ビッグモーター新卒社員、“電話1本”で解雇通告され自死 「死刑死刑死刑」LINE送信の元副社長らに「8800万円」損害賠償請求
労災不支給、行政訴訟も係争中
Aさんは解雇通告後、気分障害を発症。スマホを壊して米びつに入れる、洗濯物をベランダに放置する、退職届を破り捨てる、パソコンを破壊するなどの衝動行動が確認されている。 労働基準監督署の労災認定手続きでも、Aさんが精神障害を発病し、自死に至ったことは認定されたが、「具体的出来事」の心理的負荷の強度が「中」と評価され、労災不支給となった。 遺族は今年2月28日、不支給処分の取り消しを求める行政訴訟を提起。現在も係属中だ。
新証拠で「退職強要」から「解雇」へ
今回の損害賠償請求訴訟の提起にあたり、重要な新証拠が浮上した。上述した行政訴訟の過程で、裁判所を通じて会社側に文書提出を求めたところ、人事部からAさんへの伝達事項を記した文書が提出された。 代理人の指宿昭一弁護士は「会社側が書いているので、全面的に信用できるわけではない」と前置きしつつ、次のように述べた。 「われわれは当初、退職勧奨ではなく退職強要が行われていたと考えていた。しかし、この文書の内容からは、実は不合理な解雇であったというのが読み取れる。 不合理な解雇の通告は、過労死認定基準では心理的負荷『強』と判断されるもので、この証拠があれば行政訴訟でも、勝訴を勝ち取れるのではないか」 訴状でも以下の理由から客観的合理性・社会的相当性を欠く違法解雇であり(労働契約法16条)、不法行為に該当すると指摘。 ・会社が組織として入社時に免許証の確認を行っていなかった ・Aさんは店長に早期に報告し、店長も退職が必須とは認識していなかった ・入社後1か月間で真面目に勤務し、同期の2倍の営業成績を上げていた ・免許取得がコロナによる教習所休校のため進められなかった ・Aさんは3か月の試用期間中だった ・会社は弁明を聞くことも面談することもなく、いきなり解雇を通告した また、代理人の安藤輔弁護士は「入社後は、会社としても人事部が、免許取得ができていない状況の中、引っ越して就労することを前提とした動きをしていた。そんな中で急転直下、5月8日に一方的に解雇の意思を告げられた。入社間もない新入社員に対する心理的負荷は非常に大きかったと考えられる」と補足した。