【司書が教える】図書館をもっと使いこなそう!
読みたい本があるとき、皆さんはどうしていますか?
近くの図書館になかったとき、「それなら仕方ない…」と諦めてはいませんか?
たとえ近隣にはなくても、お住まいの都道府県内どこかの図書館に所蔵があれば、お取り寄せできることがあります。
利用者からの要望により図書館同士で資料の貸し借りをおこなうことを相互貸借といいます。
私も図書館で働き始めるまではあまり馴染みのないサービスでした。
学生時代に、離れた地域の館から本をお取り寄せしてもらったときは、その手厚さに感動したものです。
最近ではこの相互貸借サービスもだんだん利用者さんに浸透してきたような気がします。
私が勤務しているのは小さな図書館ですが、それでも毎日のように他館に貸出依頼のメールを送ったり、反対に他館から当館の蔵書に依頼が入ることもあります。
何年も貸出がなく、長い間書庫で眠っているような本に、ある日突然他館から貸出依頼が入ることもあります。
そんな時、見つけてもらえてちょっと嬉しい気持ちになります。
ただし、お取り寄せできる本には条件があることも。
例えば当館では、新刊は県立図書館からしか借りられないというルールがあります。
そのほかの県内図書館からは、受け入れ日から半年以上経った資料のみお借りすることができます。
どの図書館も地元の利用者さんが優先なので、利用頻度の高い新刊が貸し出せないのも致し方ないと言えます。
また、CDやDVDなどの視聴覚資料はお取り寄せできない場合が多いです。
ちなみに、各都道府県立図書館のホームページには、その都道府県内の蔵書をまとめて一度に検索できる機能がついています。
例えばこちらは東京都立図書館のホームページです。こちらから都内の図書館の蔵書を確認することができます。
めったにないケースですが、お住まいの都道府県内の図書館に所蔵がない本は、ほかの都道府県からもお取り寄せができる場合があります。
お取り寄せにかかる送料を利用者が負担するかどうかは館によりますが、当館では県外からお取り寄せする場合もすべて図書館で負担しています。
国立国会図書館のホームページから、お探しの本の情報を入力すると、全国のどの図書館に所蔵があるかをご自身で調べることもできます。
新刊は他館からのお取り寄せが難しいと前述しました。
そうなると、新刊はお近くの図書館にあるものを中心に利用することになりますが、いったい新刊はいつ入ってくるのかご存知でしょうか?
学校図書室ほどの広さの当館でも、基本的には毎週新刊が入ってきます。
うちは分館なので大体20冊前後の受け入れ冊数ですが、本館に勤務していたときは週に100冊ほど入ってきていました。
当館では毎週金曜日に新刊が納品されます。
ブックコートと呼ばれる透明なカバーがかかった状態で入ってきますが、カバーのかけにくい特殊な装丁の本や、サイズの大きい本などは、カバーなしの状態で届くので、そういった本は図書館のほうでブックコートをかける必要があります。
そして保管場所を登録したり、蔵書印を押したり、などといった受け入れ作業をおこないます。
そのため、納品日にすぐに配架できるわけではなく、新刊を貸出できるのは翌日からとなります。
そういった事情をよくご存知の常連さんは土曜の朝イチに来館されることが多いです。
館によって入ってくる曜日や、新刊の準備に要する時間は異なりますので、お近くの図書館はどうなのかを把握しておくと本選びの幅が広がります。
もしかすると館によっては、新刊の配架日を非公表にしているところもあるかもしれませんが、私は利用者さんから聞かれたときは「うちは土曜に新刊を並べるので、その日の朝イチに来るのが一番おすすめです!」と宣伝しています(笑)
また、新刊はジャンルごとにホームページからも確認できる館が多いのでぜひチェックしてみてくださいね。
「あの新刊を読んでみたいけど、近くの図書館では購入していないみたい…」
そんな時は、ぜひお近くの図書館にリクエストをしてみてはいかがでしょう。
リクエストをしたからといって、必ずしも購入してもらえるとは限りませんが、きちんと一冊ずつ購入検討がおこなわれます。
「購入してもらうのはなんだか申し訳ない…」と遠慮される方もいらっしゃるのですが、図書館としても利用者のニーズを知れる良い機会ですのでどうぞお気になさらずご利用くださいね。
そして最後にご紹介したいのがこちら。
レファレンス協同データベースには、全国の図書館に寄せられた相談事例が載っています。
回答に至るまでのプロセスや参考図書も載っているため、私も定期的にチェックしては日々の相談業務の参考にさせてもらっています。
全国の図書館利用者から生まれた、多種多様な疑問の数々はどれも興味深いです。
個人的に気になった事例を少しご紹介。
"最後の晩餐のメニュー"。
確かに気になる…!
続いてこちら。
「8月22日生まれの小学6年生にぴったりの本」をお探しとのこと。
誕生日に本を贈られるのかもしれませんね。
こういった、答えのない相談こそ図書館司書の腕の見せどころです。
(自分がもし同じ相談を受けたらどんな本をご紹介しようかな…)
(自分の誕生日にぴったりな本はどんなものがあるんだろう…)
想像が膨らむ、素敵な相談事例でした。
図書館のレファレンスサービス(調べもののお手伝い)は些細な疑問でも大歓迎です。
図書館が、みなさんの心の拠り所の一つとなれば幸いです。


コメント
2レファ協の「最後の晩餐のメニュー」、思わず読んでしまいました。
読んでいただけて嬉しいです。
まさかウナギが出ていたとは…!これまでとは違う視点で絵画を楽しむきっかけになりました。