褒めまくる映画伝道師のブログ

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気に入った映画を紹介して褒めまくることがコンセプトです。
素晴らしい映画を将来のために伝えたい想いで紹介します。

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 あのシェイクスピアのマクベスを原作とする映画化作品が今回紹介する蜘蛛巣城。原作を日本の戦国時代に置き換えているが、欲望や裏切りと言ったシェイクスピアの原作のテーマを上手く描き出している。そして、日本の様式美というのが取り込まれており、映画と言うのは世界各国で作られているが、本作はまさに日本の伝統を感じさせる。

 世界各国でシェイクスピアの作品は映画化されているが、その中でも本作は見事に成功している部類に入るだろう。

 

 早速だが、戦国時代の下克上を思わせるストーリーの紹介を。

 戦国時代において。蜘蛛巣城では北の館の藤巻の謀反に遭い、城主である都築国春(佐々木孝丸)や軍師小田倉則安(志村喬)を中心に評定中。味方の苦戦に籠城を決めるのだが、家臣である鷲津武時(三船敏郎)、三木義明(千秋実)の活躍によって藤巻を打ち破る。

 早速、大喜びの国春からの褒賞を受けるために武時と義明は蜘蛛巣城に向かうのだが、その途中に老婆(浪花千栄子)と出会い、予言を告げられる。それは「武時は北の館の主になり、やがて蜘蛛巣城の城主になり、義明は一の砦の大将に、また義明の子はやがて蜘蛛巣城の城主になる」ということ。

 2人はそんなことは無いだろうと思って一笑に付したのだが、国春からの褒賞は老婆の言った通り武時は北の館の主に、義明は一の砦の大将に任ぜられる。北の館の主になった武時は大喜びだったのだが、老婆の予言を妻である浅茅(山田五十鈴)に話すと、浅茅から主君国春を殺して蜘蛛巣城主を狙えとそそのかされてしまい・・・ビックリマーク

 

 本作は冒頭から見逃せない。霧で何も見えなかったのに、霧が晴れた瞬間に城が姿を現す。最初から、今回も面白い映画をお客さんに見せてあげるよ、と言わんばかりの演出だ。

 それにしても山田五十鈴演じる妻が相当な悪女。男の野心につけ込んで、人殺しも厭わず出世欲へと駆り立てる。本作は時代劇ではあるが、人間の奥底に渦巻く欲望を抉り出し、欲望に自滅していく姿が描かれている。

 そして、本作の特筆するべきシーンが後半に訪れる。三船敏郎を襲う矢の数々。このシーンは世界映画史に遺る名シーンだと言って良いだろう。しかし、あれは当の三船敏郎も相当怖かったようで今ならパワハラで訴えたら勝てるだろう。昔の映画は本当に命を懸けて撮っていることがよくわかる。

 個人的には日本の伝統芸である能について殆ど知識がないのだが、本作はどうやらその所作が活かされているらしい。しかしながら、そんなことを知らずとも三船敏郎山田五十鈴の怪演は見物だし、欲望に取りつかれた人間の浅ましさは教訓にもなる。黒澤明監督作品の中では評価が低めの印象があるが、これこそ日本が世界に通じる映画作品。今回は蜘蛛巣城をお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督は前述したように黒澤明監督。日本が世界に誇れる至宝であり、お勧め作品が多数。七人の侍用心棒隠し砦の三悪人生きる羅生門悪い奴ほどよく眠る赤ひげ天国と地獄等と挙げていけばきりがないぐらいお勧め多数。しかも時代劇、社会派、ヒューマニズムと多岐に渡って名作を遺してきたのが本当に凄いですビックリマーク

 

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       映画 めし

 大恋愛が成就し、新婚ホヤホヤの家庭ならば何が起きても楽しいとしたもの。しかしながら多くの夫婦は、ある日突然倦怠期を迎えてしまう。昔ならば夫婦揃って家でご飯を食べるのも楽しかったはずだが、次第に旦那が平然と『おい、めし!』とぶっきらぼうに言ってくるのに嫁さんは腹が立ってくる。だったらお前が自分でご飯ぐらいよそえ!と言い返したくなるだろう。

 なんだか味気ないタイトル名が付けられていると思う人も多いと思うが、今回紹介する映画めしは前述したように夫婦のやり取りの言葉がタイトル名の基になっている。

 

 旦那だけが何だか楽しそうに見えてしまった奥さんが取ってしまった行動とは?それではストーリーの紹介をしよう。

 東京から夫の初之輔(上原兼)の転勤が切っ掛けで大阪に引っ越してきた三千代(原節子)の夫妻だったが、大阪に来てからは倦怠期を迎え、ことあるごとに口喧嘩が絶えない。特に三千代は普段は家事ばかりに追われて毎日を苦痛に過ごしていた。

 ある日のこと、初之輔の姪である里子(島崎雪子)が家出をし、東京から1人でいきなりやってくる。どことなく初之輔と里子が楽しそうにしているのに不満を更に募らせた三千代は里子を東京へ帰すことを口実に東京の実家へ帰ってしまうのだが・・・ビックリマーク

 

 結婚して5年目を迎えて離婚のピンチ。期限を決めずに東京へ帰ってしまう三千代だが、実家での暮らしは非常に気楽な物。しかしながら三千代はかつての旧友がシングルマザーになっていたりするのを見て、少しづつだが心変わりをしていく。不満ばかりの結婚生活だったが、実は案外自分は恵まれていたのではなかったのかと。

 結局のところ、夫婦って何だろう。更に言えば人生って何だろう。幸せと言うのは、日常が当たり前のように過ぎていくことなのかもしれない。

 ちょいちょいユーモアがあったりで、不思議と暗さはない。どちらかと言えば起伏が少なく、淡々と描かれているが、観終えた後に『あ~人生って、こんなもんだよね』と思わさせる映画。 

 日頃不満を募らせている人、離婚のピンチに陥っている夫婦、昔の大阪の風景を見たい人等に今回はめしをお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督は成瀬巳喜男浮雲驟雨と見ましたが作風は違うがどちらも傑作でお勧めビックリマーク

 

 

 

 

 

 

 

 

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       映画 正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官(2009) 移民問題を描く 

 今や我が国ニッポンにおいても問題となっているのが移民問題。移民の賛否をめぐって日本が大きく分断されてしまっている。我が国の場合は人口減少によって、このままでは国力が持たないの是非が大きく議論されているが、そんな移民問題を元々が移民国家であるアメリカが描いているのが今回紹介する映画正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官。あちらの国でもドナルド・トランプ大統領の登場によって、移民の問題が明らかになってきた。と言うよりも本作を観ているとそれ以前の2001年に起こった9.11の同時多発テロ以来、非常に移民に対して神経を尖らせていることがわかる。

 

 移民国家の抱える不法移民に対する苦悩を描くストーリーの紹介を。

 ロサンゼルスのICE(移民税関捜査局)の捜査官として働くマックス(ハリソン・フォード)は不法移民を取り締まる立場にありながら彼らに同情的。

 そんなある日のこと、同僚のハミード(クリフ・カーティス)の家に招かれ、彼の素行が悪そうな妹ザーラと会話を交わすのだが、彼女は今夜はデートがあるからとその場を離れる。しかし、その後にザーラと彼女の彼氏の死体が発見される。たまたま会話を交わしたザーラのことが気になるマックスは独自に捜査をするのだが、思いも寄らぬ真実にぶち当たり・・・ビックリマーク

 

 本作には色々な事情を抱えた移民達が出てくる。例えば20歳代半ばのメキシコ人女性は不法労働者としてアメリカ生まれの息子(アメリカで産まれた子供はそのままアメリカ人になれる)をそのままにしてメキシコに強制送還されたり、オーストラリアからやってきた白人の美女は何とかしてアメリカで女優になろとする夢を捨てられずにそのまま居座り、オーストラリアでは大活躍していた女優として偽ってグリーンカード(永住権)(グリーンカードと得る方法は様々であり、この女性の場合は一芸に秀でていることを偽っている)を拾得しようとしたり、韓国籍の家族は祖国に希望を見出せずアメリカ国籍を取ろうとしたり、イスラム教であるバングラディシュ出身の女子高生は授業中に9.11について自爆テロを起こした側にも擁護する部分もあるとの発言をしたらFBI捜査官達が一斉に動き出し危険因子と見なされたり、様々な移民が出てくる。他にも熱心なユダヤ教でもないのだが、アメリカ国籍をとるために敬虔なユダヤ教のふりをする者も出てくる。

 様々なアメリカ国籍の取り方を知らされると同時に、希望を持てない者が、ほとんど希望を得られないアメリカで、もがき苦しんでいる姿を見せられる。

 ちなみに現在の我が国ニッポンで起きている不法移民だが、埼玉県の川口市周辺のクルド人の問題が顕著になっている。治安が安全だと言われている我が国だが、すでに我々の生活が脅かされている。それでも国や地方自治体の中では移民政策を取ろうとしている所があるが、移民政策に関しては相当慎重にならなければいけないだろう。労働力不足を補うために安い賃金で賄えるから外国人を片っ端から日本に移住させてしまえ!というような方法しか考えられないのでは能がなさすぎる。このままでは日本の伝統、文化、マナーがぶっ壊される。

 移民国家アメリカらしく移民達の苦しみを描いている。アメリカでも不法移民の存在が問題になっているが、むしろアメリカとはお国柄が違う我が国ニッポンの方が移民問題は深刻だと考えさせられる映画であった。

 移民問題に興味のある人、9.11以来のアメリカの姿を知りたい人、アメリカンドリームと言う言葉に陶酔してしまっている人、なぜかこれからアメリカ国籍を取ろうとしている人、いつもと違うハリソン・フォードを見たい人等に今回は正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官をお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 

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       映画 ジョン・Q-最後の決断-

 息子がいる父親にぜひ見て欲しい映画が今回紹介するジョン・Q-最後の決断-。格差社会のアメリカにおける社会制度の矛盾や金持ちの傲慢さが腹の立つ作品だ。

 この映画を本作の主人公と同様に貧乏で一人息子がいるお父さんが見たら、非常に居た堪れない気持ちになるはずだ。放っておけば今すぐにでも死にそうになっている息子を助けるために常軌を逸した行動をとってしまうお父さんを黒人の名優デンゼル・ワシントンが演じるが、もしも彼と同じ立場に立たされたら同じような行動を起こすお父さんがいるかもしれない。

 

 我が国ニッポンもアメリカと同じ社会制度の歪みが出ているのではないかと思わせるストーリーの紹介を。

 アメリカ、イリノイ州シカゴにおいて。ジョン(デンゼル・ワシントン)は最近正社員からアルバイトに格下げされて、貧乏な暮らしを強いられている。毎日新聞を見て副業を探そうとするのだが、面接で落とされてばかり。そんなジョンの唯一の楽しみはマイク(ダニエル・E・スミス)の存在だ。

 ある日のこと、マイクの少年野球の観戦をジョンと妻デニーズ(キンバリー・エリス)としているとマイクが走塁中に意識不明のまま倒れてしまう。ジョンは慌ててマイクを地元の病院に運ぶが、マイクの病気は一刻を争う心臓の病気で心臓の移植手術が必要だった。

 しかし、そのためには高額の費用を払って名簿に載せる必要があり、しかも手術の費用が想像を絶する高額な費用を要すことを病院側から指摘されてしまう。しかも、このまま何もしなければマイクは死を待つだけなのに、カネの支払いを出来ないことを見越した病院はマイクを強制的に退院させようとする。病院側のやり口に憤りを爆発させてジョンは医師や患者を人質にして病院を占拠する行動にでてしまい・・・ビックリマーク

 

 人名よりも金持ちを優遇する病院や保険会社の態度に腹が立つし、弱者を救おうとしない制度を構築してしまう政治家にも腹が立つ。弱者の命を守ろうとしないアメリカの医療や保険制度の矛盾が描かれている。

 そのような社会派的な面を描きながらも、刻一刻と迫ってくる息子の死のタイムリミットとジョンが立てこもる病院を包囲する警察との戦いがスリルがあり、楽しめる娯楽映画になっているのが良い。

 冒頭でいきなりショッキングなシーンから始まるのだが、その伏線もばっちり回収する手際よさもポイントが高い。

 日本も長引くデフレというよりも政治家によるデフレ政策のお陰で、すっかり格差社会になってしまっいる。本作はアメリカが舞台だが、日本も同じような道を進んでおり弱者が切り捨てられている社会になってしまっている。特に俺のような貧乏人は本作を他人事として観ていられなかった。

 相変わらずナイスガイな男を演じるデンゼル・ワシントンを見たい人、格差社会の問題点について考えたい人、社会派と娯楽がマッチした作品が好きな人に今回はジョン・Q-最後の決断-をお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督はニック・カサヴェテス。恋愛映画の傑作きみに読む物語、キャメロン・ディアズ主演の私の中のあなたがお勧めビックリマーク

 

 

 

 

 

 

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        映画 追憶(1973)

 愛し合うことは必ずしも思想、信条が一致しなくても良いはずであり、自分と考え方の違いをいくらか許容することができれば、愛し合うことができる。何だかロバート・レッドフォードが亡くなってから彼の映画ばかりレビューしているが、彼の作品には本当にいい作品が多い。

 彼は熱心な民主党支持者として知られているが、恋愛映画でありながらも彼が出演する映画らしく政治が取り込まれているのが今回紹介する追憶だ。

 

 第二次世界大戦中前後を背景にした悲しくも美しい恋愛映画ストーリーを紹介しよう。

 やたら学生の頃からリベラルな政治活動に熱心すぎるぐらいの女性ケイティ(バーブラ・ストライサンド)は、特に政治的思想は持たないが軍人となっているバベル(ロバート・レッドフォード)と再会する。それ以来2人は時には喧嘩をしながらも付き合い、結婚することになる。

 バベルは小説を何冊か出版しており、彼は脚本家として成功するためにハリウッドへケイティも連れていく。2人の間に子供も授かり、ようやく平穏な日が訪れようとするが、ある一件を切っ掛けにケイティは再び政治活動にのめり込んでしまい、そんな彼女に嫌気がしたバベルは離婚を決意。ケイティが無事に女の子を生んだのを見届けて彼女の元を去ってしまう。

 そして数年後ニューヨークで2人は再会するのだが・・・ビックリマーク

 

 全体的に当時はバリバリの二枚目のロバート・レッドフォードは抑え気味の演技を見せているが、バーブラ・ストライサンドの方がリベラル志向で政治活動にのめり込み、やたらと正義心を駆り立てる女性像を演じているのが印象的。どちらかというとバーブラ・ストライサンドの方が目立っていて、彼女の主演の映画と言って良いぐらいだ。

 少しばかり優し目の男と気が強い女性との恋愛模様。こんな面倒くさい女性と一緒になりたいと個人的には思わないし、まあ見るからにこの2人は上手くいかないな~と予想しながら観てしまう。しかし、そんな2人だがラストシーンで感動させる。辛いシーンではあるのだが、あの時の思い出が2人を繋いでいるんだと感じさせられるし、アメリカのリベラルの凄みを感じさせるシーンが最後で見れる。

 第二次世界大戦中、そしていわゆる赤狩りを背景にした政治恋愛映画。自分の信念を貫き通す女性に憧れている人には今回は映画追憶をお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督はシドニー・ポラック。ロバート・レッドフォードとのコンビ作がけっこうあり、コンドル愛と悲しみの果てがお勧め。他にコメディ映画としてトッツィーがお勧めビックリマーク

 

 

 

 

 

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        映画 ニュースの真相

 現在の日本では伊東市の市長の学歴詐称疑惑のニュースが流れているが、今回紹介する映画ニュースの真相は歴代アメリカ大統領の中でも、その無能ぶりを発揮していたジョージ・W・ブッシュの過去の軍歴に少しばかり焦点が当てられている。

 時の大統領であり、選挙中で接戦が伝えられていた頃のストーリーを描いているのだが、メインとなるテーマは報道の在りかたについて。日本のオールドメディアと呼ばれるマスコミの偏向報道は目に余るが、本作を観るとアメリカと日本のメディアの責任感の違いというのが少しばかり理解できる。某左翼的新聞機関においては従軍慰安婦の件で報道の間違いを謝罪したが、きちんと責任をとったのかという点で未だに批判されている。現在においてもオールドメディアによる新興政治団体に対するレッテル貼りは酷いものがある。

 

 アメリカと日本のメディアの役割、責任などを考えさせられるストーリーの紹介を。

 2004年、共和党の現職大統領であるジョージ・W・ブッシュと民主党のジョン・ケリー候補との一騎打ちになっており情勢は全くの互角。

 そんな時にアメリカのニュース機関であるCBSの人気番組である『60 Minutes II』のプロデューサーであるメアリー・メイプス(ケイト・ブランシェット)はブッシュ大統領の従軍期間中における過大なる評価を受けていたことに対する疑惑の情報を入手する。

 メアリーは早速チームを組み、彼女の父親的存在であり盟友でもある伝説的ニュースキャスターであるダン・ラザー(ロバート・レッドフォード)とタッグを組み、ブッシュ大統領の軍歴詐称疑惑について調査に乗り出し、決定的な証拠を得る。

 早速特番を組みブッシュ大統領の過去の従軍中における軍歴詐称疑惑を報道し大反響を呼ぶことに成功。しかし、肝心の証拠に対して穴があることを数多く指摘され、メアリーたちは逆にピンチに追い込まれるのだが・・・ビックリマーク

 

 政治映画であり、マスコミを描いた映画。誤った報道をしたメディアの責任の取り方の日米の違いがよく分かる。これはメアリー・メイプス自身による原作の映画化であり、彼女によれば未だにブッシュ大統領の軍歴詐称疑惑は真実だと思っているふしが見え隠れする。それにしてもなぜ彼女たちは、このような致命的なミスをしてしまったのか?それともミスはしていないのだが、何が自らを苦境に追い込むことになってしまったのかを考えながら観ると本作は面白い。

 しかし、結果的に誤った報道をした彼女達の責任の取り方はマスコミに生きる者たちは大いに見習えと言いたい。選挙が始まると無責任な報道が増えてくるのが、本当に嘆かわしい。

 そして、報道番組に対して証拠の穴があることを指摘しているのが、インターネットを通じてということ。現在の日本のかじ取りを事実上任されることになる自民党総裁選挙においてオールドメディアはこぞって小泉陣営の勝利を言っていたが、実際は皆さんご存知の通り高市陣営の勝利。まさにオールドメディアに対するネット番組の勝利と言えるだろう。それは先日行われた参議院選挙における参政党の躍進にも繋がっている。

 そうは言っても、インターネットに氾濫している情報も玉石混交で出鱈目な情報も交じっている。間違った情報を植え付けられてしまって固定観念から抜け出せない人も居るが、正しい情報を選ぶ力を養いたいものだと思う今日この頃である。

 ニュース番組なら何でもかんでも信頼してしまう人、報道に興味がある人、ジョージ・W・ブッシュ大統領って居たよねっと感慨に浸れる人、最近亡くなったロバート・レッドフォードの晩年の作品に興味がある人等に今回はニュースの真相をお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督はジェームズ・ヴァンダービルト。本作が初監督作品ですが、脚本家としてアメイジング・スパイダーマンシリーズやゾディアック等、脚本家としてはヒットを飛ばしているだけに今後に期待したいところですビックリマーク

 

 

 

 

 

 

 

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       映画 ランナウェイ/

 若い頃はニューシネマを代表する二枚目俳優として成功し、年齢を重ねてからは映画監督としても名作を撮っているロバート・レッドフォードが89歳で亡くなった。いわゆる名優とは少し違うが大スターとして年齢を重ねてからも主演を張り、そして、映画監督としては、大スターらしからぬ渋めの社会派作品を世に送り出した。

 彼はバリバリのリベラルで民主党支持者であることは有名だが、監督、出演作品を通してその思想を貫いている。

 そして、今回紹介する映画ランナウェイ/逃亡者は彼の最後の監督作品であり、彼らしい社会派サスペンス映画になっている。

 

 若い頃、学生運動に熱心だった人々にとっては非常に興味深く見れるストーリーの紹介を。

 学生時代に過激運動派組織であるウェザーマンに所属していたニック・ストローンはミシガン州の銀行襲撃とその際に守衛を殺害した容疑でジム・グラント(ロバート・レッドフォード)と名前を変え、まだ幼い娘と二人暮らしをしており、弁護士としてFBIから30年以上も隠れるように暮らしていた。

 ある日のこと、元ウェザーマンでありジムと仲間であったシャロン・ソラーズ(スーザン・サランドン)が罪の意識から警察へ自首しようとしたところを逮捕されてから事態は動き出す。

 この事件を知った野心家のジャーナリストであるベン(シャイア・ラブーフ)は、ジムの存在を嗅ぎつけ、彼が元ウェザーマンであることを突き止め、世間に公表する。

 危険を察知したジムは娘を弟のダニエル(クリス・クーパー)に預けて、彼はベンやFBIの追及から逃げようとするのだが、彼の真の目的はただ逃げるだけでなく・・・ビックリマーク

 

 1970年代、泥沼化するベトナム戦争に猛反対する過激組織派が政府機関を襲い、警官隊と衝突するシーンを実際の映像を交えて冒頭から流れる。しかし、このような権力に抵抗する動きはアメリカだけでなく、日本にもあった。そのような時代背景を巧みに取り入れて、サスペンス映画を撮るところは、ロバート・レッドフォードらしさが出ている。

 彼が演じるジムはFBIの網をかいくぐりながら、昔の仲間だったウェザーマンに属していた人物達とある目的のために会いに行く。彼らの中には社会的地位を得て、ジムと会うことに対して煙たがっている人間もいる。30年以上の時の流れは、社会の変革を求めていた同士達の立場を大きく動かしていたのだ。

 あの頃のアメリカ政府は確かに間違っていた、それに対して行動を起こすことは大切なこと。しかし、その手段が暴力革命であることに限界がある。すでにそのことは本作を観るまでもなく歴史が証明していることである。

 そうは言っても昔の若者は過激派運動にしろやり方は間違っていても社会を変えようとするパワーがあったんだなと感じさせる。特に今の日本の政治は堂々と間違った方向へ長年向かっているのに何の行動も起こさずに生活苦を甘んじて受けている人が多い。そんな人は本作を観て少しは政治に参画しろ。もちろんその方法は暴力革命ではなくて、選挙に行くことだ。

 ニュースでロバート・レッドフォードを知った人、かつては学生運動に燃えていた人、現在の社会に不満を持っている人等に今回はランナウェイ/逃亡者をお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 ロバート・レッドフォード監督のお勧めは地味ながらも家族の崩壊を描いた普通の人々、ブラッド・ピットの出世作品であるリバー・ランズ・スルー・イット、テレビ業界の闇を描いたクイズ・ショウ、政治への参画を促されている気分になるトム・クルーズとメリル・ストリープの共演の大いなる陰謀、そして彼の政治的思想がよくわかる声をかくす人等がお勧めビックリマーク

 

 

 

 

 

 

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       ハード・ボイルド新・男たちの挽歌

 ジョン・ウー監督とチョウ・ユンファがタッグを組んだ作品に男たちの挽歌シリーズがあるが、実は全くストーリー的に関係ない。シリーズが違っても、見所満載のアクションシーンにハートが熱くなるような展開は今回紹介するハード・ボイルド新・男たちの挽歌においても健在だ。

 

 ハッキリ言ってストーリーなんかどうでも良いような気がするが、軽く紹介を。

 香港において、ヤクザ組織の武器密輸における抗争が激しくなる。ユン警部補(チョウ・ユンファ)は武器取引現場へ乗り込むが、相棒の刑事を死に至らしてしまい、しかも逮捕するべき相手も殺してしまい、捜査から外されてしまう。

 しかし、独自の情報で武器取引が行われる場所を知りそこへ向かうが、そこでもド派手に銃撃戦を繰り広げるが、危うく潜入捜査官のトニー(トニー・レオン)を殺してしまいそうになるが・・・ビックリマーク

 

 冒頭からド派手に繰り広げるアクションシーンが楽しい。銃弾は何発も飛び交うが、滅多なことで弾切れを起こさないのはこの監督らしいところ。またダンスをしているかのような銃撃戦も楽しい。

 そして、本作は火薬の量も半端ないし、拳銃を持って戦う奴らもとにかく熱い。そして、敵側にも強敵が配置されているので、特にトニー・レオンVS敵の殺し屋の対決シーンも楽しい。

 俺が特に感心させられたのが、アクションシーンにおける数々のアイデア。ハッキリ言ってあり得ないシーンもあるが、この作品にかける監督の意気込みを感じさせられた。

 そしてチョウ・ユンファトニー・レオンの熱い友情。特に最後のシーンにおける友情を感じさせるシーンはこれぞ、ジョン・ウーだ。男のプライドがほとばしる。

 何はともあれ心が震えるようなアクション映画を観たい人に今回はハードボイルド新・男たちの挽歌をお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督は前述しようにジョン・ウー。香港時代の作品なら男たちの挽歌、そして男たちの挽歌Ⅱ狼・男たちの挽歌・最終章。そしてハリウッドに行ってからは戦争映画ウインドドーカーズフェイス/オフペイチェック消された記憶、そして三国志を基にしたレッド・クリフのシリーズも面白いですビックリマーク

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        映画 イナゴの日

 夢のある映画産業の舞台であるハリウッド。多くの人間が夢を求めてハリウッドにやって来たが、現実は夢を叶えるどころかボロボロになってしまった人間の方が多い。1930年代のイケイケドンドンのハリウッドを舞台に、様々な人間模様が描かれているのが今回紹介するイナゴの日。ハリウッドの内幕を舞台にした映画は多いが、その中でも本作は観終えた後に後味の悪さが残る映画だ。

 

 タイトルの意味が観終えた後にわかるストーリーの紹介を。

 1930年代後半のハリウッドが舞台。アメリカの東部の名門大学であるエール大学を卒業したトッド(ウィリアム・アザートン)はハリウッドにやって来て、映画会社の美術部に配属される。ぼろいアパートを見つけたトッドは向かいの部屋にグリーナー父娘が住んでいた。トッドは娘のエキストラをしていてスターを夢見るフェイ(カレン・ブラック)に一目惚れ。

 しかし、フェイはトッドに気があるように見せて、他の男とも奔放に付きあう。フェイに翻弄されるトッドだったが、会社の偉いさんに気に入られ仕事のスタートは順調だ。一方、フェイの父親のハリー(バージェス・メレディス)は行商人であり、ホーマー(ドナルド・サザーランド)の家にたどり着くが、そこで心臓発作を起こして倒れてしまう。どこか陰気な雰囲気のあるホーマーだが、そのことを切っ掛けにフェイとホーマーが付き合うことになり・・・ビックリマーク

 

 ハッキリ言って楽しくなるようなシーンは一つもなし。フェイという女優の卵も嫌な性格だし、むかつくガキも出てくる。ホーマーにしても陰気な性格なのだが、最後に暴発してしまう。この暴発するシーンが後半に出てくるが、これがタイトル名を表しているのだが、これがトッドの気持ちも表現されていて非常に怖いシーンになっている。最初は大人しいドナルド・サザーランドだが、後半は本領発揮の演技を見せてくれる。

 心が躍るような見せ場が途中は無くて退屈に感じるかもしれないが、最後のホーマーがが暴発するシーンが見どころ。途中も映画セットがぶっ壊れる場面も中々の見所。そのように大して目を見張るようなシーンは多くないが、何度も書くがラストシーンは凄い。そして、ハリウッドという場所が夢や希望のあるというイメージが大いに間違っていることが本作を見ればよくわかる。

 正直なところ観終えた後にスカッとした気分にはなれないが、2回ぐらいは本作を観るのも良いだろうということで今回はイナゴの日をお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督はジョン・シュレンジャー。外面のニューヨークではなくて現実のニューヨークを描いた名作真夜中のカーボーイ。そして、ちょっと痛いシーンが出てくマラソンマン、成り上がって行く女性を描いたダーリングもお勧めですビックリマーク

 

 

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       映画 平原児

 アメリカ南北戦争で戦った兵士たちは戦争が終わった後に、行き場をなくしてしまう。しかし、彼らの中には自らの銃の腕を頼りに生きることを選んだ者もいる。その中から著名なガンマンが生まれる。そんなガンマンであるワイルド・ビル・ヒコックの伝記を描いたのが、今回紹介する平原児。南北戦争が終わり、西部開拓史へアメリカが突入していった時期を時代背景にしてストーリーは進む。

 

 ワイルド・ビル・ヒコックの生き様と同時に、アメリカの西部開拓史の時代についても少しばかり学べるストーリーの紹介を。

 1865年、リンカーン大統領が狙撃され死亡する。それを知った武器商人たちは、政府の想いを無視して、なりふり構わず武器を売りつけるのだが、彼らはインディアンにも武器を売るようになる。その中でもジョン・ラティマー(チャールズ・ビッグフォード)は中西部のインディアン達に最新式の銃を売りさばいていた。

 新しい希望を胸にアメリカの西部へ向かう者の中には、凄腕ガンマンとして名を知られていたワイルド・ビル・ヒコックゲイリー・クーパー)もおり、彼は親友であるバッファロー・ビルジェームズ・エリソン)とその妻と一緒に西へ向かおうとしたのだが、ワイルド・ビル・ヒコックはかつての恋人であり女馭者であるカラミティ・ジェーンジーン・アーサー)と出会う。

 四人どもどもで西へ向かうが、彼らは政府軍のカスター将軍(ジョン・ミルジャン)とインディアンの争いに巻き込まれてしまい・・・ビックリマーク

 

 アメリカ開拓史におけるアウトローであるワイルド・ヒル・コック、バッファロー・ビル、そしてカラミティ・ジェーン等知っていると楽しめる映画になっている。また逆に知り過ぎていると特にカラミティー・ジェーンの描き方に不満を覚える人も居るかもしれない。

 しかし、白人アメリカ人の開拓精神(フロンティア・スピリット)が少々理解できる映画でもある。

 ゲイリー・クーパー演じるワイルド・ビルの華麗なる銃サバキが見れるし、押し迫るインディアン達との戦いも、この当時のことを考えると中々の出来栄え。そして、何よりもガンマンとして生き続けざるを得ない悲哀を感じさせるのが良い。

 個人的には西部劇によってアメリカ映画好きになった者としては充分に楽しめた。そして、監督がセシル・B・デミルと聞いて心が躍る人には、ご賞味あれと言うことで今回は平原児をお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督は前述したようにセシル・B・デミル。サイレントの時代から活躍していた監督ですが、何と言っても映画史に燦燦と残る傑作である十戒がお勧めビックリマーク