kawaii kaiwaiと、中田ヤスタカの不思議
アニメ『その着せ替え人形は恋をする』の第二シーズンが始まりました。
エンディングテーマに、ついハマってしまいました。
曲名は「kawaii kaiwai」。いかにも中毒性の高いポップソングで、耳に残るメロディとリズム、どこかクールなのにとびきりキュートな世界観。どこか懐かしいようでいて、確かに“今”の空気を吸っている。調べたら、歌っているのは「PiKi」というユニット。フルーツジッパーとキューティーストリート、それぞれのメンバーひとりずつによる新しいデュオで、楽曲の作詞・作曲は中田ヤスタカとのこと。
なるほど、と思いました。
「可愛い界隈」という言葉の響きをそのままポップに転化したタイトルのセンス。そして、その言葉遊びが持つ記号性とリズム感を、ここまで洗練された楽曲に仕上げてしまう手腕。
相変わらずすごいな、と。
私自身、正直なところフルーツジッパーにもキューティーストリートにもあまり興味が持てません。でもこの曲には、そういう“好み”の枠を飛び越えて、素直に「いいな」と思わせる力があります。きっと、この「kawaii kaiwai」も、今後ちゃんとヒットしていくのでしょう。
思い返せば、中田ヤスタカという名前を知ったのはPerfumeが最初でした。
どの曲にも、キャッチーさとカッコよさが見事に同居していて、その絶妙なバランスに驚かされたことをよく覚えています。
きゃりーぱみゅぱみゅもありました。「つけまつける」とか「ファッションモンスター」とか、あの時代の空気ごとまとめて思い出せるような曲たち。
少し前には、ワンピースの映画でウタが歌っていた「新時代」。あれも中田ヤスタカの曲で、「こう来るか」と思わされる展開と強烈なサビの印象がやっぱり耳に残ります。
2020年前後からは、Jポップ全体に新しい才能が次々と現れてきて、中田ヤスタカもその中で少し埋もれてしまうかと思っていたけれど、そんなことはなかった。依然として、彼は「今、求められているポップス」をしっかりと作り続けています。
そう考えると、やはり彼は天才なのだと思います。
……でも、どうしても不思議に思うのです。
なぜその彼が、自分自身のユニットである「capsule」だけは、ヒットさせることができないのだろう、と。
これはきっと、capsuleが彼にとって一番パーソナルな場だからなのかもしれません。
PerfumeやPiKiでは“相手に合わせて作る音楽”が求められる一方で、capsuleでは“自分が作りたい音”をそのまま追求している。それは自由だけど、だからこそ、Jポップという文脈の中では少し外れた存在になってしまっているのかもしれません。
capsuleでは、こしじまとしこの声も、歌手というより音のひとつとして扱われている印象があります。感情移入よりも、音響体験。
それが好きな人もいるけれど、大衆的な共感を呼ぶのはなかなか難しいのかもしれません。
それでも、capsuleでの音楽的な冒険があるからこそ、他のプロジェクトでの“洗練されたポップス”が可能になるのだと思います。きっとcapsuleは、ヒットの裏側にある「母艦」のような存在でありつづけているのでしょう。
最近また、capsuleの新作が出たらしいので、久しぶりに聴いてみようと思います。
もしかすると、これまで耳を素通りしていた音が、いまはちょっと違って聞こえるかもしれません。
#耳のはしっこ 、心のすみっこ
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コメント
1こんにちは!
中田ヤスタカ天才ですよね🤭
自分の表現したいものと求められてるものと意識的か無意識的か分かりませんが、うまく一人のアーティストの中に共存出来てるはホントに尊敬です!