光炎憧憬


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作:花見崎
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汝は正義なりや?


「それで?輝夜はどうしてその子が気になったのよ?それも、相手は男の子なんでしょ!?ついに輝夜にも春が訪れたのよね!」

 

 

アストレアへの報告と反省会を終え、いざ散会になるかと思った時、アリーゼによって引き止められる

 

 

「団長、わりぃーがそれだけは無いと思うぜ。」

 

 

「私もライラに同感だ。」

 

 

「あらあら〜?そんなにわたくしが男子に興味を持つのが珍しいですか?どこかの糞雑魚妖精(ポンコツ)と比べたら十分なほどには興味くらいは持ちますわ。」

 

 

「わ、私はポンコツなどではない!」

 

 

「それではお言葉ですが、異性どころか同性にさえ触れられない潔癖で高潔で下ネタなど無縁だとすまし顔のエルフ様に言われたくないと申し上げているだけですわ。」

 

 

「き、貴様ぁ・・・!」

 

 

「でもまぁ、団長の言ってることも確かだけどな。輝夜ってリオンとは違った意味で男と無縁そうだもんなぁ。」

 

 

「まぁ大半は女性だけのメンバーってのが大きいんだけどねー。」

 

 

「そうですね、そういった類の話はライラくらいでしょうし。」

 

 

「だから何度も言ってるだろ?『勇者』とはそういった関係じゃねぇって。」

 

 

「まぁいいじゃない!生きていれば誰にだって恋は訪れるわ!平等にね!それより私はその子の何処に惹かれたのか気になるわ!」

 

 

「相変わらず人の話を聞かない団長ですこと。そうですねぇ、強いてあげるとするなら、()()()()()()ですねぇ。」

 

 

「綺麗ってのは服装とか身だしなみとか?」

 

 

「「「・・・・」」」

 

 

「ジョーダンよジョーダン!」

 

 

「こんなアホは置いといて、続けてくれ。」

 

 

「穢れを知らないと言えばよろしいですかねぇ。『悪』を知らないそれこそ雪のような髪のような純白。オラリオ外でさえ『悪』に怯えるこの時代を本当に生きているのか直接聞きたくなるほどですわ。」

 

 

「悪を知らない?前向きに生きているとかそういう事じゃ無くて?」

 

 

「『悪』でも私たちのような『正義』でもありません。まるで世界の上っ面だけを歩いて生きてきたかのような真っ白さ。それこそ、ぶち壊して粉々に(現実を叩きつけて)しまいたくなるほど。」

 

 

「おーこっわ。着いていかなくて助かったわ。」

 

 

「それじゃ、これでお開きにしましょ!明日だってやることはあるんだから!それと輝夜はその子を見かけてもちょっかいかけちゃダメよ!まだ彼が味方なのか敵なのか分からないんだから。」

 

 

「あらあら〜、わたくしは最初から手を出すつもりはありませんでしたよ?」

 

 

「念の為よ念の為!それじゃおやすみ!」

 

 

・・・・

 

 

「我が主神、一つだけ至らぬ点がございます。」

 

 

「どうした?」

 

 

「いくつかの彼の蛮行によって彼の強さはよーく理解出来ました。ですが何故あのような未熟者を?」

 

 

「ほほぅ…あれを見た上でまだ未熟だと呼ぶか。何が気に食わない?」

 

 

「えぇ、えぇ。勿論身体的能力は理解しました。彼らに遅れを取らぬ十分すぎるほどの力でございましょう。ただ・・・」

 

 

ヴィトーはその顔を変えないまま一呼吸おいてまた喋り出す

 

 

「精神論は苦手なのですが、どうも彼と我々は対極・・・いや、ねじ切れた位置にいる。そんな存在に思えます。」

 

 

「つまり、あの少年には荷が重すぎると?」

 

 

「私の瞳でも理解できました。彼は本来我々とは敵対・・・いえ、そもそも関わることのなかった存在です。なぜ彼を迎えたのですか?」

 

 

「んー、人助けってとこだな。」

 

 

「自称『絶対悪』様の我が主神が慈善活動(いいこと)をなさるとは、明日は血の雨でも降るのでしょうかね。」

 

 

「ハハハッ、お前が言うと本当に降りそうだな。後は、そうだな。神として純粋な好奇心(ワクワク)かな。アイツを見た時から今回の戦争に巻き込んでみたくなった。それだけだ。」

 

 

「なぜ神様というのは子供に『酷』な事を強いられるのがこうも大好きなのでしょう?眷属こそ神の保護者なのではと、つくづく考えさせられますねぇ。」

 

 

「そう言ってくれるな。(俺たち)は娯楽に飢えてるんだ。」

 

 

「やれやれ・・・我々はあくまで神々の喉を潤す玩具に過ぎないわけですか。」

 

 

「そういう神もいるってだけの事だ。それこそ『膝枕されな()がらヨシヨ()シされたい()ランキング()堂々の一位()』辺りとかは例外だろうな。」

 

 

「・・・」

 

 

「そうだなぁ、俺よりも神友(ヘルメス)に比べたらまだ優しいと思うぜ?」

 

 

「そういう事にしときましょう。」

 

 

「あぁ、そういう事にしといてくれ。」

 

 

・・・・

 

 

オラリオが哭いている

慟哭は聞こえず、ただ悪意に満ちる民衆を嘆くかのようにこの日は灰色の雲におおわれていた

我こそ民衆の代弁者だと言わんばかりに涙のような大雨が降り続いている

 

 

英雄は堕ちた

 

 

オラリオはこれより闇に包まれる

希望は潰えて絶望が都市全体に渦巻くであろう

 

 

その時、人はどうなる、神は?ダンジョンは?

 

 

絶望に泣き、全てを放り投げ無力だと喚くのか?

それとも僅かな希望にかけ、全てをなげうってでも悪を払うため動くのか?

 

 

彼らが何を選びどう動こうと、得る結果はひとつだけ

 

 

我が問いに応えよオラリオ

 

 

一つだけ大きな課題を与えよう

 

 

その答えにたどり着いた時、またひとつ大きな歴史が動くであろう

 

 

なぁ、歴史の語り部(冒険者たち)よ、その目でしかと見届けよ

 

 

これから始まる『邪悪』を

 

 

冒険者は蹂躙される、より強大な力によって

貴様らが『巨正』をもって混沌を退けようと言うのなら

我らもまた『巨悪』をもって秩序を壊そう

 

 

 

 

 

 

-脆き者よ、汝らの名は『正義』なり

 

 

 

 

 

 

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