7月の参院選で、パチンコ店運営会社「デルパラ」グループの従業員に対し、比例代表に出馬した自民党の阿部恭久氏(66)に投票すれば報酬を支払うと約束したとして、公選法違反(買収約束)の罪に問われた同社幹部3人の初公判が東京地裁であり、3被告はいずれも起訴内容を認めた。
◆初公判で検察側「ウェブ会議で、残業代名目で支払うと」
阿部氏はパチンコ業界が組織内候補として擁立し、落選した。起訴されたのは社長の李昌範(51)、営業本部長の湯浅一行(46)、管理本部長の小西悌之(45)の3被告。起訴状によると、7月、グループ各店舗の店長らと共謀し、従業員計203人に、阿部氏に投票すれば3~4000円を支払うと約束したとされる。
検察側は冒頭陳述で、3被告は共謀し、全国の店長とのウェブ会議の際、従業員が阿部氏の名前を書いた投票用紙をスマートフォンで撮影して画像を本部に送れば、残業代名目で報酬を支払うと説明したと指摘した。
◆「阿部氏に投票して写真を送信した人もいた」
デルパラのアルバイト男性(20)は東京新聞の取材に「店長から、投票用紙に『阿部恭久』と書いて写真をLINE(ライン)で送れば3000円をバイトの残業代として支払うと説明があった」と証言。「選挙に行く気がないのでスルーしたが、選挙が近づくと店長から再度呼びかけられた。バイト仲間は『楽な仕事だ』と、阿部氏に投票して写真を送信した人もいた」と明かした。
この事件では警視庁などが同社幹部や従業員ら計236人を摘発し、平成以降の国政選挙で最大の買収事件となった。(昆野夏子)
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