ハッピーエンドを目指して   作:上条@そぉい!

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戦闘描写が難しい


I'm absolutely crazy about it!

──零号ホロウがおかしい

 

 ホロウをひた走る星見雅の脳裏にあったのは、その一言だ。今こうしてホロウにいるのも、市長を通じて貰った特別な通信回線で緊急事態の時のみ使われる通信機。それに連絡が入ったからだ。一も二もなく即行動に踏み切った星見雅は、同僚達よりも一足早く移動していた。

 

「なるほど」

 

 零号ホロウには幾度なく足を運んだ。幾度なく敵を斬り、調査してきた。その経験が告げている。これはいつもの零号ホロウではない。肌に触れる空気にはいつもと違う雰囲気が漂っている。建物とも呼べない残骸を足場に走り抜けて行く。その視線の先にあるのは、空中をふわふわと漂うエーテリアス。ニネヴェと呼ばれる零号ホロウの主。未だ討伐する目処が立たない怪物。倒せないとは言わない。しかし、零号ホロウは災害という面だけでなく、恩恵も確かに存在している。ニネヴェを倒した時、零号ホロウにどんな影響があるのか分からない以上、今倒せるわけでは無いのだ。

 

「ならば私のやる事は一つ」

 

 このニネヴェの動きを止める事。ニネヴェが何をしようとしているのかは分からないが、いつもと違う行動をされて何が起こるか分かったものでは無い。阻止するべきだ。既に向こうはこちらを捕捉している。ニネヴェの眷属とも言える虫のようなエーテリアス達が群れを成してこちらに迫っている。壁に足をつけ、膝を曲げてバネのように跳ぶ。

 

「フッ──!」

 

 一陣の寒風がすり抜けていく。地面へ着地した雅の刀は既に鞘に収めた後だ。そんな雅の身動きを止めようと考えたのか、ニネヴェは地面からウネウネと動く触手の群れをあちこちに生やし、一斉にこちらに叩きつけようとしてくる。再び跳んでそれらを避ける。空を飛ぶニネヴェの周りは特殊な力場でも発生しているのか、瓦礫がニネヴェの周りに浮かんでいる。それを足場にニネヴェを自分の射程圏内へ収める。

 

「この一刀にて片付けよう」

 

 刀が燃える。冷たく青く蒼く碧く。その火は次第に全身へ。しかし本人には何の影響もない。それは悪を誅する炎。霜のように静かでありながら烈火の如く燃える炎だ。目を閉じ精神統一する雅が目を開いた時、全てが鈍く見えた。

 

──悪、直、斬

 

 凄まじい轟音を伴った衝突。刀を握った手が痺れる。斬ったと思った一撃は弾かれた。こちらに脅威を覚えたニネヴェが全力で防御した結果弾かれたのだ。予想外だったのは、その時の衝撃で刀が手から離れてしまった事だろうか。刀は既に自分の下、地面へと落下していくのが見えた。

 無手となった雅に待つのは、ニネヴェの反撃。その四肢である触手がこちらに迫っている。無手であろうと易々と受けるつもりは毛頭無い。だが、雨よりも濃密なこの触手の群れをどう捌いたものか。

 

──ズドドッ!!!

 

 その時だ。雅の耳に捕えたのは、轟くエンジンの音。間髪入れず雅の元に飛んできた剣を目の端で捉えた瞬間、考えるよりも先に体が動いた。

 身の丈よりもデカい飛んできた大剣を掴み取り、そのまま触手を切り落としていく。

 

「きたか」

 

 その剣の持ち主を雅は知っている。幾度なく剣を交えた悪友。軽薄だが、何処か芯を持つ男。赤いコートがトレードマークの彼を誰が言ったか、悪魔も泣き出すdevil may cry男と呼んだ。

 

「フォー!!」

 

 ノリノリな声が聞こえる。見れば、バイクに跨り華麗に操り、建物を登っていく姿があった。その手には先ほど落とした刀が握られている。新たな刺客にニネヴェもまた眷属達をけしかける。しかし、男にとってそれは障害にすらならない。跨るバイクごと宙へ跳ぶと、そのまま片手でバイクのハンドルを振り回して機体で眷属達を次々に落としていく。まるでバイクをヌンチャクの様に振り回す男は眷属の群れの壁を抜けてニネヴェへと迫り、バイクを投げつけてから持っていた雅の刀を振るった。

 

「こう、だったか!?」

 

 見様見真似。記憶にある姿を思い浮かべながら刀を振るう男と、そんな男の剣を振るう姿を思い浮かべながら同じ様に剣を振るう雅は、瓦礫の一つへと着地して合流する。

 

「落とし物だ」

「助かった」

 

 お互いの持つ得物を投げ渡す。雅は刀を鞘に収め、男は剣を背中に背負い直す。これで仕切り直しだ。さぁこれからだ、と気を引き締め直す雅だったが、それとは裏腹にニネヴェの気が変わったのか、動きが変わった。進行方向を変えて、零号ホロウの奥深くへと向かっていくのだ。

 

「なんだよ、これからが面白くなるのに」

 

 そんな様子に気を削がれた男は残念そうに呟く。

 

「ダンテ」

「ん?」

「此度は礼を言う。来てくれたおかげで助かった」

 

 視線を交わす2人の目は何処か気安い。これが初めてと言うわけでもなく、いっそ腐れ縁と言っていい仲だ。今更だった。

 

「気にすんな、こっちも訳ありだ」

「そうか」

 

 彼は変わった。雅が幼い頃はいつも遊んでもらっていたが、今の彼は人を関わらせまいとしている。そんな彼を憂いていつも声を掛けていた。

 

「して、ダンテ。H.A.N.Dへ来るつもりは──」

「前にも言ったろ、その気はねぇよ」

 

 立場を背負えば動きも鈍くなる。彼は以前そう言っていた。だが彼の実力は知っている。私と同じ所まで至れるであろう実力だ。だから何度も誘っているがその度に断られている。

 

「私も言った筈だ。諦める気はないと」

「……そーかい」

 

 脅威が過ぎ去ったこの場を見渡す。瓦礫やエーテル結晶などで随分と様変わりしてしまったが、ここはかつて私たちが住んでいた所。その面影を見れば、何があって、どんな風に会話していたのかを思い出せる。

 

「いつか、あの頃に戻れるだろうか」

 

 返事はない。お互い顔を見る事なく空を見上げた。そこには、外とホロウの間にある障壁があるだけ。目立つのは、旧都陥落の時から残り続ける障壁に刻まれた一筋の斬撃の跡・・・・・・・だけだった。





【ルール】
・自分の転生キャラになりきること(解釈違いを恐れるなかれ!)
・キャラ達の原作でやらない行動はできるだけ避けること


転生者その3
言わずと知れたスタイリッシュアクションゲームの草分け、デビルメイクライのダンテ。毎回星見雅に修行と称して挑まれては内心で泣き言を言いながら毎回SSSを取る男。ロイヤルガードが悪いよー、とは掲示板での彼の一言。
今の見た目は3だけど気分次第で服装を変えているのでどのナンバリングの見た目にもなれる。
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