第1回「一日葬」請求額220万円 28万円のはずが…遺族「許せない」
本田靖明
「だまされたとしか思えないんです。許したくない」
南関東の女性(74)は母を亡くして1年2カ月余がたった今も、葬儀業者への怒りが収まらないでいる。
昨年8月、94歳の母を自宅でみとり、業者に連絡した。希望は、通夜がなく告別式と火葬を行う「一日葬」のプラン。業者のチラシには「会員価格 28万円」と掲載されていた。参列者が親族10人ほどと少ない母の葬儀に適していると思った。
業者の手配で6日後に市営の火葬場が予約され、遺体が運び込まれた斎場で打ち合わせをしたが、担当者が示した葬儀プラン一覧を見て、目を疑った。28万円のプランは存在せず、最安値で78万円だったからだ。
コロナ禍を経て一変した「令和のお葬式」のリアルに迫る連載です。初回は、広告価格とかけはなれた高額な料金を請求される「ぼったくり」被害のケースから、葬儀料金のトラブルが後を絶たない背景を考えます。11月16日配信予定の次回は、葬儀業界の内実に迫ります
最安値のプランを希望すると…