知らなかったんだけど、ワイポット・ペットスパンって、とっくに出家して仏門の人になっていたんですね。だから、仏教系ポップスの”レー”ばかりを取上げたアルバムなんか出したんだな。けどねえ、あの物凄い重量級のダミ声で御仏の教えとか説かれてもピント来ないでしょ?あの声はやっぱり、喧騒の町バンコックのダークサイドで、恐喝とかした方が。なんていったら叱られるか。
そんな話を突然初めて、一体何人が理解できると言うのですかね、私も。そもそもタイ・ポップス愛好家が集うてぃんさんの掲示板においてさえ、ワイポットやレーの話題を出しても誰も食いついてこなかったんだものな。いわんや、この場においておや。
ワイポット・ペットスパンというのは、タイ東北部、イサーン出身の大物男性歌手であります。といっても、歌うジャンルが民族色濃厚なタイのポップス、ルークトゥンだったりするんで、まあ、華やかな存在ってわけには行かないでしょう、現地でも。と言うか、思い切り泥臭い世界の住人である。
で、私はこの、体形も人相も歌声自体も、まるで重戦車みたいな、この歌手が大好きでしてね、タイの歌手中、一番すきかもしれない。すでに何本かのカセットやCDを所持しているのですが、その岩石みたいな音楽世界、正面から浴びると、ガシンと爽快。
で、そんな人が突然、出家しちゃったなんて情報が伝わって来たんで、意外だなあ、どんな事情があったのだろう?かの仏教国においては、仏門に入るなんて結構普通のことなのかしら?などと首をかしげている最中なのです。まあ、その後、新譜も出た事は出たけど、そのまま歌手活動を停止されたら、ファンとしては困るわけでして。
で、ここでワイポットのアルバムについて話を始めるかと思いきや、ポーン・ピロムなる人のCDが、今、私の目の前にあったりするんですな。いや、先日、手に入れたばかり。先にワイポットが仏教系ポップスを取上げたアルバムを出した、なんて書きましたが、そのアルバムはすなわち、このポーン・ピロムのかってのヒット曲のカヴァー集でもあるのでして。ひょっとしてワイポット、この人の生き方に憧れて出家をしたのかも知れず。
ピロムは60年代、先にちょっと名を出しました”レー”なる音楽の人気者であったんですが、70年代に歌手稼業を引退して仏門に入ってしまったって人なんです。で、”レー”なる音楽、まだまだ詳細が分からないんですが、どうやら僧侶がお経を上げる際の節回しから発生した大衆音楽、とのこと。
音楽の構造としては、土着ポップスのルークトゥンと近いものがあるんですが、やはり歌手の独特の節回しに不思議な魅力があります。ある種、ヨーデルみたいに声を裏返しつつ、織り成されて行くメロディラインは独特のものがあり、なるほど、お経より発した歌声なんだなあ、と納得させられるものがある。
サウンドのほうも、ギターやアコーディオンといった”普通の”楽器に混じって、これは我々にも近しい仏具である仏壇の鐘、さらには錫丈の如きものをスタジオに持ち込んで鳴らしているのでは?とも思える仏教系?パーカッションが取り入れられた曲もあり。
それらが織り成す複合リズムと、ピロムの地味ながらも妖気を秘めた歌声が絡み合う様子は、仏教国タイの真ん中でひそやかに咲き誇る蓮の花の上の音楽、なんて呼びたくなる至福感を伝えてきてなかなかに心地よく、ワシも一つ仏門に入っちゃおうか、なんて気もおこしかねない今日この頃なのであります。
(ポーン・ピロムの画像が見つからなかったんで、タイの寺院のものでご容赦。というか、タイ文字も分からないし、かの国の文物をどうやって検索したらいいのやら、それが分かりません)
いやぁー、“レー”なるもの私は殆ど知らないです。
ワイポットなら解かりますが。。。だけど、彼が出家したという話は最近のことですか?以前、それも大分前の事として、何かに書いてあった事は記憶にありますが。。。
タイの仏教関連の事は、まぁタイに住んでいるので日本にいる方よりは事柄に近いといえるでしょうが、でもタイ人ではないので、深いところまでは。。。出家に関しては、男子誰もが一度はしなくてはいけないみたいですね。でも、3日で戻ったとか言う話も多々聞いています。また、一般社会人が突然、出家したなんて話も聞きます。若手ミュージシャン/歌手が出家というニュースも良くあります。昨日まで長髪だったのに突然、頭おろか眉毛まで落とした写真が出ると、随分人相も変わるものだよなー等と感じますね。
ワイポットの一番新しい仕事は、グラミー ゴールドというタイのNO.1レコード会社の中のルークトゥン部門が創設10周年を迎えたことを記念したアルバムが出たんですが、その中で1曲、やはり旧世代大物ルークトゥン歌手3人で、今現在のルークトゥン歌手の超人気者、ゴット・チャカパンの曲で有名な『ソムワン ナ クラップ』を歌っています。みんな、お爺ちゃんですが、アロハ・シャツ着てご機嫌な感じで歌って居ります。
ポーン・ピロムなる名前に至っては、初めて聞きました。タイ語で書いてある記事か、WebSiteご存じないですか?それがあれば、もう少し情報が出てくるかもしれません。情報といってもタイ語でしょうが。。。
そんなところでしょうか、殆どお役に立っていませんね。タイ人のルークトゥンに詳しいやつに今度、その辺の事聞いてきます。ポーン・ピロムの名前出しても、そんなの知らないと返ってくる可能性大!?
音楽でも守備範囲広いですねえ
ワタシはもうずいぶんと長いこと
音楽関係に関しては
更新がなされていないので
このような幅広い知識情報の開示には
ただただぽかんと口を開けているのみです。
>仏教系?パーカッション
おおむかしの記憶を探ってみると
ちょっと違いますが、
『芸能山城組』が
舞台に銅鐸を置いて、矛や剣で
ひっぱたいておりました。
ダイレクトカッティングのアルバム
(なつかしい!)
でした。
ご回答ありがとうございます。タイ文化のなかなか妙な部分に私は興味を持ってしまったみたいですね。レーに関しては先日、タイの文化を勉強するためかの地の大学に留学中の人に、人を介して尋ねるチャンスがあったのですが、「タイの文化を調べているとあちこちで”レー”に出くわすのだが、まだ研究は手をつけていず、あなたの知っている以上のことは私も分からない」との事でした。
私がレーに興味を持ったのは、トッサポン・ヒンマポーンなる歌手の盤で、その、ヨーデルみたいな独特の節回しに魅了されてからでした。あっと、ワイポットの出家の件に関しても、出家を祝う(?)盤に最近出合ったというだけで、出家の時期等、詳細など、まるで私は分かってはおりません。
ポーン・ピロムの盤ですが、私のレー好きを知ってレコード店主が紹介してくれたものでして、今、盤を取り出したのだけれどジャケはタイ文字ばかり、教えられなかったらポーン・ピロムと言う歌手名ももちろん分かりません。読み取れる文字は”CROWN BRAND””ORIGINAL””CD442”の程度です。似たような彩色写真のジャケをいくつか見ているので、過去の人気歌手の復刻シリーズの中の一枚かと推察します。それ以上のことはまるで分からずです。
PS.
komtaさん、こちらのリンク集に「バンコク音楽日記」を加えさせていただきました。事後承諾を迫りまして申し訳ないんですが、よろしくお願いいたします。
シン@レオさま
はい、守備範囲は広いです。でも、浅いです。あちこちに興味を持って鼻を突っ込むけど、ちょっと詳しいことになると、まるで分からないですね。まあ、それはそうなんで、世界中にある音楽すべてをいちいち掘り下げて理解し、マニアのレベルで知っているなんて、一人ではとても無理です。ジャケに書かれている文字が一つも読めない、なんて辺りから出発しているので、いろいろな詳しい人に助けてもらわねば、とてもとても、といったところです。
komtaさんもご存知ないのであれば,よほどマニアックなのですね。タイ大衆音楽ではなく,タイ宗教音楽から探る必要がありますね。とても音欲好奇心をそそられます。ありがとうございます。
レーはとりあえずルークトゥンの一種、みたいな存在で、歌っているのもルークトゥン歌手のようなんですが・・・何枚か集めたレーのアルバムも、ジャケ等、あくまでもその流れにあるようで。特に宗教音楽っぽくもなく。
そうだ、河内音頭なんかが仏教説話なんかが元になってるけど、今、存在としては盆踊りの音楽として機能している、そんな感じかなあ、とか思っています。