2025年11月14日、日本俳優連合(日俳連)が、データセット管理システム「J-VOX-PRO」の設立を発表。
J-VOX-PROは「日俳連が運営する公式データセットライブラリ」で、データセット本体のほか、声を声優個人に結びつける声紋情報等が格納される。「企業は日俳連にライセンス料を支払う事で、特定声優の声そのままのAI音声を、その声優の名前を表に出して使用することができる」という事になっている(実際に使用されるかはともかくとして)。
J-VOX-PROは法ではないので、これが完成しても無断学習罪やAI使用罪が誕生するわけではない。しかし、日俳連の目的はそもそも「無断学習を禁止すること」ではなく「声優の声そのままの学習モデルを誰かが勝手に作って公開するのを防ぐこと」なので、それで狙い通りである。「その声が実際のところ誰の声なのか」を客観的に格納したこのデータベースは、声優本人や所属事務所が著作隣接権や不正競争防止法を用いる上で、有効な武器になり得る。
日俳連は最近立て続けに大きな動きを見せており、絵師因習村と声優の明暗は、かなり大きな物になりつつある。
絵師因習村および反AIは、「無断学習罪」という存在しない罪で他者を罰する事に拘泥し、約3年間AIを使用する個人や企業に対して散発的に誹謗中傷や私的制裁を繰り返すだけで、それ以外ほとんど何もして来なかった。「被害があろうが無かろうが、最終生成物が類似していようがいまいが、学習された者は全員等しく被害者である」とする「無断学習罪」は、自称被害者の数を増やす上では有効な思想だったと言えるが、その代償として方向性や争点が全く整理されなくなり、各人がロクに資料も読まずに思い思いの素人法解釈を述べ続けるだけの地獄になってしまった。
無限に被害者を増やして収拾が付かなくなった絵師因習村とは対照的に、日俳連は「NOMORE無断生成AI」キャンペーン開始時に無断学習罪から脱却し、争点を「生成」に絞った。争点を狭い範囲に絞る事で、前述の通り「声優の声そのままの学習モデルを誰かが勝手に作って公開するのを防ぐこと」に注力したわけである。その結果、一見派手に戦っているように見える絵師因習村が何の成果も挙げられない一方で、日俳連は先日にじボイスから類似ボイスを取り下げさせる事に成功し、今回はJ-VOX-PROという実効性のあるデータセット格納システムの開発に至っている。
この3年の差は、もはや取り返しがつかないかもしれない。