【英雄の一撃】
大鐘楼の音を象徴とし、沸る炎と迸る雷を放つ必殺技。そこに風の恩恵を上乗せする事で、英雄だけではなし得なかった絶望の討伐を可能とした、物語を締め括る一撃。
それを目にしたのは自身の義母と、アイズと
ダンジョンとは生きる迷宮。モンスターの母とも呼ばれる
だがそれを無視し、英雄の一撃は今も尚ダンジョンの再生を阻んでいる。抉られた壁は炭の様に黒く、断続的に雷が奔る。直っては崩れ落ち、消えていく破片を目にし、ベルは瞳を輝かせた。
「あ、ヤバっ」
アリーゼは呟きを残すと、ベルが纏う外套のフードを即座に被せる。突然の行動にベルは反射的にフードを払おうとするが、それを輝夜が即座に押さえ込む。何かと視線を向ければ、輝夜はクイッと首を動かし周囲に意識を向けさせた。
そこには、下層に入るが故にすれ違う事が極端に減っていた冒険者のパーティーが複数。しかもほぼ全員アマゾネスだ。ダンジョン内にも関わらず装甲の薄い───というかほぼ下着同然の姿に
自然と視線を外し、輝夜に戻した。
「ロキ・ファミリアの連中だ。英雄譚を聴いて来た奴らだろう。やはり此処に蔓延っていたか」
小さな声でベルにそう伝える。
面倒だと言わんばかりに顔を顰めてる輝夜を見て、ベルは「ああ」と納得した。自分はかの英雄と瓜二つである。そしてロキ・ファミリアに数年前から入団し始めたアマゾネスはその英雄にぞっこんだ。伝え聞いた容姿だけで判断がつくとは普通なら思えないが、白髪で紅い眼の少年などそうそうおるまい。
普通に出会うなら───リューからの紹介だったり、アーディからの『英雄オタク仲間』として出会う形ならばまだ良かっただろう。だが今は【英雄の一撃】の偉業を残したこの階層。そんな場所で出会った時の
何せ、派閥問題になりかねない。
「どうしますか、アリーゼ。今の時間帯を考えれば多少先に進んでも別の安全地帯にテントを張る事は出来ます。正直、ここはモンスターの誕生を阻む残滓はありますが、水面や空中にいるモンスターを考えれば先の安全地帯の方が危険度は下です。私としてはそちらを推奨しますが」
面識があるのか、そして顔を合わせれば面倒ごとがあると察しているのか。リューも己のケープに付けられたフードを被り、顔を隠している。
リューの提言に対してアリーゼは数秒唸る。そうこうしてる内に物音に気付いたのか、アマゾネスの視線はアストレア・ファミリアの団員へと向き始めた。その刹那、「よし」と頷いたアリーゼはリューのフードを剥ぎ取りアマゾネス達に指さした。
「リオン、君に決めた!」
「へ、あ、アリーゼ!?」
アマゾネス達の視線はリューに移され、アーディやとあるアマゾネスの双子の妹とよく話している(実際は振り回されてる)エルフだと認識すると、その眼はターゲットを捕捉した様に暗く光る。
静かに歩み寄ってくるアマゾネスを傍目に、アリーゼはリューの耳元で囁いた。
「ね、お願いリオン。ベル君にどーしてもこの残滓をじっくり見せておきたいの。連帯責任は取り消すから、ね? リオン、お願い」
「〜〜〜っ、わ、分かりました、分かりましたから! その妙に甘ったるくした声で囁かないでください!」
くすぐったそうに耳を押さえ、リューは顔を真っ赤に染め上げて動揺する。アリーゼはゆっくりと離れてにっこりと笑った。
トボトボとアマゾネスの方へと向かっていくリューを見て、輝夜はジト目になりつつ呆れた様子で呟いた。
「団長様も大概“たらし”でございますね……。……どうしました、ベル?」
「へ、あ、いや……良い……あ、いやっ、あんな表情は初めて見たのでびっくりしたというかなんと言うか別に脳内永久保存して繰り返して思い出してる訳では無いんですけどこうやってヒューマンとエルフは寄り添えたのかなって思うと感慨深くて───」
「…………」
「耳まであんなに真っ赤になるんだなぁとかちょっと潤んだ瞳だと青みのある眼はあんなに幻想的になるんだなぁとかちょっと興味が湧いただけでこれと言って変態的な思想になったわけじゃなくてそう幻想的な光景に見惚れたって感じで」
「いい加減黙れ」
「ひゃいっ」
思わずフードを押さえていた手で拳骨をかました。悍ましいモノの一端に触れた様に不思議と鳥肌が立った輝夜は腕を摩り、会話が聞こえていなかったアリーゼはその様子を見て不思議そうに問い掛ける。
「どうしたの、輝夜?」
「いや、なに……“理性”は大事だなと思わされただけだ。団長の判断は正しかったよ。アマゾネスの本能を出させなくて正解だった」
「……? 口調戻ってるわよ?」
何を言ってるのかと首を傾げるアリーゼに、知らなくていいと輝夜は首を振る。
アストレア・ファミリアから離れた場所でリューがアマゾネス達に話をしている中、音を遮断しながらアリーゼは会話を進める。
「どう、ベル君? 本物の英雄の残滓を見た気分は」
「……凄いです。一度だけお
「……ちなみにアルフィアがその魔法を撃ったのってどんな時?」
「アイズさんとのガチの戦闘の時ですね」
その時は【
だが仮にエンチャントを解除した状態のジェノス・アンジェラスだとしても、この英雄の一撃には届くまい。黒竜をも倒せる
「まあいっか。でも残滓でそこまで分かるの?」
「はい。まあダンジョンに傷が残るという時点で異質さは分かると思うんですけど……まず根底の質から違います。魔法って
「お……?」
「あー……魔法って、大体詠唱が必要になるじゃないですか? スキルも似た様な感じなんですけど、詠唱の内容やスキルの効果って、その人の本質や想いを反映してる部分が大きいんです。で、特に魔法に関してはマインド……間違いなくその人の“精神”を消費して発動してるので、詠唱文に綴られた意思っていうのが残るんです」
「…………えっと、ベル君はその意思が分かるって事?」
「分かる……のかな。感じ取れるというか、僕の
魔法詠唱文やスキルにその人の想いが反映される事象は幾度となく記録に残っている。神の恩恵───人の可能性を広めた結果、人の想いに可能性を見出しているからだろう。
故に、その“意思”を含んだ精神消費による魔法の残滓は、ベルにとって読み取れる対象となる。とはいえ残滓が残ればの話だ。本来ならば直接発動する場面を見なければその精神を感じ取る事は出来ない。
「……一つ聴きたいんだけど」
「はい?」
「読み取った精神から逆算して、魔法発動の感覚を覚え、一度見た魔法を使える───なんて事を出来たりしない?」
「……? 無理ですよ、流石に。僕が出来るのは記憶の保存であって、保存した記憶の実現再生ではないですから。あくまでも僕は誰もが出来る“参考”をより幅広く、より細かく出来るだけです。スキルの効果にそういう特性があるなら別ですけど、流石にそれは……神様で言う『ちーと』じゃないですか」
「いやうん、ベル君の技吸収力も大概チートなんだけども。えっと、ロキ・ファミリアにそういう魔法が使えるエルフの子がいるのよ。
「なにそのチート」
流石に見た魔法全コピーは無理よねーとアリーゼは安堵した様に笑うが、ベルはドン引きしている。同胞の技なら召喚魔法を通して発動可能? いやまあ普通に考えれば、刻まれた魔法以外の詠唱や特性を覚えるのは相当に苦労する事だ。とは言え覚えれば、連結詠唱という手間が掛かるとはいえ発動可能というぶっ壊れスキル。
まだ見ぬエルフの魔導士を想像し、ベルは絶句していた。
「あ、話逸らしちゃってごめんね。それで、この残滓がアルフィアの魔法と根底から違うっていうのは?」
「えっと……第一に、精神の種類が多い事。炎と雷は同じ質ですけど、そこに風が混じってる。で、その風もまた異質で……アイズさんの風だと思うんですけど、これが二種類の“風”なんです。それを包み込む……いや、存在の位を跳ね上げさせる、強い願望。魔法であって同時に斬撃でもある。技の在り方の次元がまるで違うんです」
魔法とは本来、一人の背に刻まれた恩恵に発現した一人の“想い”の結晶だ。仮に二人以上が魔法を同じ属性で、同じタイミング、同じ角度で放ったとしても、別々の魔法としてカウントされるのが当たり前。
だがこの一撃は、幾つかの魔法。意思が、一つになって束ねられている。全く別の意思を持ち、二人以上の意思がありながらも、それを一際強い願望が纏め上げているのだ。
単純な魔法では無い。明らかに異質であり、本来ならば放つ事など許されない、聖火の如く燃え続ける美しき炎。
それを間近で認識したベルは、思わず魅入ってしまう。仕方あるまい。下層以降にはしょっちゅう来れるアストレア・ファミリアならば兎も角、この残滓を見たいが為にオラリオに訪れる者もいるくらいだ。アストレア・ファミリアの遠征で何度か来てるアルテミス・ファミリアの団員さえも、未だにその一撃を見て感嘆してしまう。
胡座をかいて見続けるベル。残滓に触れようとするなら引き止めるつもりだったが、この様子なら見る以上の事をするつもりはないだろう。アリーゼはベルから聴いた音の遮断領域を思い出しつつ、テントをどう張ろうかと頭で展開する。
壁付近はモンスターの生まれもなく、既に湧いているモンスターもその残滓を恐れて近付かない。仮に寝てても、だ。壁に傷がある近くの場所ならば間違いなく安全地帯と化したこの場所で、アマゾネスと少し距離を離した場所がベストな位置。何せ英雄なんだかんだの話はさて置き、アマゾネスという特性上、“男”の存在があるならば夜這いを仕掛けかねない。これが
まあ取り敢えずテントさえ張って中にさえ入れれば、リューが気を引いている以上特に大変な事でもない。特にアストレア・ファミリアは女性中心だ。ギルドで騒ぎになっていたとはいえ、英雄ではなくベルについての事情が詳しくない彼女達にとって、アストレア・ファミリアの新米冒険者はただの新米でしかない。ギルドにはアルフィアが事前に伝えていた事もあって情報の統制は引かれてるし、まさかいきなりこの遠征に着いてくるとは考えていまい。フィンもその辺りは上手く気を回して特に何も言っていないだろう。
“男”への意識は出来るだけヴィトーとゴブニュ・ファミリアの眷属に向けるように、男性組のテントの設置は彼らに任せよう。中層での行動は殆どベルが中心となっていたので、彼を休ませる大義名分はある。
では早速────。
「──────……ッ!」
アリーゼはヴィトーへと向けようとした顔を弾かれたようにベルの方へと戻す。迸る雷鳴がベルを貫いた音がした。何かあったのなら最早手遅れ。だが、勘は警鐘を鳴らさない。
冷や汗を垂らしてベルを見つめるアリーゼに不信に思ったのか、輝夜が彼女へと話しかけた。
「どうかしましたか、団長様?」
「……ねぇ輝夜、一瞬だけ大きな雷が迸るような音しなかった?」
「……? いえ、壁に刻まれた雷が断続的に弾かれてはいますが、一際大きく鳴るというのはありませんでした。ライラ、貴方は聴きましたか?」
「いや、別に何も。つかアタシよかネーゼに聞けよ。獣人の方が耳は良いだろ」
「や、私も何も聴こえなかったよ。まあ時々雷の音が大きくなるっていうのはあるけど、団長が反応する程の音はなかったなぁ」
不思議そうに向けられる視線。アリーゼは己の“勘”が捉えた何かだと判断。身体を伸ばすついでに自然と汗を拭い、いつも通りに笑いながら言葉を放つ。
「あっはは、雷の断続的な音が私の閃きと重なっちゃったかな☆」
「どーせ下らない閃きだろ。取り敢えずテント立てようぜ?」
「うんうん、それもそうね。ヴィトー、ベル君達男性側のテントは任せても良い?」
「ええ、無論ですとも。距離はどの程度で?」
「周囲の警戒にベル君の『増幅』を付与して、全体が即座に動けるようにしておきたいから、特に離さなくても大丈夫!」
分かりましたと頷くヴィトーを見て、アリーゼは次いでベルに視線を移す。
「ベル君、取り敢えずテントの設置はやっておくから、貴方は満足するまで見てていいわよ!」
「え、流石に僕も手伝いますよ?」
「いいのいいの! 中層までは殆ど貴方に任せてたし、休憩の意味合いも兼ねてるから!」
確認事項だと自然にベルへ言葉を掛け、彼に特に変化がない事を確認する。自分の気のせいならばそれで良いと、アリーゼはホッと一息ついた。
そんな様子のアリーゼを見て、輝夜は目を細める。
(……団長の“勘”は、【
そのアリーゼが見せる動揺。イレギュラーが起きた……と、断言は出来ないが、普通と違った何かを感じたのは間違いないだろう。
ベルに向けた視線は彼の変化を感じたか。しかし当の本人は変わった様子もなく、今もまだ残滓に見惚れている。
輝夜は溜め息一つ。
「アリーゼ」
「へ? 珍しいなぁ、輝夜が名前呼びなんて。普段は口調が戻っても様が付かなくなるだけ───」
「お前が気を使うように、私達も気を使う。だから話せとは言わん。共有しろとも思わない。なんであれ、お前が特別な存在でもない下界の子供、アリーゼ・ローヴェルだという事は私達が思っててやる」
「……急にどしたの?」
「なに、ただのお節介だ。余計なお世話とでも思えば良い」
ふと笑みを溢して手を振り、テントの準備だと言わんばかりにアルテミス・ファミリアのサポーターの下へと向かう。
アリーゼはパチパチと目を開いては閉じるを繰り返し、汗を一つ垂らしながら苦笑い一つ。視線をライラ達に向けて見れば、先程の発言からは想像できない程にアリーゼを気に掛けている。
「余計なお世話……余計なお世話かぁ」
アリーゼは一言、先程の輝夜の言葉を復唱すると、ベルの隣に座り込む。
「ねぇ、ベル君。さっきまでの道中で一回私の魔法を見せたと思うんだけど」
「あ、はい」
「その時に読み取った“想い”って何だった?」
「……えっと」
「遠慮はなしで」
「わ、わかりました。ええっと……寂しがり屋、ですかね」
「うんうん」
頷き続きを促す。
「で、自分の在り方に誰よりも疑問を抱いてもいる。強くて勘が良いから、他人との差異を明確に感じていて……だから先ずは気を使う。アリーゼさんの段階強化は何というか、相手に合わせる為というより、
「ふむふむ」
「自分の為に相手に気を使う。寂しがり屋だから、離れさせたくないが為に、近く見えてその実相手との距離を適切に図ってる」
「魔法見せてから心なしか距離が近かったのは、それを読み取ったから?」
「えっと……あはは。よ、余計なお世話でしたかね……?」
───生まれて、少し育って、他人との差異を感じるようになった。自身の内の正義と、他者よりも強い肉体。それを受け入れてくれなかった故郷と、それを受け入れてくれたアストレア。
そんな過去があったから、アリーゼは
かつての英雄を“兎”と呼び続けたのは理由があった。故郷の時の己と重ね合わせ、どうせお前は一人で成し遂げる事はできない。例え特別な存在であっても、願望に支配されて一人悲しく死んでいくのだぞ、と。そんな無意識な醜い感情があった。
でも英雄は普通の少年だった。簡単に他人へと踏み込む。簡単に他人を求める。簡単に他者に受け入れさせる。そして、全てを救って見せたのだ。
「───ううん、嬉しい。ありがと」
はにかむような薄らとした笑顔で、微かに頬を赤くしながらお礼を告げる。団長を気に掛けていた団員達はその様子にギョッと目を剥いた。アリーゼの笑顔は数多く見てきた。にへらと態度を崩すような笑顔だったり、彼女を象徴する様な満面の笑顔だったり。
でもあんなのは見たことがない。正義を率いてきた団長が、あんな───
「ね、
「……? ぼ、僕の事ですか?」
「兎くん」
「…………は、はい」
「私、貴方に嫉妬してたんだ。正義なんて吹けば崩れ去る時代の中で、リオンの在り方を強くして、輝夜に理想を求めさせた貴方に」
リューはアマゾネスの相手をしている。輝夜は気を利かせて声の届かない位置に移動した。ならば、今思う本心をぶちまけても構うまい。
「そして二人にも嫉妬してる。だって諦めたじゃん。描く理想のままじゃ無理だって思い知ったじゃん。でも思い出して、英雄に惹かれてさ」
「……」
「あーいいなぁ! 私も変えてくれないかなぁ! 全面的に
「───戻れてるじゃないですか、今」
「……ふふ、そうかな? どういう所が?」
「感じるままに、
「あはは、そっか。
訳が分からない会話だ。聴いてるだけでは到底理解し得ない二人の会話。アリーゼとの付き合いが長いアストレア・ファミリアの団員でさえ困惑するほか無い。輝夜ならば分かるだろうか。リューならば分かるのだろうか。だが二人は此方に視線を移さない。
頭の回転で言えばファミリア内でも随一と言っていいライラでさえ困惑している様子だ。
「うん、ありがとう。
「……? どういたしまして?」
何なら会話をしていた
───
「……よし! 折角だからアマゾネス達も巻きこんで英雄譚でも語りましょうか!」
「んぁ……良いのか? コイツの件で一悶着起こる可能性があるぜ?」
「ダイジョブ! 私や輝夜が居れば抑えられるだろうし、別人だって分かれば本能のままなんて事はないでしょ? 強き者を求めるアマゾネスからしたらベル君って弱そうだし」
「え」
「それに、ベル君もアマゾネス達とは語ってみたかったんでしょ? ならこの機会に見聞を広めておきましょうか!」
先程までの儚げな声音と雰囲気は消え、いつも通りのアリーゼに戻る。否、少し違うだろう。いつも以上に遠慮なく言葉を投げかけている。
「それに万が一
「あ、おいバカその発言は────」
「ん、どうかした?」
「…………マジか」
ポツリと呟いた発言を聞き逃さなかったライラは思わずアリーゼに寄って口元を抑えようとするが、身長差で届かない。明らかにベルを軽視したような発言だ。某二人の最強セコムが黙ってない。……筈なのだが、あっけらんとした様子でライラの行動に疑問を浮かべるアリーゼを見て思わず絶句する。
あ、やべぇ。コイツ言葉の軽さに反してガチだ、と。
リューと輝夜はベルに英雄の面影を重ねつつも、決して同一人物として扱う事はない。彼女達の英雄への好意とベルへの好意はまた別物だ。
が、アリーゼはベルに対して英雄を重ねる事もなく、ただ純粋にベルを……。
「あ、ベル君! 忘れてたけど、コレ渡しとかないとね!」
「へ、あ、【
「ふふーん、私が要望してシンプルな柄から色々加えてもらったのよね! ここの
「……」
いやこれマジだ。本来なら渡そうとする筈もなかった武器を渡してるぞコイツ、と。ライラは
キラキラと輝く眼で渡された武器を見つめるベル。その彼の腰に帯刀された【
「胃が痛い。助けてくれアストレア様」
無理、と。笑顔で告げる己の主神の幻影を想像して、ライラは乾いた笑いを溢していた。