした物をトレース出来る。

 とは言え、道具の違いだったりもあるので差異は当然出るが……その辺りは保護者が流石の都市最強。アストレアの方針で遠征以外での依頼金、及び個人宛の強制任務(ミッション)の報酬は個人資金として蓄えられる為、全てが最高級の品を集められる。

 

 現状では近隣の村で作られる品だったり、料理や裁縫ならばアルフィアが最高峰ではあるものの、こういった街中探索が増えるほどに目利きや()利きは上達するし、自身の技術として蓄えられていく。

 アルフィアの“才能”の強さも流石だが、こうして改めて聴くと完全記憶の汎用性の高さを改めて認識した。もちろん、器用のステイタスやアルフィアの教えもある故だろうが。

 

 

「うーん、流石。何年もいる私も知らない隠れ家的な喫茶店だったからなぁ」

「獣人の方がいらっしゃる事が多いとマスターも言ってたので、もしかしたら五感の鋭い獣人の人達が敢えて噂しない様にしてるのかもですね」

「ネーゼ、もしかして知ってて黙ってたりしてたのかしら?」

「カウンター席しかありませんでしたし、ファミリア単位で行くとなると占領しちゃいますからね。知ってたならネーゼさんも気を遣ってたんだと思います」

 

 

 幾らアストレア・ファミリアが少人数の規模の派閥と言えど、流石に十人そこらをカウンター席に座らせれば他のお客が入らないし、立場上休みの時は大体一斉の時から大半なので個人の時にどうしているのかを探る輩も現れる。実害はないからと大体はスルーしているが、こういうあまり明かされてない店とかは繁盛より趣味寄りの傾向が高いので、迷惑になる可能性は高いだろう。

 幸い今日はベルという少年がエスコート(音誘導)しているので付き纏う連中はいないが、視線は向けられる。ままならないなぁ、と。恩恵更新時の義母と同じ感想を呟きつつ、出来るだけ表通りでのエスコートを優先しようと決意した。

 

 そんな悩む様子のベルを微笑ましそうに見つめるアリーゼ───の、更に後方。無駄に卓越した技術で足音を無くし、気配も極限まで消している冒険者が三人。

 リュー、輝夜(付き添い)、ライラ(強制付き添い)の三人は、二人の様子を見て呟いた。

 

 

「普通に仲睦まじい男女のデートで御座いますね」

「クラネルのエスコート力高すぎな。どっかの最初の英雄様に見せてやりたい」

「デート……デート……? まだ付き合ってもいない男女がそんな蜜月な行動など……破廉恥なっ」

「……デートって、普通に仲の良い男女で出掛ける場合も使われるぜ? むっつりエルフ」

「むっつ……!?」

 

 

 声は潜め、気配は薄く。だが普通にバレてる三人の尾行中の会話。苦笑気味に会話を進めているベルを見て、ライラは思わず呟く。

 

 

「つか、これ絶対にバレてんな。いやまあ普通に考えりゃ会話してる時点でバレるけどよ。魔法的に」

「護衛です。なので問題はありません」

「……コソコソしてんのに?」

「護衛です」

「…………レベル5とレベル3(異次元)なのに?」

「護衛です」

「……」

「護衛です」

「何も言ってねぇよ」

「主にアリーゼの貞操の」

「聞いてねぇよ? つかクラネルがそんな事出来る玉に見えるか?」

「ベルの貞操も」

「どういう事?」

「二人の貞操は来たる伴侶との契りまでに護っておかねば……」

 

 

 護衛ですbotと化したリューと、聴き飽きれ果てる輝夜。律儀に突っ込むライラ。

 見守るよりやべー奴相手にしちまったかもなとライラが強引に逃げるべきだったと後悔していると、リューは突如としてハッと表情を驚きに変えて、偉大な事に気付いたかのように呟く。

 

 

「二人が伴侶となるのであれば、契りを交わしても問題ないのでは……?」

「問題大有りだよ。主にお前の頭のな」

「私を愚弄するか?」

「うん、正直これは愚弄したくなるポンコツっぷりだわ。っていうかそもそもの前提としてな? このデートはマジでただの男女のお出掛け以上の理由はないと思うぜ?」

「ただのお出掛けで契りに至ると!?」

「もうダメだこのエルフ、早く何とかしないと」

 

 

 むっつりどころかがっつりだ。がっつりドエロフだ。何を言ってもナニに結びつけられる。なるほど、アマゾネスと英雄譚の話で長年触れ合ってきたエルフの奇跡の瞬間を垣間見た気がした。輝夜は思わず痛ましそうに目を背ける。そしてこっそり会話を魔法で聞いていたベルも居た堪れなくなって魔法を解除した。

 ライラは胃を労る様にお腹をさすりながら菩薩の様な表情で考え込む。そして結論に達した。そうだ、あいつらの人間性を説けばいいじゃんと。

 

 

「おいポンコツ、ちょっと聞くぞ? あの二人の性格はどんなだ?」

「……お人好しでしょうか?」

「だよな? 片方でももちろんだが、二人とも正義のファミリアらしき根っからのお人好しなんだ。それを省みて考えてみろ。そんな二人のデートが淫らな男女関係に発展するとでも?」

「……思いません」

「うんうん。けどまあ不安なのは分かるぜ。だから普通に見守ろう。男女の契り云々は兎も角として、タダの仲の良い二人である事を願うのは悪い事じゃねーだろ?」

「……はい」

 

 

 要するにこのエルフ、自分が初対面で触れる事を許せた二人が同時に遠ざかってる感覚に混乱していただけだ。ならばまず二人の人間性を再認識させ、故のこのデートの結末を自身で推測させて落ち着かせる。そして最終的には意見の提示。あわよくば帰りたい。

 そんな会話のやり取りでうんうんと頷いたライラは立ち去ろうとするが、目敏く輝夜は首根っこ捕まえて引き止める。これ(リュー)の相手は私には無理だと首を振る輝夜に、ライラは遠い目で「あたしの休暇……」と呟いた。

 

 

 ───結局その後の二人のデートは、概ねライラの予想通りと言うべきか。人助けを交えながらのお出掛けだった為、ほぼ巡回(パトロール)をしているのと変わらない日常になった。

 

 ひったりくり犯の耳元の音を増幅させて三半規管を揺らし捕らえるのを知らぬ存ぜぬのスタイルで手助けしたり、【強化(イコスター)】で声音を猫に変化させて探してる猫を誘き出したりして輝夜が思わず悶えたり。逆に今度はアリーゼが迷子の子を送り届けたり。

 デートという形を崩すほどの時間は掛けていないが、困っている人が居たらスルーせずに全部手助けしているので、普段の巡回とあまり変わらない光景。

 

 

「……なんか、すみません。アリーゼさん」

「いやいや私の方こそ! どうしてもスルー出来ないのよね……シャクティの所が見回ってるし時間が経てば解決するってのは分かってるのだけれど、ついつい」

「分かります。けど」

 

 

 どれだけ犯罪抑制が敷かれようとも、魔がさす人物は少なくないし、例え平和であっても困る人が居ないわけではない。どうしても解決したくなってしまうのは職業病なのだろうか。

 根っこから染み付いてしまってる正義感のお人好しというか、お節介焼きと呼ぶべきか。

 

 ベルはありーぜの「つい」という言葉に同意を示しつつも、先ほどまで助けた人たちの笑顔を思い出しながら呟いた。

 

 

「笑顔になる人を見るのが好きなんです。優越感とか、感謝される快感とかじゃなくて、自分の意思というのが他人の為になっているのが良く分かるから」

「……そっか」

 

 

 行動とは常に自分勝手な都合が付き纏う。仮に他人の為を思ったとて、それは他人を思った自分の為の行動に過ぎない。結局、人というのはどこまでいっても自己中心的(エゴイスト)である事に変わりはない。だからこそ正義と悪は表裏一体と言われるのだ。

 それを、ベルはもう分かってる。かつてリューが難儀し【英雄】に問いた“正義”というものの在り方を、もう理解しているのだ。

 

 ああ、やはり本質は同じなんだとアリーゼは再度認識した。

 

 

「……? この音」

「ん?」

 

 

 魔法を使うまでもなく耳に響くひとつの音色。崩れた様な酷く鈍い音の鳴りと、「おっかしーなぁ」という困ったひとつの声。

 アリーゼは納得の表情を見せたが、特に何も言わずにベルの方へと向く。彼は既に音の主の方へと歩き出していた。苦笑気味にベルの後を追いかける。

 

 音が鳴る場所へと到着すると、其処には子供に囲まれて無邪気に「どしたのー?」やら「音なんてなくてもいいから聴かせてー」と言われている、フードを深く被った人物が楽器を見ながら首を傾げていた。

 見るからにして詩人だろう。持っている楽器……ハープはあまり大きなものだったりこだわったりしなければ、それほどメンテナンスの必要ない弦楽器だ。壊れた時の直し方を知らなくても無理はない。

 

 

「えっと、大丈夫ですか?」

「やー、全然大丈夫じゃないわ。めっちゃ困ってます」

 

 

 ……正直な感想だ。ここまで直球に困ってますと言える人物は存外少ない。ベルは頬を掻きながら申し出る。

 

 

「えっと、宜しければ見ましょうか? 体質上“音”にはかなり自信がありますので、恐らく直せると思います」

「ホント? それなら助かるなぁ。あ、ごめんね君たち。もう少し待ってて貰っていい? このお兄ちゃんが楽器を直してくれるそうなんだ」

「喉が渇いちゃうよー」

「ふふふ、ちゃんと用意してありますとも。冷えてるジュース。君たちお楽しみの他国産だよっ」

 

 

 飲み物の無償提供。詩人というナリの割には随分と客層が幼く、また距離感が近い。旅人じゃなくてオラリオの住民なのか。

 というよりは、冒険者か。力みを薄くしてるので一般人は分かりにくいが、多少経験を積んだ三級冒険者ならば気付くくらいに気配が強い。ベルが不思議そうに眺めていると、声の主───声音からして女性は、ハープを手渡した。

 

 受け取ったベルが魔法を発動しながら音質のチェック。弦、ボディの確認を淡々と進めていると、子供達を撫でながらもフードの奥でジッと視線を向ける女性。

 そういえばアリーゼの姿が見えない。後を追ってきてたからすぐ近くにはいるだろうし、はぐれる程に道は混雑して無いはずだ。ベルが早歩きだったにしても、かなりルーズな歩みな気がする。

 

 色々と動揺が重なって思わず問いかけた。

 

 

「ど、どうかしましたか?」

「んー? 何というか、似合わないなぁって」

「えっ」

「でも妙に様になってるんだよね。あ、ごめんごめん。こっちのイメージがちょっと噛み合わなくってさ。君、随分とオラリオの英雄と瓜二つだから」

「あー……確かに、それだとイメージが合わないですよね」

 

 

 口ぶりから察するに六年前の英雄譚の話を直に見た人なのだろう。白髪紅眼という特徴的な部位の指摘ではなく、このオラリオに訪れた時の様に容姿そのものがそっくりだと言われて、ベルはそう推測した。

 そんな思考を浮かべながらも、音は聴き取っている。ベルは一度弦を弾くと、頷いて女性へと手渡した。

 

 

「もしかして、弦を切ったりして張り替えとかしましたか? ここと……ここですね」

「わ、凄い。一回弾いただけで分かるの?」

「音の質がかなり違うので。単体で聴くとあまり違和感は無いんですが、連続して弾いてると邪魔する音色になってますね。多分粗悪品です」

「ふふふ、マヌケは見つかった様だね。私も含めて。よしっ、買った場所に行ってとっ捕まえよう」

「あー、楽器系ってオラリオでもあまり浸透してないので、詳しく無い人が知らずに仕入れている可能性もあるので、程々に……」

 

 

 っていうか、捕まえる? 個人制裁だろうか。にしては言い慣れてるというか、何とも言えない違和感。ベルが首を傾げていると、女性は残念そうに呟いた。

 

 

「でもそっかー、それだと今日は音無しになるかな。他の弦の替えが無いし」

 

 

 ハープはこれ一つ。今から買いに行くには少々時間がかかり過ぎる。……詩人ならば自由に出来る時間が多いので、いつ弾いても良い様に思えるのだが。またも違和感。

 やはり強さの気配も考えてどこか有名なファミリアに所属している冒険者だろうか。ここ最近でやっていたのはダンジョンの資料漁りだから、冒険者の情報はさほど詳しくない。

 

 考えても仕方ないことは考えなくて良いか。ベルはその結論に達し、残念そうにしている女性に優しく笑みを浮かべながら語った。

 

 

「一応手段としては二つほどありますよ」

「え、マジ?」

「はい。一つ目は買い換えた弦に合わせて調律する事。これは弾く側も大分違和感を覚えてしまうので、慣れるまではオススメ出来ませんが……あともう一つの手段として、応急処置が出来ます。この場に限りますが」

 

 

 ベルは【強化(イコスター)】を粗悪品の弦に付与して音を変化させ、他の音色に合わせた調律を行った。

 女性がフード越しにも分かる困惑を見せながら弦を弾くと、途端に明るい雰囲気を出しながら声を出す。

 

 

「わっ、凄い! 元に戻ってる!」

「永続する訳では無いので、付与(エンチャント)が切れたら音も戻りますけどね。この場でなら取り敢えずは大丈夫です」

「うん、ありがと! 良かったらお礼に君も聴いていく?」

「あ、えっと……」

 

 

 アリーゼを放ってこの場に来てしまったのでおいそれと同意は出来ない。しかし後ろに居たはずなのに本当にどこ行ったのだろうかと魔法を発動して索敵しようとすると、女性の背後に見覚えのある赤髪の女性。

 居た、と。認識すると同時に赤髪の女性、アリーゼはフードの女性へと抱きついた。

 

 

「こんな所でサボりかなぁ? アーディ」

「びっくりしたぁ……今日は休みだよー、アリーゼ」

 

 

 女性……アーディはアリーゼの顔を認識すると、フードによって纏まっていた()()()を下ろす様に顔を晒す。蒼や空色の様な青を強調するほどの濃さはなく、灰色混じりの青髪に蒼い瞳。アストレア・ファミリアには居ない色をイメージさせる姿。

 仲良く抱き合っている二人を見て、ベルは思わずアリーゼに問い掛けた。

 

 

「お知り合いですか?」

「うん、ガネーシャ・ファミリアの団長の妹さんだよ」

「アーディ・ヴァルマでーす。噂は()()()()()聴いてるよ、ベル君?」

「あはは……すみません」

 

 

 正確には鐘の音は自分のせいではないのだが。しかしまあ朝訓練の時に以前までは迷惑を掛けていたのは事実。都市警護に尽力するファミリアの言葉ともあって思わず謝ると、良いよ良いよと言う様に笑顔で手振りする。

 

 

「いやー、にしても意外なお二人さんで。デート中かな?」

「そうだよ」

「わっ、即答。大丈夫? アストレア・ファミリアの中で取り合いになって血みどろになったりしない?」

「……? なんで?」

「唯一の男の子だし……ってそうか、【静寂】が居るならその辺の制御は出来てるか」

 

 

 あの義母を前に好き勝手に弄るなど出来まい。アーディか都市最強の姿を浮かべながら苦笑していると、周りの子供達はアリーゼを見て「【紅の正花(スカーレット・ハーネル)】だ!」「私服姿珍しー!」と燥ぐ。やはり第一級冒険者。正義の派閥というとっつきやすいファミリアである事も相まって子供にも人気だ。

 その様子を見て、アリーゼはベルをチラ見して抱きつくのを止め、アーディに問い掛ける。

 

 

「一つ聴かせてくれるんでしょ? 私も良いかな?」

「えぇ〜、友人に聴かせるのは恥ずかしいなぁ。良いよっ!」

「恥ずかしがってる様に見えてノリノリだ……」

 

 

 アリーゼが聴くと言ってる以上、ベルも否定する要素は何処にも無い。オラリオに属して、かの英雄譚の最中にも居ただろう女性の語り。

 やはり【大鐘楼の英雄譚(グランド・ベル)】だろうか。それとも冒険者の王として有名な大英雄アルバートの【迷宮神聖譚(ダンジョン・オラトリア)】?

 

 或いは、彼女が今まで見てきた偉大な冒険者の軌跡か。遥か古代の英雄譚なのか。どんな話でも楽しみに違いはない。

 美しく、凛とした表情から語られるは、一人の男性冒険者の話。

 

 

 

「───これは、己の人生を残り三年と称しながら、偉業を遂げて器を昇華し、五年の月日を過ごした……とある老兵の英雄人生だ

 

 

 

 

 





 ノアールさんが地味に好きです。


-補足説明-

 リューさんはベル君が加入して以降は基本的に彼が末っ子役になるので「お姉さん」を演じるつもりでしたが、ベル君が自分に対してだけやたら動揺するので上手く姉役が出来てません。
 原作通りに行けば普通のポンコツエルフだったんですが、今作の場合多くアマゾネスと交流する機会が多いため、なまじ知識だけは豊富になっています。睡眠学習で。へっぽこ妄想エロ狐の要素がリューさんに加わった感じです。
 今作の様に「自分が初対面で触れ合える程に気を許せる人物」の貞操に危機を感じるとブレーキが効かなくなります。真夏の中で暖房マックスの車をアクセル全開にしてる感じ。理性が死んでる。
 でもなまじエルフの貞操観念も残ってるからエロ妄想に直結するのに認めないとかいうクッソ面倒な性格になってます。ポンコツ可愛い。

 ちなみにですが、アーディが長髪になっているのは、自分の「吟遊詩人って何か髪長い人が多いイメージある」という独断と偏見によるものです。


 感想お待ちしております。
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