甘くなあれ 毛利氏が持ち込んだ渋柿 松江で干し柿作り最盛期
上田潤
松江市東出雲町の畑(はた)地区で、特産の「まる畑(はた)ほし柿」の生産が最盛期を迎えている。柿農家にある通称「柿小屋」には鈴なりの柿がつるされ、オレンジ色のすだれが集落を彩っている。
戦国時代に毛利氏が出雲の尼子氏を攻めた際、兵糧として柿を持ち込んだと伝わる。10月末頃から、皮をむいた西条柿をひもでつるし、1カ月ほど乾燥させて11月末から出荷する。「畑ほし柿生産組合」に加入する17軒で25万個ほどを見込んでいる。
同組合理事の森廣恵子さん(54)は「春先の寒暖差の影響で収穫量が減ったが、この時期の天候が良いのでおいしい干し柿になりそう」と話した。