goo blog サービス終了のお知らせ 

ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

我がソウル20選

2008-02-23 03:48:26 | 北アメリカ


 ”SAM&DAVE ”

 今日、書店をうろついていたら、レコードコレクターズ誌が”60~70年代のソウル・ファンク100選”なんて特集をやっているのが目に付いた。どうもそういうのを見かけると自分でもやってみたくなってしまうので、とりあえず”我がソウル20選”など。

 と書きつつ、「なんだろうなあ・・・」と苦笑せざるを得ないのだけどね、まだネットをはじめたばかりで自分のホームページとかブログとか持つなんて思ってもみなかった頃を思い出すと。

 あの頃は気の合う”普通の音楽ファン”の掲示板にお邪魔して音楽話を交わしたりしていたのだったが、実はワールドミュージックの話がしたくてたまらなかった。が、普通に英米のポップスを聴いている人たちって、そういうものを嫌う傾向があるし、それはさすがにはばかられた。
 でも、「どこかに自分が好きな音楽を思い切り語れる場所があったらなあ」とか、当時は切望していたのだ。

 それが、そいつが叶って、”ワールドミュージック”の看板を掲げた自分のブログを持ったと思えば、ソウル・ミュージックの話をはじめるって何なのさ?そんな話、あの頃でも出来たじゃん。
 ともかく枠組みを壊したいのだ、それがたとえ自分で作った”ワールドもの”という枠組みであっても。なんて気持ちが心中にあるのかな、などと自己分析してみるのだが。

 そんなわけで。ほんのお座興でございます、私が選ぶ60~70年代ソウル20選。あ、すべてシングル曲ね。
 そうそう、レココレ誌の記事にあった萩原健太氏の、「68年当時までは、ポピュラー音楽はシングル盤単位で作られていたのだから、シングルで評価すべき」に大賛同させていただく。そりゃそうだよな。あの頃の洋楽事情をアルバム単位で語られたって。


1)僕のベイビーに何か?/サム&デイヴ
2)ピープル・ゲット・レディ/インプレッションズ
3)男が女を愛する時/パーシー・スレッジ
4)ジョージアの雨の夜/ブルック・ベントン
5)ウー・ベイビー・ベイビー/スモーキー・ロビンソン&ミラクルズ
6)ヤングボーイ・ブルース/ベン・E・キング
7)エヴリディ・ピープル/スライ&ファミリー・ストーン
8)サッド・ソング/オーティス・レディング
9)ネイディーン/アーロン・ネヴィル
10)アイ・ラザー・ゴー・ブラインド/クラレンス・カーター
11)テネシーワルツ/サム・クック
12)渚のボードウォーク/ドリフターズ
13)マンズ・マンズ・ワールド/ジェームス・ブラウン
14)リコンシダー・ミー/ジョニー・アダムス
15)ラブソングはお好き?/マンハッタンズ
16)愛さずにはいられない/レイ・チャールス
17)太陽のあたる場所/スティーヴィー・ワンダー
18)シンス・アイ・ロスト・マイベイビー/テンプテーションズ
19)ロンリー・マン/チャイ・ライツ
20)アイル・ビーゼア/ジャクソン5

 一アーティスト一曲、という”縛り”を設けた。また、現時点で当時を振り返って「あれは凄かったから入れておこう」というのは無し、と。リアルタイムで愛聴していたものだけを挙げる。後出しジャンケンで勝ちとか狙わない。

 でもまあ結局、私は本格的ソウルファンじゃ全然ないね。甘くて軽いのが好きだった。バラードもの主体だし。本格的ソウルファンになるのを避けていたと言うか。暑苦しい泥沼に本気で踏み込みたくないと思っていた・・・
 まあ、サム・クックが”ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム”ではなくて”テネシーワルツ”であるのが象徴的というか。

 というか、あまりにもディープなソウル世界は私の音楽趣味とはちょっと違うんではないかと感じていた。
 これは、ディープな方向へ平気でズブズブ入って行ったブルース愛好時代とは大分違っていて、なぜ違うのかは今後の研究課題としておきたい。


 あとレココレ誌の特集では60~70年代のソウル&ファンクとなっていたのでそれに準拠したのだが、私の気持ちとしては50年代のフラミンゴス、ムーングロウズ、ペンギンズ、そしてなによりプラターズ、といったトロッと甘いコーラスものを挙げたかった、ほんとは。その辺が大好きな私なのであって。
 さらには、大好きなファッツ・ドミノとか。リトル・リチャードとか。

 多分、私にとってのソウルというかR&Bは、もう少し前にずれていて、”50~60年代”のものなのだろう。”ファンク”というものにほとんど関心を持てなかったのも、これと同根かと。
 また、女性が一名も入っていない。これもヤバイかも知れないが、いや、しょうがないじゃないか、どうも女性シンガーとはそりが合わなかったんだから。

 ついでに言っておけば、野球だかフットボールだかの試合開始セレモニーにおけるホセ・フェリシアーノが歌うアメリカ国歌、なんてのも入れたいんだけどね、気持ちとしては。
 あれは60年代当時、いきなりヒットチャートに入ってきて、ラジオで聞いていた私をのけぞらせたものだった。ソウルフルだったと思うんだが、けどまあ、ラテン系白人ものを入れるのもなんだかなあ、なんで。

 それを言い出せばラスカルズの”グルーヴィン”なんてのも私にとっては”ソウル”なんだけどなあ、というのがあるんだが。
 いや、それをはじめると、「ズーニーブーの”可愛いあなただから”を入れさせろ」なんて話になって収拾がつかなくなるのであって。とりあえずこの辺で何もまとまらぬままにお開きとさせていただきます。


8 コメント(10/1 コメント投稿終了)

コメント日が  古い順  |   新しい順
60年代ソウルミュージック考 (つなでかなしも)
2008-02-26 01:24:46
1960年初頭の神戸元町ガード下の骨董店にはジャパン・セールス盤を含めたいかがわしいシングル盤を始め、チェス、アトランティック、オールドタウン、ゴーン、スペシャルティ、アラディン、フェデラル等のR&Bの7インチレコードが山積みで1枚20円、LPは200円で売られておりました。
当時はアメリカンポップス全盛で、黒人ヴォーカル・グループ等の情報も皆無で、ビリー・ワード&ドミノズのDECCA盤(STARDUST)がかっこよく思え、フェデラル盤の「HAVE MERCY BABY」を買いもらしたのは今でも後悔しております。
マリーナさんのお好きな1950年代黒人R&Bヴォーカル・グループには本当に嵌まりました。

ソウル・ミュージックなる呼称は私の記憶のなかでは
1940年代後半から50年代の教会音楽で、
SAM COOKEのベスト・パフォーマンスは
「A CHANGE IS GONNA COME」や「HARLEM SQUARE LIVE1963」ではなく、STIRRERSに於ける「ANY DAY NOW/1954年」やシュラインの「NEARER TO THEEだと思っております。

50年代、60年代のわが国におけるR&Bレコードの発売状況はビクター・ワールド・グループを始め、
ロンドン・レコード等からアメリカン・ヒット・チャート入りした曲は発売されており、国産SP盤で「JOHNNY OTIS Orch、」なども出ておりました。
後に東芝が発売する以前に、JAMES・BROWNの「唄え・泣け・叫べジェームズ・ブラウン」などもLPも出ていましたし、「TALKIN’ ABOUT MY BABY/GLORIA WALKER」もI’D RATHER GO BLINDのタイトルで日本発売されてました。

と言う事で、60年、70年ソウル・ミュージックBEST20選は新旧織り交ぜての順位となり、自身以外の方々には面白くもなんともないので割愛いたしました。

追伸:
SOUL/FUNK BEST100
の「OTIS BLUE」が第3位には驚いた!
オーティスはデビュー当時からリアルタイムで聴いていたが、CHANGE IS GONNA COMEを始め、選曲の無神経さも有るが、
オーティスももう少し普通に唄えなかったのか?
今聴くと滑稽ですよ。
アレサやジャニスと同レベルに聴こえるよ。









, (マリーナ号)
2008-02-26 23:26:58
 つなでかなしもさんへ
 やっぱり私はあんまりソウルのファンじゃないなあ、なんて思いを新たにしてしまいます。ともかくもスイートな50年代風のコーラスが一番好きだし、レココレ誌のベスト100で一位になっていたマービン・ゲイの良さとか、まったく分かりません。また、サム・クックは”ツイストで踊り明かそう”とか”キューピット”を挙げておいたほうが、より自分の気持ちに近かった、とか。
 まあ、誰の賛同も得られそうもなし、でもいいや、と言うことで。
ベスト20 (つなでかなしも)
2008-03-01 20:29:27
マリーナ号さま

やっぱりベスト20挙げさせて下さい。
マリーナさんと同じく50~60年代が大好きです。
というか70年代はよく知らないのです。
(一部70年代も挙げてますが)

ソウルというより大半がR&Bです。
(年代順ではありません)
1)NATURE’S CREATION/THE VALENTINES
2)CROSS MY HEART/JOHNNY ACE
3)EARTH ANGEL/THE PENGUINS
4)STORY UNTOLD/THE NUTMEGS
5)WHAT AM I LIVING FOR/CHUCK WILLIS
6)GOING TO THE RIVER/FATS DOMINO
7)MONEY HONEY/THE DRIFTERS
8)DIRECTLY FROM MY HEART/LITTLE RICHARD
9)MAYBELLINE/CHUCK WILLIS
10)I’LL COME RUNNING BACK TO YOU/SAM COOKE
11)YOURS UNTIL TOMORROW/DEE DEE WARWICK
12)IT’S YOU I LOVE/THE CRUME BROTHERS
13)TELL IT LIKE IT IS/AARON NEVILLE
14)BY THE TIME I GET TO PHOENIX/SOLOMON BURKE
15)THAT’S HOW STRONG MY LOVE IS/O.V.WRIGHT
16)HOW CAN I PUT OUT THE FLAME/CANDI STATON
17)PRECIOUS WORDS/THE WALLACE BROS、
18)I’D RATHER GO BLIND/BETTY SWANN
19)DON’T BLAME ME/WILLIE HIGHTOWER
20)FLY ME TO THE MOON/BOBBY WOMACK

思いつくままに書きましたが、
ム~ン20曲は少なく、明日考えれば
全く違う選曲になるでしょう。
R&B天国! (マリーナ号)
2008-03-02 00:28:58
つなでかなしもさんへ
待ってました!というべきか(笑)
ペンギンズ、ナツメグズと並ぶあたりはたまらんものがありますね。しかも上位に!なおかつ、我が最愛のファッツ・ドミノとくれば、もう降参するしかありませんです。
やっぱり50~60年代が良いですね~。なんか、アフロ・ヘアーをするようになってからアメリカの黒人音楽は面白くなくなった、なんてバカな法則(?)を思いつきましたが・・・
ゴメンナサイ! (つなでかなしも)
2008-03-02 01:08:59
MAYBELLINE/CHUCK WILLIS
はCHUCK BERRYの間違いでした。

ステープル・シンガーズのメイヴィスはアフロ・ヘアーをするようになってから面白くなくなりました。
VEEーJAY→STAXですか。
モータウンの女性陣にもいえますね。

子供の頃FATS ON FIRE(ABC-PARAMOUNT ABC-479)のLP持って、当時では最高級のステレオセットを買った友人宅に行き「ええ声してるやろ」と自慢したところ、友人のお母さんが「お座敷小唄/マヒナ・スターズ」の三原さと志のリード・ボーカルを掛けて「これがホンマのええ声や」と云われました。
昭和39年の事でした。
mahinanituitemo (マリーナ号)
2008-03-03 02:40:07
つなでかなしもさんへ
う~む、”ファッツ・ドミノvs三原さと志”ですか。
そりゃまた、ある意味で名勝負といえましょう。
ちなみに私はマヒナ・スターズではウクレレの人が好きでした。あの独特の裏声と、やや宇宙人チックな風貌。
あの人の存在はワールドミュージックを先取りしていたなあ。
ソロアルバムとか・・・ないだろうなあ。
MAVISのこと (つなでかなしも)
2008-03-04 23:39:58
UNITEDから14歳でデビューを果たしたメイヴィスを擁する、ステイプル・シンガーズは1940年代~50年代のゴスペルをこよなく愛する私にとっては少々異質なクァルテットですが、父親の奏でるミシシッピ仕込のギターに惹かれ、EPIC時代までのレコードを集めた時期もありました。
STAXのセキュラー転身後は興味を持てなくなり、現在に至っておりましたが、この度マリーナ号さんの「WE’LL NEVER TURN BACK」を拝見し、その熱情に共感を覚え、あらためて聴いてみます。

マヒナの必殺ファルセット佐々木敢一氏のソロ・アルバムはあるそうですが、タイトルは判りません。
オムニバスでは東芝TOCT-26081「ベスト・ハワイアン100」4枚組CDに佐々木氏のソロが30数曲収録されているようです。

でも気になる所はやはり、歌謡曲で、渡久地政信、私のベスト5(ちなみに他4曲は背広姿の渡り鳥・湖愁・島のブルース・長崎ブルース)の一曲「お百度こいさん」における佐々木敢一のファルセツトがベスト・パフォーマンスでしょうか!
 (マリーナ号)
2008-03-05 07:01:59
つなでかなしもさんへ
ステイプルズ・シンガースはゴスペルと言う感じでもないかもしれませんね。私も、「ちょっと地味目のソウルのグループ」くらいに思って聴いていました。

マヒナの裏声氏のソロアルバムが!とお知らせをいただき、さっそく探しているのですが、どうやらとうに廃盤のようですね。一方、ベスト・ハワイアン100の方はまだカタログに生きているようで、今、中身を吟味しているところです。どうもハワイアンのカバー集のようで、これが歌謡曲メインのアルバムだったらさぞスリリングであろうと。いや、もう少し検討を続けてみます。