第5回日本語指導必要な児童生徒、約10年で2倍に 足りない教員と補助者
外国にルーツのある子や日本語指導が必要な子たちが、増え続けている。散在化する傾向も見えてきた。
文部科学省の調査では、公立の小中高校や特別支援学校に在籍する外国人児童生徒は2024年5月時点で13万8714人。10年間で約1.8倍に増えた。
同じく公立学校に在籍する日本語指導が必要な児童生徒も、23年5月時点で6万9123人で約10年で1.9倍になった。うち外国籍が5万7718人で約2倍に、日本国籍も1万1405人で1.4倍と急増している。
100人以上在籍する公立小中学校は全都道府県で13校。1人在籍が3510校と最も多く、散在化の傾向が見られる。
母語もポルトガル語、中国語、フィリピン語、ベトナム語、スペイン語と、多様化。障がいの有無の判断も難しく、障がい傾向がなくても特別支援学級の在籍になった例などが問題視されている。
進学にも影響する。日本語指導が必要な高校生の中退率は8.5%で、高校生全体の約8倍(23年度調査)。大学、短大、専門学校などへの進学率は46.6%で、高校生全体(75.0%)よりかなり少なく、就職は38.6%が非正規雇用だ。
14年の学校教育法施行規則の改正により、小中学校で日本語指導のための「特別の教育課程」が設けられ、取り出し指導ができる形となった。23年度からは、高校でも特別の教育課程を新設。2030年度にも始まる次期学習指導要領では、拡充が検討されている。
23年6月に閣議決定された教育振興基本計画では、外国につながる子どもの持つ多様性を「長所・強み」として生かす視点や、共生社会の実現に向け、周囲の大人や子どもたちも変わることが盛り込まれた。
足りない「教える人」「支える人」
今春から改めて始まった「外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議」では、次期指導要領と多様な専門性を持つ教職員の議論が進んでいることを受け、指導内容、体制、指導力向上などが検討されている。来春には方針がまとまる予定だ。
課題は教える人材の確保だ。日本語指導教員は、児童生徒18人に1人の配置基準だが、現場からは足りないという声が上がる。
日本語指導の支援をする日本語指導補助者は23年度は7837人、子どもや保護者とのやりとりなどをする母語支援員は6266人。だが、日本語指導が必要な児童生徒が在籍する全校に配置はできていない。
同省国際教育課の担当者は「スクールカウンセラーのように、日本語指導の補助者も学校教育を支援する職員として位置づけて配置することが大切だとは思う」とする。ただ予算確保が難しい。
デジタル活用も推進するため、文科省は、26年度予算の概算要求に、日本語指導などにおける生成AIも含めたデジタル活用の指針を策定する費用を盛り込んだ。