Internationalist 360 という、私にとって、極めて重要なサイトがあります。最近、USA政府を破壊してしまわなければならないという激烈な主張がなされました。この激烈な主張をしているのはアレクサンドラ・バリエンテ(Arexandra Variente)という女性です。この人について、私は、過去に何度も言及しています。
https://libya360.wordpress.com/2025/09/02/internationalist-360/
このサイトには翻訳の便宜がサイトの記事の最後に付いていて、日本語に訳してくれます。記事の中にあるフォトもちゃんと入っていますので、ぜひ利用して下さい。私は、これとは別に、原文からの翻訳を試みましたので、以下に掲載しておきます。
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<ここにフォトあり>
パレスチナは人類の幻想がその上で打ち砕かれた岩である。
悲惨な出来事が増え続ける今、有意義な抵抗が恥辱的に欠如したままだ。恥辱にまみれた世界の指導者たちは麻痺し、したがって、共謀犯であるのみならず、世界の民間社会全体が途方に暮れ、決定的で効果的な行動を取ることができなくなっている。
眼前にある最も恐るべき事態は、国家、組織、個人の実際の現在の心理状態と意識を明らかにする集団的な現実の否定だ。世界的な新型コロナウイルス感染症の流行中に起きたように、集団精神疾患が再び蔓延しており、この精神疾患に対する免疫の欠如(カーゴ・カルトで目撃された現象と多くの興味深い類似点がある)により、腐敗と根深い植民地化が暴露されている。 今日生存している本物の革命家の数が悲劇的に少ないことは明らかである。
このことは、このメディアプラットフォームの目的そのものと、過去13年間に反帝国主義的抵抗を支援するために行われた努力に疑問を抱かる。 これは、乳児性障害と臆病という二重の致命的な病気に苦しむブルジョワ左翼に奉仕することを目的としたプロジェクトでは決してなかった。真の革命運動に奉仕し、急進的なイデオロギーを促進するために設立されたのだ。 したがって、私は現在の状況の中で、その存続が本来の使命を果たすことができるかどうか、あるいは、人類によりよく役立つプロジェクトにエネルギーを振り向ける時期が来たかどうかをこのウェブサイトを再評価しているところである。これまでに共有されたすべての情報は、人類、特に人類の良心を目覚めさせる試みであった。
良心が活動しているところには、恐れではなく、大胆さ、無謀ではなく、明晰さ、混乱ではなく、正義を追求する燃え立つ情熱があり、抑圧の終焉だけでなく、それを許すすべての条件と制度の終焉、そして最終的には、何千年も抑圧者を守ってきた制度の解体による抑圧者の永久的な破壊を要求する。
以前、私はこう言った。
大量虐殺的な抑圧者との関係を正常化できる、あるいは、大量虐殺を行う抑圧者を阻止できない政府、組織、運動には、世界の希望はあり得ない。
道徳的原則よりも利益を優先する指導者を信頼することは出来ない。
凶悪な犯罪行為に直面して行動できない卑怯な人々と共にあっては魂の救済はない。
人類の希望は、目覚めた各個人の肩と、現実との接触を決して失わず、どんな犠牲を払ってでも命を守ろうとする草の根運動にのみかかっている。
『何をすべきかパート II: レッドライン』の著者は、私たちのジレンマを明確に説明している。
「米国政府は破壊されなければならない。これが我々の最優先目標であるべきだ。この国と交渉することは不可能だ。この国を改革すること不可能、作り直すことも出来ない。この国は存在する権利はなく、存在すべきでもない。この国は、その根も幹も壊されなければならず、その下の大地は、この木が二度と生き帰らないように塩漬けにしなければならない。この政府、そしてそれを地球上に永続させているシステムは、殺し、毒を盛るために存在する機械なのだ。それは我々の血と苦しみを、ごく少数の人間達に奉仕する無限の利益に変えているのだ。」
アメリカ帝国は自国民によって内部から解体されなければならない。その崩壊とともに、その存続をアメリカの支援に依存している他のファシスト政権も崩壊するだろう。
一極世界は終わりを迎え、道義心に満ちた世界への選択肢が遂に現れ、生命と全人類(エリートの利益ではない)に奉仕するすべての力が、下から台頭することになる。現在存在している、継続的な資本主義的搾取に基づく無制限の貿易による寡頭政治的利益のためだけに存在する、魂のない不道徳な多極国家ではなく、すべての人々が平和で安全に暮らす権利を尊重し、積極的に擁護する公正で勇敢な同盟だ。どこの不正もすべての人にとっての脅威であることを理解する革命意識に基づいた多極性だ。「あらゆる不正に対して憤りを感じて身震いするなら、あなたは私の同志だ」というチェ・ゲバラの言葉の美しさと深みを体現する良心。弱者を積極的に守り、抑圧者を打ち砕く多極国家。生命が消耗品として認識されない多極化。そこでは、物質的な所有物や利益ではなく、命が人類の最も貴重な資産として評価されるのだ。
今は幻想を楽しんでいる場合ではない。我々は戦っているのだ。一方の側だけが勝利する。この真実を理解している人は殆どいない。目覚めている人が少なすぎる。このため、我々の危険はかつてないほど大きくなっている。
この大量虐殺の背後にある犯罪政府を打倒することができなければ、我々はパレスチナの人々と同じ運命をたどることになるだろう。
壁は閉まりつつある。我々の首のまわりの縄が締められている。もう時間が無い。
すべての法的選択肢は失敗した。パレスチナを解放するには、私たち自身を解放しなければならない。私たちの国家から抑圧者を権力の座から排除することが、大量虐殺を終わらせ、すべての加害者を裁くことができる唯一の方法だ。
アレクサンドラ・バリエンテ
著者の補遺:
私の専門は人類学と心理学なので、ミレナリアン運動は興味深い研究分野であることを見出した。千年王国主義は植民地社会で見られる現象である。ウィキペディアには次のように記されている:
「ミレナリアン運動とは、社会の差し迫った根本的で、しばしば暴力的な変革を予期し、集団的な救いやより新しく純粋な世界につながる宗教運動または社会宗教運動である。」
千年主義(ミレニアリズム)の顕著な点は、その信念が現実に基づいていないことである。それらは完全に空想的なものであり、それらに魅了された人々は、それらを物理的現実に発現させるような行動をとらない。彼らはリスクを負わないのだ。彼らは革命を起こさない。この反動的で不合理な信念体系は、抑圧勢力にうまく奉仕する。 しかし、それは抑圧されている人々には壊滅的な結果をもたらす代償の高い妄想である。
千年主義の表現であるカーゴ・カルトは、社会が植民地化や戦争などの劇的な変化を経験し、その結果、かつて均衡を保っていた大切な信仰や生活様式が失われた状況でしばしば現れる。無意味で効果のない儀式的な行動(例:不正選挙での投票、平和的な抗議活動)、魅惑的な思考(例:BRICS、ロシア、中国などが我々を救ってくれると言った考え)、認知の歪み(例:事実を完全に無視し空想を補強する浅薄な分析)がそれに応じて現れる、これらはカーゴ・カルト現象の一般的な特徴である。
カーゴ・カルト的思考は、植民地化された国家を超えて、植民地化者の打倒を実際に構想することは、ましてや、実行することは、とても出来はしない。カーゴ・カルト的思考はある種の魅惑の下で働き、征服下での繁栄と利益を約束する抑圧者のプロパガンダによって目をくらまされるのだ。 植民地化された人々は、侵略者の文化的工芸品(カーゴ)に多くの価値を置く程度まで植民地化者を内面化し、それらを自己欺瞞的な物語や儀式に組み込むことさえある。これらはすべて、主権、尊厳、自由へのあらゆる欲求を超えた、抑圧者に対する倒錯した愛着の表現である。
<ここにフォトあり>
ミンバヌアツのカーゴ・カルト 伝説の救世主ジョン・フラムの信奉者たちは、1995年に米軍の訓練に似た儀式を行った。
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1974年、私は、著作『アメリカインディアン悲史』で「アメリカは可能か」という設問を提出しました。私が見つけた、生き残りの先住民の答えは「悠久の時の流れに比べれば、400年など取るに足らぬ。やがて、我々が必ず勝つ」というものでした。今や、その時が到来しつつあると私は思います。アレクサンドラ・バリエンテが言う通り、今、我々の目の前にあるアメリカ合衆国というシステムは破壊し葬り去らなければなりません。
藤永茂(2025年9月9日)