光炎憧憬


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作:花見崎
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オラリオ到着


「ここがオラリオ・・・」

 

 

エレボス様に連れられて、僕は舞台となるオラリオの前までやってきていた

ザルドさん達は別用で来るらしく、今は2人だけだった

 

 

「基本的には何しても構わない。この計画はまだ余裕がある。今のうちに土地勘を掴んどけ。問題は起こすなよ?あぁ、後()()には近づくなよ?」

 

 

そう言うと神様は1人走り去っていった

 

 

「いや!土地勘のない人を1人置いてくなよ!?」

 

 

置いてかれまいとエレボス様の後ろを着いていくこととなった

 

 

・・・

 

 

「結局見失っちゃうし・・・」

 

 

オラリオ内に入れたのはいいものの、結局見失ってしまった

神様というのはここまで自由奔放な方なのだろうか

とりあえず、拠点となる場所は聞いたし、散策と行きますか

 

 

「と言ったものの、どこがどこやら。」

 

 

外から見た以上にだだっ広いオラリオは内部は想像以上だった

まず目に入ってくるのは円盤状に作られたオラリオの中心部にそびえ立つ塔だけ

 

 

「一体何階建て何だろう・・・」

 

 

なんて、特に意味もない疑問を抱きながらも宛もなく彷徨くことにした

 

 

話には聞いてたけど『世界の中心』とだけあって、外の世界とは比べ物にならないくらい広いし家がいっぱい!

 

 

「とはいえ・・・どこから回ろうか。」

 

 

宛もなくさまよったところで、いたずらに時間が過ぎるだけだし・・・

人に聞こうにも、まばらで誰も彼もが急ぎ足

とても聞けるような状態ではなかった

 

 

「(目にやきつけよう、この先僕が壊そうとしているこの街の現状を)」

 

 

ドンッ

 

 

「あっ」

 

 

「ご、ごめんなさい!」

 

 

突如後ろから誰かとぶつかってしまった

振り返るとクマのぬいぐるみを持った少女が尻もちを着いていた

 

 

「おっと、ごめんよ。怪我はないかい?」

 

 

「うん!ぶつかってごめんなさい。」

 

 

「大丈夫!ぼっとしてた僕も悪いから。でも急ぎすぎちゃうと転んじゃうから気をつけてね?」

 

 

「はぁーい!」

 

 

勢いよく右手を振り上げ、返事をしたかと思えば、僕の言葉など何処吹く風か後方へ風のように過ぎていく

 

 

「すみませんウチの娘が!」

 

 

「大丈夫です。」

 

 

母親が見つめる先には、赤髪と金髪の女性二人と楽しそうに会話している少女の姿

 

 

「ついこの間襲撃事件があったでしょう?その時彼女たちに助けていただいたんです。」

 

 

「へぇー、それはそれは。」

 

 

数十メートル離れてても聞こえるほどには楽しそうに話している3人

エレボス様の言う『正義』とは彼女達を指しているのだろうか

 

 

楽しそうに笑って話す2人に相反し、真面目な表情はありつつもどこか楽しそうだった

 

 

「それでは、失礼します。」

 

 

母親は僕に一礼すると娘の方へと駆け寄っていく

 

 

この先、僕らはこの日常を壊すことになる

この胸の疼きもいずれは打ち消さなきゃいけない

 

 

それでも、僕は立ち止まってはならない

今更あちら側に着く選択肢は用意していない

 

 

「ちょっとそこの貴方!待ってくれる?」

 

 

目の前の光に背を向け、ぶらり旅でも続けようかと踵を返した時、後ろから声をかけられる

 

 

「そこの貴方よ貴方!黒シャツを来たそこの貴方!」

 

 

うん、やっぱ僕だよね・・・周りに人いないし

 

 

「えーっと・・・何でしょうか?」

 

 

「そう堅くならなくていいわ。いくら貴方が兎のように可愛く見えたからって取って食おうなんて考えてないわ!」

 

 

「・・・」

 

 

凄く、反応に困る

いや、わかるよ?彼女に悪意はないし、全力で和ませようとしてるのはわかる

けど!言葉選びってのがあるよね!?普通初対面の人にウサギみたいに可愛いなんて言う!?普通!

 

 

「アリーゼ、彼が困っています。何より話が進まない。」

 

 

「はっ!私とことが滑るなんて!」

 

 

「アリーゼ・・・」

 

 

一体なんなんだろうこの凸凹コンビは

というよりは彼女の保護者・・・否、ストッパーなのか?

 

 

「そんなことより本題に入るわね!貴方、冒険者希望?」

 

 

「い、いえ違います。」

 

 

「そう、オラリオじゃ見かけない顔だからもしかしたらと思ったんだけどね。」

 

 

「あ、あのー。」

 

 

「何かしら?」

 

 

「どうしてそのような質問を?」

 

 

「今のオラリオを見ればわかるけど、今オラリオはすごく危険な状態よ。暗黒期と呼ばれる時代は昔からあったみたいだけど、その時から都市外から冒険者になりにここにやってくる子達は沢山いるわ。」

 

 

「ですが、今は状況が違う。ギルドとしても冒険者希望を拒むことはしなかった。とはいえどこのファミリアもほとんどが戦場に駆り出される現状を伝えた上でギルドへの案内も兼ねています。」

 

 

「いつ闇派閥(イヴィルス)達に襲われるか分からないもの。私たちが守らなくっちゃ!」

 

 

「ははは、優しいんですね。」

 

 

「ふふん!とーぜんよ!なんたって【アストレア・ファミリア】なのだから!」

 

 

「ははは・・・」

 

 

終始彼女のペースに流されてばかりな気がする・・・

 

 

「ところで、あそこにいるのアーディじゃない?」

 

 

「そうですね、彼女は憲兵です。別段あそこにいても変では無いですが・・・」

 

 

「ちょっとお取り込み中の様ね。」

 

 

アーディ?と呼ばれた彼女は荒っぽそうな男性と話していた

数秒後、彼女からひったくるようにして何かを貰って一目散にかけていった

 

 

「アーディ、今の男はどうされたのですか?」

 

 

「あ、見られちゃった?」

 

 

舌先をチョロっと出してイタズラがバレた子供のような顔をする彼女

 

 

「今の人ね、貧乏な神様からスリを働いちゃったんだ。」

 

 

「え?でも貴方さっきの人返しちゃってたわよね?」

 

 

「うん!私が赦して返しちゃった。あ、勿論お金は取り返したよ。」

 

 

「問題はそこではありません!貴方は都市の憲兵(ガネーシャ・#ファミリア)ではないのですか!」

 

 

分からないなりに話をまとめると、悪い事をした男の人を逃したことを彼女が咎めているって感じなのかな?

てことはアーディって子もまた彼女たちと似たような立場なのかな?

 

 

「確か・・・『飴と鞭』、だっけ?そんな言葉、あったよね?」

 

 

「それがどうしたのですか?」

 

 

他の憲兵(おねえちゃんたち)が『鞭』なら、私くらいは『飴』になってあげたいなってだけ。鞭ばっかりじゃ、みんな疲れちゃうよ。」

 

 

うーん、いいこと言ってるんだと思うけど・・・

というか、僕置いとかれてません!?

 

 

「それは・・・」

 

 

「はいはい!もう過ぎたことはこれっきりにしましょう!これ以上彼をおいてけぼりにするのも可哀想だわ!ちなみに私もアーディの意見に賛成するわ!」

 

 

「アリーゼ!?貴方まで!いえ、そうですね。まずは話をまとめましょう。」

 

 

「そういえば、名前を聞いてなかったわ!私としたことがついうっかりしてたわ。私はアリーゼ・ローヴェルよ!」

 

 

「リュー・リオンと名乗らせてもらっています。」

 

 

「そして私が品行方正で人懐こくてシャクティお姉ちゃんの妹でリオン達と同じLv.3のアーディ・ヴァルマだよ!」

 

 

「誰もそこまで聞いてませんよアーディ・・・」

 

 

「え?そうなの?」

 

 

なんというか、アリーゼさん並というか別方向で癖のある人が出てきた

オラリオに住む人はこうも一癖も二癖も強いひとばかりなのか?

 

 

「自己紹介が遅れました、イアンです。アリーゼさん達とはつい先程そこの道で知り合ったばかりです。」

 

 

「ふーん、そうなんだ。私はてっきりリオンにもついに春が来たんと思って喜んでたんだけどなぁ。」

 

 

「ア、アーディ!」

 

 

「.あはは、冗談は置いといて・・・イアン君だっけ?よろしくね!」

 

 

「は、はい!よろしくお願いします!」

 

 

・・・・

 

 

「どうだった?オラリオ観光は?」

 

 

「色々と思うことはありました。」

 

 

「ははっ、そうだな。あんな美女3人に囲まれるなんて滅多に経験できないもんな。」

 

 

「やはりエレボス様だったんですね、『所持金四四四ヴァリスの可哀想な神様』というのは。」

 

 

「え!?俺そんなこと言われてたの!?」

 

 

「はぁ・・・」

 

 

「んで?やっぱり気持ちは変わらないか?」

 

 

「くどいですよ。何を言われようと、何を見ようと、僕の意見は変わりません。僕はこのままです。」

 

 

「・・・そうか。作戦は前に言った通りだ。特に変更はない。」

 

 

「分かりました。」

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