1.旅立ちと帰還
ここはナド・クライ、今ではファデュイの領域とか言われている。
『あー遠かった…』
そんな地に帰ってきた彼の名前はコゲツ
ナドクライ出身ではあるが、つい最近までフォンテーヌに逃走していた。
『久しぶりねコゲツ』
そんな彼に声をかける者が居た
『サンドローネか、久しぶりだな』
『ええ、久しぶりね』
サンドローネもとい傀儡、ファトゥス7位の実力者である。
『なんだ帰ってきたばかりの自分を誘いにきたのか?』
『ええ、そうよ』
彼の質問に彼女はそう答える。
『残念だが、今日はその話は無しだ、じゃあな』
『ちょっと待ちなさい』
そう言われて待つ奴なんて居ない。
彼女が手を出し、彼を捕まえようとするが既に彼はその場には居ない。
この物語は、そんな2人の話
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そんな出来事が起きる前の話
『コロンビーナ、フォンテーヌに行ってくるわ』
『そうなの?本当なら寂しい』
『ちょっとの間留守にするだけだからね…』
僕ことコゲツは、仲良くしていた少女コロンビーナの所に来ていた。
そして、フォンテーヌに行く事を伝えるために
『それでも寂しい』
彼女はそれしか言ってくれない。
いや、彼女なりの感情表現というべきか。
『すぐに行く訳ではないし、準備とかあるからね』
『それにしてもなんでフォンテーヌなの?』
『コロンビーナの同僚の召使から手紙を頂いたから行ってくるだけだよ』
とコロンビーナの同僚であり同じくファトゥス4位の召使から届いた手紙を彼女に見せる。
『うん、分かった』
どうやら納得してくれた模様だ
そして、彼女は僕を見て続けて
『サンドローネには言ったの?』
『いや、言ってないよ?』
『言わないと…悲しむよ?』
サンドローネは先程の召使と一緒でファトゥスなんだけど…何故か僕の事を常に追っかけてくる…なんというかめんどくさい人だ
『言ったら付いて行くとか言いそうだから言わないつもり…』
と彼女には言う。
『流石に職場放棄はしないと思うから…言っておいた方が良いと思う…』
『コロンビーナがそこまで言うなら信じて言ってみる』
『そうした方が良いよ』
と彼女に押される形で、サンドローネの元に向かったのだが…
『認めないわよ』
強めの言葉でそう返された。
正確には、フォンテーヌについて行くのではなくフォンテーヌに僕を生かせないようにするというのが正解
『なんで?』
『ここなら居なくなったらアンタを監視出来なくなるじゃない』
『…』
サンドローネから飛び出した言葉に何も出ない。
『なんで黙ってるよ。一言くらい何か言いなさいよ』
『監視とか怖い言葉を聞いたら何も言えないわ』
『とにかくフォンテーヌに行く事なんて認めないわ。もし行くって言うなら』
『行くって言ったら?』
『アンタを一生動けない身体にしてやるんだから』
更に怖い言葉が飛び出してきた。
サンドローネってヤンデレみたいな感じだったっけと思いながらも…なんとか言葉を出さないと考えた僕は…
『そうなると…召使のお願いを聞かないという話になるんだけど…』
『大体、召使の話って何よ。その手紙の中身を見せなさい』
とサンドローネに手紙を出せと脅された僕は大人しくその命令に従う
そして、彼女は手紙に書かれている内容を口に出しながら読み始めた
『コゲツ殿、大事な話があるのでフォンテーヌに来てくれないかって何よこれ、要件しか書いてないじゃない、益々行かせないわ』
と更にヒートアップしてしまった。
もう、行く前にコロンビーナに言って、彼女に黙って行こうかと思い始めてきた。
『黙って行くとかは無しよ、それしたら分かってるわよね?』
と今にも殺してきそうな雰囲気を纏って脅してきた。
『今すぐ行くとかじゃないし、もうちょっと考えてから決める事にするわ』
『考えるとかじゃないの。行かないって選択肢はない訳?』
『コロンビーナにも言われてたけど…召使の誘いも簡単に捨てられないんだって…』
『ふん、まぁアンタがどこに行こうとしたって逃さないから』
と彼女は言って去っていく。
彼女が居なくなったのを見て僕は即刻準備を終わらせて、コロンビーナに『サンドローネがめちゃくちゃ怖いから今すぐ行くわ』とだけ伝えてナドクライを後にしてフォンテーヌに旅立った
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『ふ〜ん、そういう事をするんだ。帰ってきた時は覚悟しなさい』
フォンテーヌ編はどこかのタイミングで出来ればと思います。
では、星と深淵を目指せ。ファデュイの領域ーナド・クライへようこそ