大分市佐賀関(さがのせき)で18日夕に発生した大規模な火災は一夜明けても収まらず、総務省消防庁は19日午前8時時点で住宅など170棟以上で延焼し、焼失面積は約4万8900平方メートルと発表した。大分県によると、76歳の男性と連絡が取れず、50代女性が気道にやけどを負って軽傷という。
現場は市の中心部から東へ約25キロの距離にあり、佐賀関半島の先端に近い傾斜地にある住宅地。県警によると、18日午後5時45分ごろに住民から「家が燃えていて火が見える」と通報があった。
火は広い範囲に燃え広がり、県災害対策本部によると、午前7時時点で110世帯170人が近くの佐賀関公民館に避難した。連絡の取れない1人を除いて、安否不明者の情報はないという。午前8時半現在で周辺の約270戸が停電中という。
火災の発生当時、大分市には強風注意報が出ていた。消防によると、強風や飛び火で燃え広がった可能性があるという。
大分市消防局は当初、消防車両17台で対応。その後、同市は別府市や臼杵市、佐伯市など県内の6市の消防本部に応援を要請し、現場で対応している。大分県や熊本県の防災ヘリが情報収集や消火活動にあたっている。
県は18日深夜に災害対策本部を設置。19日、大分市に対し災害救助法の適用を決め、自衛隊に災害派遣を要請した。
総務省消防庁によると、過去20年間の市街地火災では、2016年12月、新潟県糸魚川市の中心部で住宅や商店など計147棟が焼け、震災を除くと焼損棟数が最多だった。今回の火災は、これを上回る可能性がある。
現地の降水量、平年比35%にとどまる
大分市佐賀関では、前10日間の合計降水量が10.0ミリで平年比35%にとどまっていた。気象庁によると、大陸から流れ込んだ寒気の影響で、北西の風も強まりやすかったという。
気象庁によると、佐賀関の降水量は今月8日が1.0ミリ、9日5.0ミリ、12日0.5ミリ、13日4.5ミリの計11.0ミリだった。平年は1カ月に76.6ミリの雨が降るという。ただ、夜は湿度が高くなる傾向があり、乾燥注意報は発表されていなかったという。
一方、佐賀関を含む大分県中部には、海上を対象に17日朝から19日明け方まで強風注意報が発表されていた。上空に流れ込んだ寒気の影響や、西高東低の冬型の気圧配置で、北寄りの強い風が吹きやすい条件が整っていた。
19日以降は、寒気の影響が弱まるため、強い風は落ち着く見通しという。
着のみ着のままの避難、住民は不安な夜
大分・佐賀関半島の先端に近…