「『台湾』は高市総理から言ったのではない」読売テレビ解説委員、岡田元外相との質疑めぐり指摘
読売テレビの高岡達之特別解説委員は17日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金午後1時55分)に出演。台湾有事は集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得ると国会で答弁し、日中間の外交問題に発展している問題をめぐり、この首相答弁を引き出した立憲民主党の岡田克也元幹事長とのやりとりについて「台湾という言葉を高市総理から言ったのではない」と指摘した。 【写真】誘導質問に見えた?という人物 高市早苗首相は7日の衆院予算委員会で、民主党政権時代に外相を務めた岡田氏との質疑で、「どういう場合に存立危機事態になるか」と問われて答弁した。中国側は高市首相答弁に激しく反発し、金杉憲治駐中国大使を呼び出して答弁の撤回を求めたほか、中国外務省は日本への当面の渡航を自制するよう自国民に呼びかけを始めた。薛剣駐大阪総領事がX(ツイッター)に、「汚い首を斬ってやる」などと投稿し、日本では薛剣氏を「ペルソナ・ノン・グラータ(外交上好ましくない人物)」として国外退去を求める声もあり、両国の緊張関係が続いている。 番組MCのフリーアナウンサー宮根誠司は、「いままでの政府はこれまで(同様の質問にも)台湾という言葉を出さず、あいまいにしていた。立憲さんなんかも、特定の地域や国もあいまいにするべきという方針と思うが、少数与党で仮に立憲さんとかが政権取った場合、この質問されたらどうするんだろうというのが、僕の素朴な疑問なんですけど」と指摘。これに、日中関係に詳しいキヤノングローバル戦略研究所上席研究員の峯村健司氏は「高市さんの答え方自体はこれまでの政府のスタンスを逸脱したものではない」とした上で「台湾というだけでなく、存立危機事態という具体的なアクションについて説明したところが、歴代の首相とは違った。その意味でも、野党側が仮に答弁するとしても、変わらない答弁にはなったと思う」と応じた。 ここで高岡氏が「宮根さん、正確にしておきたいんですけど」と述べ、「何十回と議論された総理と岡田さんの議論を見ましたが、『台湾』という言葉は総理から言ったのではありません」と主張した。 「(7日の質疑では)岡田さんが、最初に台湾とバシー海峡という具体的な地名をお出しになった。しかもそれは現場で何度も何度もやりとりして、総理は『例えば』とか、『仮定の』とかいうニュアンスの話を何度もされたんですが、最終的に詰めて詰めて、この発言が出たと私は理解している」と、振り返った。 これに宮根が「ということは、岡田さんとしては、意図して出させたということになるんですか?」と反応すると、峯村氏は「高岡さんがおっしゃったとおりで、結構、尋問調というか、『誘導質問』のように見えました」との認識を示し、「『誘導質問』をして、何かこうすればいいじゃないか、というのがあればいいが、何となく、この答弁をただ引き出したというふうにしか、私にも見えなかった」と感想を述べた。