3月以来ぷっつりと本を読めておらず、「私の読書生活ここでおしまい〜!?」と怯えていたのですが、幸いなことに夏頃からまた読めるようになってきました。
水上バス浅草行き
南極に宇宙に渋谷駅前にわたしはきみをひとりにしない
夢くらいうまく話がしたいのに分け入っても分け入っても向日葵
3、2、1、ぱちんでぜんぶ忘れるよって今のは説明だから泣くなよ
岡本真帆さんの歌集。有名な「ごらんよビールこれが夏だよ」が入っている。
だいぶ前から積んでいて、2024年に夏の島に持って行ったりしてちょっとずつ読んでいたのだが、なかなか読み終わらなかった。一気に読んだんじゃ味気ないけど、でもじゃあ歌集を読むタイミングっていつ?という感じで。
最終的には徳川美術館に持って行って行列待機中に読みきれました。列がちょこちょこ動く行列だと、歌集くらい細切れの方がほどよく集中しすぎず時間も潰せて良かったです。
「ごらんよ歌集これが海だよ」の写真。
プロジェクト・ヘイル・メアリー
友人にも勧められててインターネットでも話題だったやつ。ずっと読みたいな〜とは思っていたのですが、映画の予告編が出たことで「予告編を見るために先に小説を読むぞー!」というモチベーションで読み切れました。
ネタバレを避けていたのだが、「友情・努力・勝利」であることだけは知っており、そこから予測できた通りの温度感でした。
小説全体のテンションがずっとネアカで、宇宙モノってこんなに閉塞感なくてもいいんだ〜!という驚きがあった。すごい気軽に宇宙空間に出る。最初「えっ、ウソ、外出てる??」とちょっとページ戻ったりした。
ストラット好きだなあ。正義感タイプにも見えないのに、いずれ裁かれるための善い仕事をどういう自負の元執り行っているんだろうと気になった。
ラストはそうなるのー!と完全に予想外だったけど、ストラットに「誰にも向き合ったことがない」と指摘されたことに照らすと初めて腹を割った親友と一緒にいられるというのはしあわせなのかもしれない。また教師やれてるのも良いし。
「地球は上手くやってるはず」というグレースの所感については私個人の現実の肌感からするとはっきり懐疑的なんだけど、ヘイルメアリーのネアカの世界観的には確かにそうかもね。
グランド・ツアー: 英国貴族の放蕩修学旅行
この夏は桃活(桃スイーツをいっぱい食べる)をしていたのですが、その一環でカフェの順番待ちをしている間に近隣の図書館で読んだ。何きっかけで知ったのかな、多分「中世ヨーロッパ(実のところ中世ではない)」関連の書籍を読んでいる時にグランドツアーについて記載があったから具体的な内容が気になってメモしてたんだと思う。
グランドツアー=18世紀イギリスで流行っていた周遊旅行、について書いてある本。この頃はイギリスの大学のレベルが低かったため、国内の大学へ行く代わりにイタリアやフランスへ数年間旅行するのが貴族令息にとってはステータスだったらしい。お目付け役に大学教授などを家庭教師として雇って同行させる文化があり、これが国際的な学問の発展に繋がったとのこと。
面白かったし、ハードカバーかと思っていたら手のひらサイズのソフトカバーで読みやすくて家にほしいな〜と思った。古い本なので定価より高い中古しか出回ってない。
富士山
人に勧められた本。短編集。すべての話に解釈が分かれる余地があるので読書会に向いてそうと思った。
『息吹』とかどう思います? 私は普通に気を病んで失踪してしまっただけだと思いましたが。
表題作の『富士山』については、男性が亡くなったのは女性の事件が先にあったからなのは間違いないだろうなあと思った。正しく振る舞えなかった経験から今度こそって思ったんだろう。そういう精神の動きはすごくわかる。
ただ、そこに因果関係はあるけど、周囲の人が言う通り女性のせいなんかでもない。そこが難しく答えの出ないところやね……。
物語のある鉱物図鑑
東京遠征で科博に行った時に買った。科博の日本館めちゃくちゃ楽しかったんですが、もっと知識があった方が絶対楽しいだろうなと思ったところで最後物販コーナー内にしっかりした書籍スペースがあって、まあ買うよね。
サイズ感が良くて軽くて、持ち運び読書派としてオキニ。
宮沢賢治が宝石商を目指していた時期があるのとか知らなかったので面白かった。作者の人は賢治好きなのかな? 賢治エピソード何回か出てきた。
アメジストがお酒のお守りになる話とかも好きでした。
科博のミュージアムショップの書籍の品揃えがかなりいい感じだったので、あの選書だけでも関西かオンラインで再現してくれないかなと思った。宇宙とか地層とかの本も読みたいよ。
禁忌の子
他に読みかけの本3冊くらいあるけど、エンタメ読みたい!となったため優先で着手。城崎がかなり厨二的な造形をしているため、照れる。そういえば本屋大賞の時期に買って冒頭だけ読んでたけど城崎の登場描写で照れて一旦止めたんだった。
推理パートのとこは論理パズルみたいでしたね。私はミステリの推理パートは「そうなんだ〜」と聞くことにしてるので、そうなんだ〜と思った。
犯人には死体遺棄分の罪は償ってほしかったな〜と思ったけど、死体遺棄分を法に則って償おうとすると芋づるで家族と子の人生が暴かれめちゃくちゃになるという理屈は分かる。それでもモヤモヤは残るが、城崎があの気質なのに実は犯罪を見逃す選択肢がある、とロジカルに示された分の意外性が面白かったのでそこで気持ち的にはトントンかな〜と一応納得。あと、主人公が殺人に手を染めかける描写も珍しいし緊迫感があって面白かったのでそこもポイント加算。
妻がきょうだいだったのは最初、え〜フィクションあるあるの"世間狭い"すぎじゃ?と思ったけど、生き別れの双子が知らず惹かれ合うのは実際あるらしいので、ほなそうか……と着席。でも結局あの2人は三つ子?ってことでいいんですか? じゃあ異性といえど顔も似てるのでは?というのは気になった。胚盤胞の説明のあたりよくわからなかったんですよね。みんな分かったんだろうか。わたしが生物選択じゃないからですか?
人工妊娠から子供の権利のあたりまで踏み込んだのはおお、と思った。こういう問題提起がある話って好き。今後もシリーズが続いてレナちゃんも育っていくだろうからその中でこの問題についてもまた追っていくことがあるのかなあ。今出てる続編は主人公違うっぽいけど。
城崎の描写に照れ……になるのと同じく性的表現が多いことにも当初うーんと思っていたんだけど、テーマが妊娠と出生だと分かったことで必要な描写だと理解できた。幸せな性行為と強姦、愛されて育った子供と虐待された子。
逆に、絵里香が襲われた描写とかはもうちょっとちゃんと書いて悲惨さを強調した方がいいんじゃないかと思う。きついけど、実際きついことだし、いまのナレーションベースだと釣り合ってないかも。絵里香の罪(を公的に償わないこと)に対するバランス調整になったと思う。
燕は戻ってこない
『禁忌の子』を読んだので、そういえばこれも人工妊娠関連の話だなと思い、積読から選択。まず、全員が身勝手ですごすぎる。最初は描写される関係性がすべてギスギスしていることに戸惑っていたが、途中からゲラゲラ笑った。全然笑う話ではないんだけど、もう全員の人間性がすごすぎて。リキが堕ろすって言って悠子とりりこで会いに行くあたりからの天晴れ感がすごい。人間って、大人って、こんなに自由でいいんだ。全員が場当たり的すぎる。朝令暮改。まったく一貫性がない。(唯一りりこにはあるかも)
全員「そんなことやったら駄目だろ」と思うことをやり、ちゃんと駄目になってる。すごい。
基とか終盤「なんでこんなことになってしまったんだ」とか言ってたけど最初から自明だったよ。「夫婦の子どもが欲しい」と言いながら草桶家と自分の遺伝子のことしか考えてなかったからだよ。
リキの最後の選択も、子供の人生への尊重があったかというとなかったし、やっぱりこれも身勝手だと思う。
この後どうなるんだろうね、意外と逃げ伸びられるのか、あっさり捕まるか。ここで描写された人間の流動性からすると割とすぐ子供を戻しに来る可能性もある。
こっち読んでから禁忌の子の方が良かったかもしれない。タカハシユウイチ過去編での感情の入れ込みが違ったと思う。中川の両親にバチギレながら読むことになったかも。
締切と闘え!
北海道旅行に行った際、土地にゆかりのある本がほしいな〜と思い帰りの空港で購入した(作者の島本和彦は北海道出身・在住)。1時間くらいでサクサク読めたのでそのまま飛行機の中で読み切りました。
「ハッタリでも口にしたら実際できる」みたいなくだりが面白かった。私はあんまりそういうことできないタイプなので(自分でまず嘘じゃんと思っちゃう)、発言の方に自分を合わせるのもアリなのかー確かになーと思った。漫画家さんに割といる、サービス精神が豊富な人という印象。でも本人が言っている通り、体力のある人の話でもあると思う。かっこよく負けることに関する記載もよかった。
サンデーの新連載が持ち込みで決まった経緯とかも書いてあって、素直にチャレンジ精神がすごすぎる。敬意を示してサンデーうぇぶりで新連載も読みました。
以上です。
最近は家でも少し本を読めるようになり、読書スタイルの変化を感じています。
積読を増やしすぎてしまっているので減らしたい。
lookmusical.hatenablog.com
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