「社労士試験は難しすぎる…」

そうした評判に触れ、受験をためらったり、不安を抱いたりする方も少なくありません。

社会保険労務士(社労士)は、その専門性と広範な知識が求められることから、難関国家資格として広く認識されています。しかし、その「難しさ」の実態を正確に理解し、適切な対策を講じることで、合格への道を開くことは可能です。

この記事では、社労士試験が「難しすぎる」と言われる具体的な理由を、合格率や勉強時間、他資格との比較から深く掘り下げます。さらに、合格者のリアルな体験談を紹介し、この難関を克服するための効果的な勉強ポイントについても解説します。

社労士試験の真実を知り、合格に向けた具体的なヒントを見つけていきましょう。

社労士試験は難しすぎるって本当?

結論からいうと、社労士試験は難しすぎるという評判は本当です。

合格率や勉強時間、他資格との比較から、社労士試験の難しさをチェックしましょう。

合格率から見て難しすぎる?

社労士試験の合格率は例年5〜7%程度で推移しており、国家資格の中でも非常に低い水準にあります。

年度受験者数合格者数合格率
2025年度43,4212,3765.5%
2024年度43,1742,9746.9%
2023年度42,7412,7206.4%
2022年度40,6332,1345.3%
2021年度37,3062,9377.9%

上記のとおり、過去の推移を見ても合格率は一桁台で安定していることが多く、常に高い難易度を維持していることがわかります。

勉強時間から見て難しすぎる?

社労士試験に合格するために必要な勉強時間は、800~1,000時間程度が目安とされています。毎日2〜3時間継続して勉強したとしても、約1年から1年半の期間を要する計算です。

長期間の学習が求められる理由は、労働・社会保険諸法令という広範な試験範囲に加え、各科目の専門性が高く、さらに毎年の法改正にも対応する必要があるためです。

法律知識や実務経験がない初学者であれば、これ以上の時間が必要になる可能性もあるでしょう。

他資格と比べて難しすぎる?

社労士試験の難易度を他資格と比較することで、その位置付けがより明確になります。合格率と勉強時間の両面から比較すると、社労士試験は他の主要な国家資格と並ぶ難関資格です。

以下の表は、主要な国家資格と社労士試験の合格率と勉強時間の目安を比較したものになります。

資格名合格率の目安勉強時間の目安
司法書士約3.5%約3,000時間
中小企業診断士約4%約1,000時間
社労士約5~7%約800〜1,000時間
行政書士約11%約800〜1,000時間
宅建約15〜17%約300時間
司法試験約30%約3,000〜8,000時間

この表からもわかる通り、社労士試験は合格率では司法書士や中小企業診断士に次ぐ低さであり、勉強時間では中小企業診断士や行政書士と肩を並べるレベルです。

客観的に見て、社労士試験の難易度が高いことは疑いようがありません。

社労士試験が「難しすぎ」と言われる5つの理由

社労士試験が多くの受験生にとって困難であると感じられるのには、いくつかの具体的な理由があります。

試験範囲が広く暗記量が多い

社労士試験が難しい理由の一つに、試験範囲の広大さが挙げられます。

労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法など、多岐にわたる法律や制度の知識が求められます。

これらの法律は条文数が非常に多く、細かな規定や例外規定も膨大に存在するため、暗記すべき量が途方もなく多いです。覚えるだけでなく、背景にある制度の趣旨や目的まで理解する必要があります。

加えて、これらの法律は頻繁に改正されるため、常に最新の情報を把握し続けなくてはなりません。

複雑な知識が求められる

社労士試験の学習内容は、単なる法律の条文の暗記に留まりません。

その解釈や実際の運用に関する知識も不可欠です。

法律には抽象的な規定も多く、具体的な事例に適用する際には高度な判断能力が求められることがあります。

さらに、各法律や制度が相互に関連し合っているため、個々の条文だけでなく、全体像を把握しながら複合的な知識を使いこなせるレベルに到達しなければなりません。

法律を初めて学ぶ人にとっては、これらの概念が特に難解に感じられる傾向にあります。

出題数に対し試験時間が短い

社労士試験は、選択式と択一式の2つの出題形式で構成されており、それぞれ午前と午後に分かれて行われます。

特に択一式試験では、多数の問題に対して限られた時間内で正確に解答する必要があり、高度な読解力、思考力、そして記述力が求められます。

具体的な試験時間は以下のとおりです。

  • 選択式: 80分 (10:30〜11:50)
  • 択一式: 210分 (13:20〜16:50)

試験の難易度が高いだけでなく、時間的な制約が大きいことも、受験生にとって大きなプレッシャーとなるでしょう。迅速かつ正確な解答が求められるため、時間配分を意識した対策が不可欠です。

足切り点があり苦手科目を作れない

社労士試験には、各科目ごとに足切り点(合格基準点)が設けられています。これは、たとえ総合得点が合格基準に達していても、特定の科目でこの最低基準を下回ると不合格となる制度です。

令和7年度の合格基準は以下の通りでした。

  • 選択式: 45点中22点以上(労働者災害補償保険法・労働に関する一般常識・社会保険に関する一般常識は2点以上、その他は3点以上)
  • 択一式: 75点中42点以上(雇用保険法は3点以上、その他は4点以上)

この制度のため、受験生は得意科目を伸ばすだけでなく、苦手科目を作らずすべての科目をバランスよく高いレベルで習得することが求められます。

特定の科目が極端に弱いと、全体の努力が無駄になってしまう可能性があるため、幅広い知識を均等に学習する戦略を立てなくてはなりません。

不合格時に科目合格制度がない

社労士試験には、一度合格した科目が次回の試験で免除されるような科目合格制度がありません。

もし試験に不合格となった場合、次回受験する際にはすべての科目を改めて受験する必要があります。

そのため受験生は毎年、全ての科目に対して満遍なく学習を継続し、高いモチベーションを維持しながら試験に取り組まなければなりません。

長期的な学習計画を立て、途中で諦めることなく努力を続ける強い意志が求められます。

難しすぎ!合格者が苦労したリアルな体験談

アガルートの受講生にも、社労士試験の合格までに苦労した方はたくさんいます。

リアルな体験談をまとめたので、受験を検討している方の参考になれば幸いです。

合格体験記・学習上の工夫

私はこれまでに合計6回受験していますが、教科書の細部まで覚えようとしたことで基本を疎かにしてしまったことがあります。

今回の受験では、過去の失敗を活かし「絶対に受かる!」と気負いすぎないようにしました。

引用:合格者の声|結果が出ず苦しんだ時期も……最後まで諦めず勉強を続けて本当に良かった 富山 直樹さん

合格体験記・学習上の工夫

私は今年で2回目の受験であり、昨年度は他の予備校を受講していたのですが、1回目の受験の際は、3月くらいまで仕事との両立がうまくいかず、結局4月以降になってから詰め込みで勉強するようになってしまいました。結果としては社一の選択式が足切りとなったのですが、他の科目もよくできたわけではなく、全体を通してぎりぎりのラインであったため、一から学習しなおす意味で予備校も変えたいと考え、アガルートの総合講座をはじめから視聴することとしました。

引用:合格者の声|周辺知識まで的確な説明があり、このテキストさえ網羅すれば合格できる 磯 直斗さん

アガルートアカデミーの講座を受講しようと思ったきっかけ

社労士試験を志してから、独学で勉強を開始したものの内容が理解できず、だらだらと2年が経過しておりました。

前年に他社の社労士講座を受講し初めて、試験に申込みをしましたが、まともに1周することもできず記念受験となってしまい散々な結果に…。

来年も無理だったら諦めようと決意し、基礎から学びなおすため、講義時間が長くテキストも分厚いアガルートが最適だと考え、受講をさせていただきました。

引用:合格者の声|様々な壁に突き当たり何度も諦めかけたが学習を継続し合格! 奈良 勇佑さん

社労士試験「難しすぎ」を克服するための勉強ポイント

社労士試験は難関ですが、適切な勉強方法と戦略を立てることで、合格は十分に目指せます。

苦手分野を特定し、徹底的に克服する

足切り制度がある社労士試験では、苦手分野をなくすことが非常に重要です。

模試や過去問を繰り返し解く中で、自身の弱点を正確に把握しましょう。苦手科目や苦手な単元を特定し、集中的に学習して克服することが、難関試験を突破するための鍵となります。

得意科目をさらに伸ばすよりも、苦手な部分を平均点レベルに引き上げることが、合格への近道となることが多いです。

基礎から応用へ、科目のつながりを意識する

社労士試験の広範な科目群を効果的に学習するためには、基礎科目から順に取り組むことが不可欠です。

まず「労働基準法」のように労働法全体の土台となる法律から学習を始め、その趣旨を理解することで、労働安全衛生法や労災保険法、雇用保険法といった関連科目の理解がスムーズに進みます。

労働科目を習得した後は、社会保険科目へと進みましょう。社会保険関係の法律も相互に関連しているため、適切な順序で学ぶことが効果的です。

たとえば、「健康保険法」を基礎として学び、その後「厚生年金保険法」や「国民年金法」を学習すると、年金制度の体系的な理解が深まります。

このように、関連する科目のつながりを意識しながら、基礎から応用へと段階的に学習を進めることが、効率的に合格へ近づくことが可能です。

過去問で出題傾向と時間配分を習得する

過去問は、社労士試験の出題傾向や難易度を知る上で極めて重要な教材です。

過去問を繰り返し解くことで、試験の形式に慣れるだけでなく、自身の弱点を明確に把握することができます。

過去問に取り組む際は、単に答えを覚えるだけでなく、なぜその答えになるのか、その根拠を理解することを重視してください。

また、本番の試験で時間切れになることを防ぐため、時間配分を意識しながら解く練習を積むことも重要です。

実際の試験時間を計りながら過去問を解くことで、本番での解答スピードと正確性を向上させることが期待できます。

過去問を徹底的に分析し、弱点を克服する作業を繰り返すことで、合格に大きく近づくことができるでしょう。

独学で社労士試験に合格するのは「無理ゲー」か?

社労士試験は、独学でも合格が不可能ではありませんが、その道のりは非常に厳しいのが実情です。

独学で合格するのは現実的に難しい

社労士試験は独学で合格することも可能ではありますが、その難易度は極めて高いといえます。

広大な試験範囲をカバーし、頻繁な法改正に対応していくためには、計画的な学習を行う自己管理能力が不可欠です。

また、疑問点をすぐに解消できる環境がないため、高度な自己解決能力も求められます。

社労士試験の受験者の多くは、社労士としての実務経験者か大学卒業者で、ある程度の基礎知識があると言われています。

法律知識が全くない状態から独学で社労士試験の合格を目指すのは、非常に高いハードルを伴うでしょう。

独学の場合、学習のモチベーションを維持し続けることも容易ではなく、途中で挫折してしまう可能性も少なくありません。

本気で合格を目指すなら通信講座がおすすめ

本気で社労士試験の合格を目指すのであれば、通信講座を利用するのがおすすめです。

学習費用はかかりますが、社労士として働くことができれば、その投資を十分に回収できる可能性を秘めています。

通信講座や予備校を活用するメリットは多岐にわたります。

  • 専門家による効率的なカリキュラム
    経験豊富な講師陣が、試験のポイントや効率的な学習方法を教えてくれる
  • 質の高い教材
    専門家が試験傾向を分析して作成した、理解しやすい教材が提供される
  • 充実したサポート体制
    疑問点をすぐに質問できる環境や、定期的なカウンセリング、勉強会などがある
  • 情報収集のサポート
    最新の法改正情報など、独学では難しい情報収集もサポートしてくれる

アガルートでは無料体験を実施しているため、興味のある方はチェックしてみてください。

まとめ

社会保険労務士(社労士)試験は、合格率が例年5%〜7%程度と低く、合格に必要な勉強時間も800〜1,000時間程度が目安とされる、客観的に見て難易度の高い国家資格です。

そのため、「難しすぎる」と感じてしまうのも無理はありません。

しかし、社労士試験は決して「誰にも突破できない壁」ではなく、正しい方向性で、必要な努力を継続すれば、誰にでも合格のチャンスがある試験です。

広大な試験範囲を効率的に学習し、頻繁な法改正にも対応しながら合格を目指すには、やはり学習戦略が重要。独学に限界を感じたり、より確実に合格したい方は通信講座の利用を検討してみてください。

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