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ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

魔境の風

2007-05-29 04:58:25 | その他の日本の音楽


 さっきまでNHKの夜中の番組で工藤静香の特集みたいなのをやっていたわけです。彼女がオニャンコクラブにいた頃の恩師(?)である秋元康史をトークのゲストに招いてですね、あとは花の歌謡ヒットパレード(?)だ。
 NHKって、夜中にときどきこういう番組をやってるけど、とりあげるタレントの人選の基準ってなんなんだろう?な。などと首を傾げるほどの深い理由もないんだろうけど。

 で、ですね、オニャンコ時代の思い出話から近況に至る、という形で秋元と工藤のオハナシが繰り広げられる。彼女の性格の本当の部分とか家庭では子供とどう接しているかなどなど。まあそんな具合で工藤静香の人間性を開示し行く、なんて趣旨なんでしょうが、その話題の裏に”昔ながらの汚れた芸能界”的な匂いが濃厚に漂う。これって何なんだろうなあ?

 ベテランの演歌歌手とかは別にして、こんな臭気を醸し出すのって、彼女の年代では珍しいんではないか?

 「家庭では子供とこのように付き合ってます」あるいは、これはもう古いのかな、「意外にサーフィンをやってます」なんて話題の運びにしても、いかにも所属事務所の担当マネージャーが出した「工藤はこのようにイメージ演出して行きたく思っていますから、その線でお願いします」なんて要望が透けて見える感じだ。

 いや、芸能界ってものは、そのタレントが誰であれそんなものだと思うんですよ、それはね。いずれにせよ作り物の世界で。けどなぜ、彼女の場合はそれが非常にあからさまに臭ってしまうのか。これが以前から不思議で仕方がない。それとも、こんな風に感じるのは私だけですかねえ?

 今は、「芸能人と言っても、普通の人と同じなんですよ」というアピールが当たり前となっているわけですが、かっては”まっとうな市民生活を送るカタギの人間”とは確実に一線を画した魔境であった。芸能界というのは。で、今でも何も変わらない本質ってあるでしょう、それは。

 その辺の”虚実皮膜の間”に生きるのが芸能人って次第で、かっては”魔境”の血の匂いをを濃厚に漂わせていたこわもての大物俳優なんてのが、自宅の庭の芝生の上で子供たちとバーベキューを楽しんで見せたりして、良き家庭人を取材カメラの前でニコニコと演じる。それが時代ってものなのでしょう。

 なんか、そんな時代の流れに一人で”異物”として違和感を漂わせている、そんな工藤静香のありようって何なんだろうな?と、これは微妙過ぎる話題で、通じる人とそうでない人がいそうな気がしますが。

 そういえば、と言う扱いでいいのかどうか、”ザードのボーカルの坂井泉水”が亡くなりましたね。
 彼女は、作品は非常に日なたの存在であるにもかかわらず、ご本人は日常、なにをしているのか分からない。ライブをするわけでも無しねえ。そのあたりが不思議だった、というか、そう思わせるのも戦略だったのかもしれないが。

 それが、ガンの治療を受けている最中、病院の階段で転落死と。突然の知らせに、”魔境”に生きることの、実は昔から何も変わらない孤独など嗅ぎ取ってしまったんですが。

 まあそもそも、”ザードのボーカル”ってさ、構成メンバーははじめから実質、彼女しかいないのは誰でも知っていることで、でもあくまでも”ザードのボーカル”って肩書きが強調され、テレビのニュースでまでもそう呼ばれる。この辺が今風の典型的芸能界の嘘のありようなんですね。
 


2 コメント(10/1 コメント投稿終了)

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合掌… (シン@本)
2007-06-02 22:15:52
実はZARDのファンでした。こう告白するのははずかしいけど、「心を開いて」の軽く、切ない曲調が好きでした。
90年代のJ-POPでもJUDY AND MARYや大黒摩季が好きっていうのははずかしくないんですが、ZARDが好きっていうのははずかしかった。どうしてだろう?「アーティスト」っぽくないからかなあ。
芸能界はたいして変ってないんでしょうね。聴く者にとってはどうでもいいことですが。
本音ゆえ・・・ (マリーナ号)
2007-06-03 03:46:59
シン@本さんへ

>JUDY AND MARYや大黒摩季が好きっていうのははずかしくないんですが、ZARDが好きっていうのははずかしかった

 それこそまさに、ザードの音楽が日本人の琴線により深く食い込んでいたから、でしょう。基本的に日本人って、ああいうのが肌に合うんだと思います。あの線の細さとかフォークっぽさとか。だからこそ、パンツの中を見せてしまうような恥ずかしさがあるんでしょう、好きと言ったら。
 それに比べると、”JUDY AND MARYや大黒摩季”って、より外国からの借り物くさいものがある。”本気”とは一本線を引いたところがある。だから好きと言っても恥ずかしくない。んだと思います。