格安葬儀プラン12万円のはずが…請求は136万円、トラブル急増中

本田靖明
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 ネット広告などで格安の葬儀プランをうたう葬儀業者を選んだはずなのに、実際には高額な見積もりや請求をされるトラブルが多発している。

 一昨年に妻を亡くした関東在住の50代男性は、葬儀業者に同意のない「エンバーミング」を施され、高額料金を請求されたと訴える。

 エンバーミングには遺族の署名による同意が必要だが、業者は無断で男性の名前を代筆してエンバーミングを施していたという。請求された葬儀料金は約176万円で、エンバーミングに22万円かかっていた。男性は慰謝料などの支払いを求め、業者を提訴している。

 北関東のある葬儀業者の社員によると、別の葬儀業者に亡き妻の密葬を依頼した70代男性は、ウェブ広告から7.5万~12.5万円ほどで済むと考えていたが、実際に葬儀後に請求された料金は136万円だったという。

 男性が業者に「お金がない」と伝えると、消費者金融に連れていかれたが、高齢で、収入が年金のみだったため審査を通らなかった。すると業者の事務所に連れていかれ、親戚や知人から100万円を借りられるまで電話をかけるよう命じられた。

 国民生活センターによると、「葬儀サービス」をめぐるトラブル相談は2024年度に978件あり、統計が残る10年度以降で過去最多になった。

 葬儀コンサルタントの松瀬教一さんによると、大半の業者は料金を安く見せて受注につなげようと、見積もりの段階では料金を過少記載することが多い。見積もりを受け取ったら、「これ以外に追加で支払うものはないですね」と必ず念を押したほうがいいという。

 料金を上乗せされやすい項目として「祭壇やひつぎ、骨つぼのグレードアップ」「エンバーミングの追加」などを挙げる。「できれば業者に事前相談し、料金や内容を決めておいた方がいい」と松瀬さんはアドバイスする。

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この記事を書いた人
本田靖明
デジタル企画報道部
専門・関心分野
50~60代の中高年世代の働き方や生き方