光炎憧憬


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作:花見崎
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神は静かに笑う


「・・・アーディ、踊る前にもう一つだけよろしいでしょうか。」

 

 

「どうしたの〜?」

 

 

「貴方も耳にしているでしょう。白髪の少年のことを。」

 

 

「うん。お姉ちゃんも襲われたって言ってた。」

 

 

「・・・!?そうですか。」

 

 

「私はその時気絶しちゃってたから絶対じゃないけど、イアン君と考えてる。」

 

 

「そうですか・・・」

 

 

「リオンは彼と戦うのは嫌?」

 

 

「嫌というわけではない。彼がどんな方であろうと、悪である限り倒す。それだけです。」

 

 

オレンジに染まる夕日はオラリオ全体をオレンジに染めあげ、2人を照らし出す

 

 

「そっかぁ・・・私もリオンと同じ。本当は彼と戦いたくなんてない。お姉ちゃんを襲ったのだって何かの手違いだって考えちゃう自分がいるの。」

 

 

闇派閥(イヴィルス)は時に極悪非道な手に撃って出る事もあります。彼の性格に限らず、敵である事は火を見るより明らかなのも分かっています。それでも・・・」

 

 

終始暗い顔の絶えないリューにアーディは笑顔を絶やさなかった

 

 

「会議の後も、私は彼に関する情報を集めていました。彼に対する印象を無理にでも変えたかったのか、それとも心のどこかで彼を庇っていたのかは自分でも分かりません、」

 

 

「うんうん。それでそれで?リオンなりの答えは出たの?」

 

 

リオンは黙って首を横に振った

 

 

「むしろ逆効果でした・・・彼と関わった人達から返ってきた言葉は全て彼を褒め称える言葉ばかり。それ以上は何もわからずじまいでした。」

 

 

「そっかぁ・・・」

 

 

「彼と関派閥の関係はまだ分かりません。ただ、彼の評判を聞く度に彼の全てを疑ってかかる私自身に嫌気がさします。」

 

 

「それは仕方ないよ。みんながみんな疑いだしちゃったら上手くやってけないもん。」

 

 

「彼の慈善活動さえ裏があるのではないかと疑ってしまう・・・」

 

 

「うん!やっぱりリオン、踊っちゃおう!今、ここで!」

 

 

夕日は全てを映し出す

道の真ん中で踊り始めた2人の笑顔も

彼らを見つめる人々の姿も

2人につられて踊り出す人々の姿も

 

 

そして、街に潜む悪意すらも

 

 

明日、開戦の火蓋が切って降ろされる

 

 

 

 

 

『大抗争』まであと1日

 

 

 

 

・・・・

 

 

【ガネーシャ・ファミリア】と【アストレア・ファミリア】が拠点前にて臨戦体制に着いていた

闇派閥が拠点していると考えられていた3箇所の内の1箇所

 

 

「団長、全員配置についた。」

 

 

「そう、わかったわ。敵には気付かれていない?」

 

 

「現状、そのような気配はない。・・・逆に静かすぎて、何かあると勘繰りたくなるほどだ。」

 

 

「そう・・・でも、行くしかないわ。今日、何としても闇派閥の拠点を落とす。」

 

 

「アーディ・・・」

 

 

「なに、リオン?」

 

 

「・・・いえ、勝ちましょう。」

 

 

時は来た、『正義』か『悪』か、勝つのは一方のみ

この時だけは気まぐれな女神も目を開いて注目することだろう

 

 

『正義』が勝とうが『悪』が勝とうが、間違いなくこの日は後にも先にも語り継がれるだろう

良くも悪くもここが歴史の転換点

 

 

どちらに大きく傾こうとも歴史は心無くただひたすら時を刻み続けるであろう

天界の神よ、オラリオ外の神よ、これから起こるは誰も語り継がぬ3人の『英雄譚』が1ページだ

 

 

「時間だ。」

 

 

「-突入。」

 

 

幕開けは非常に静かなものだった

【勇者】の一言を皮切りに3箇所の拠点で冒険者達が突入していく

 

 

 

 

『大抗争』、始動

 

 

 

 

一 時は来た 一

 

 

 

 

神は、静かに笑った

 

 

 

 

「・・・よく来ましたね。」

 

 

「やっぱり、闇派閥の仲間だったのね。」

 

 

「やっぱりも何も、僕は最初からあちら側でしたよ?」

 

 

「そうね。これ以上は話してても仕方ないわ。今からあなたを捕まえさせてもらうわ!」

 

 

 

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